むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 胸キュン

    若い人の胸キュンはいいのですが、ある程度の年齢で胸がキュンとなったらご用心です。この寒い季節には特に多くなります。

    胸がキュンとなる原因はいくつかあります。一つは狭心症。心臓の筋肉が酸欠になった状態です。危険ですから早めに診察を受けましょう。すでに狭心症の診断がついている場合はニトロペンという内服薬を口に入れて溶かすことで症状が軽くなると思いますが、何度も頻繁に起こるときは黄信号です。安静を保ち、次の受診日まで待たずに早めに受診しましょう。

    高血圧がとても悪化した場合にも胸キュンとなるようです。多くの場合後頭部の重い痛みなどを訴えることが多いのですが、心臓にも負担になりますから症状が出ることがあります。きちんと血圧の薬を飲んで、塩分制限をすれば症状は次第に落ち着くでしょう。薬を飲んでも血圧が下がらないようなら要注意。寒い時期、通常の強さの降圧剤では不十分かもしれません。また、この時期に多いのが脳梗塞です。手足に麻痺が出ていなくても小さな脳梗塞という場合があります。その際は、いつもになく血圧が上がったりします。速やかに精査が必要です。

    心臓弁膜症で心臓の弁の狭窄や逆流がひどくて胸キュンになることもあります。これは心臓超音波検査で診断できます。不整脈は動悸が多く、胸キュンという表現はあまりありません。しかし念のため心電図を検査する必要はあると思います。

    また、心疾患でなくても心因性(ストレスなど)が原因で胸キュンになることもあります。これは、精査をしても何も引っかかりませんので、逆にそれが診断に結びつくかもしれません。

    そのほかにも色んな原因がありうる胸キュンです。キュンとなったら、まだまだ若いなと過信せず、早めに精査を受けることをお勧めします。