むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 人生の楽園〜その後

    毎週土曜日の18時から「人生の楽園」という番組があります。早期退職して夢の田舎暮らしをする、といったことを実現した家族の紹介です。ちょっとしたドキュメンタリーで、夢を追う姿、その夢が実現したところを見るのは楽しいものです。

    多いのが、都会から田舎に移住して、畑をする、ペンションを経営する、そば打ち職人になる、喫茶店やレストランを経営する、などなどです。みなさん退職金を叩いて夢を実現しています。みていて「いいなー、大自然の中で好きなことができて」と思います。

    つい最近、この「人生の楽園」に出演した人たちのその後がどうなっているかの調査がネットに出ていました。なんと、いまも夢の生活を継続しているのは半数にも満たないそうです。結局、大半のケースは道楽であり、採算ベースではなかったり、仕事がうまくいかなかったり、田舎になじめず都会に戻ったりしているそうです。やはり、見ず知らずの田舎で暮らすには相当の覚悟がいるようです。昔からの夢だから、というだけでは考えが甘いということのようです。

    別の統計ですが、飲食店の起業でつぶれにくいのは寿司屋、つぶれやすいのはラーメン屋だそうです。起業までにかかる修行の年数、経験、覚悟、といった違いでしょう。簡単に起業できる仕事は競争も厳しく現実は甘くないということのようです。

  • 膝の痛みに効く漢方

    漢方で膝の痛みに効く処方がいくつかあります。私が好きなのは2つです。

    痛い側のひざをくまなく触って暖かい(熱感があり腫れている)場合は越婢加朮湯です。かなりよく効きます。年齢とか患者さんの体力とか、何も気にすることはありません。ポイントは膝の熱感があるかどうかです。もう一つは膝に熱感がない時。麻杏よく甘湯です。筋肉痛や関節痛に抜群の効果を発揮します。

    こういった漢方薬に針治療を組み合わせると、結構いい成績で痛みが軽減します。膝は軟骨がすり減っているとか、ヒアルロン酸が足りないとか、グルコサミンのサプリとか話題には事欠きませんが、色々やってもダメだからいよいよ手術を考えているという場合に思い出してください。針と漢方という方法もあるんですよ。

  • 五十肩には針が効く

    最近立て続けに肩が上がらないと言う患者さんが来院されました。いわゆる五十肩です。

    当院に来られた患者さんの場合、まずは手が動く範囲を調べます。前、横、後ろ、どこまで動かすと痛みが出るのかをチェックします。次に操体法というリハビリ運動のようなものをします。操体は通常のリハビリの反対で、痛い方向には動かしません。痛くない方向にだけ力を入れてもらい、瞬間的に脱力します。これを3回くらい繰り返してもらいます。うまくいけば、これだけでもかなり痛みが軽くなり、可動域が広がります。また、操体法は家族にやり方を習っていただけば、自宅でいつでも治療できます。

    次に、肩の動きをよくするツボを指圧してみます。鍉鍼(ていしん)という刺さらない金属の針(棒)でツボを圧迫しながら肩を動かします。経絡という気の通り道を考えながら数カ所のツボを押すと、肩の動きが急に楽になるツボが見つかります。それがわかったら、そこに実際に針をします。あらかじめ、指圧でも効くことが確認されていますから、うまくいく可能性が高いのです。10分ほど針をして抜いた後は「あれれ、手が上がるようになりました」と喜んで帰っていただいています。

  • 打撲を治す漢方薬

    江津湖を散歩したら、ちょうど水草の撤去作業が行われていました(写真)。水草の中にコウホネと呼ばれるスイレンの仲間があります。おそらく江津湖にもたくさんあると思います。

    このコウホネですが漢字で河骨あるいは川骨と書きます。根っこは漢方薬で川骨(センコツ)と呼びます。この川骨を使った漢方処方があります。治打撲一方(ぢだぼくいっぽう)です。名前の通り打撲を治す処方として有名なのですが、実際には打撲だけではありません。捻挫、外傷(交通事故など)、骨折、圧迫骨折、手術などなど色々な場面で役に立ちます。打撲を治すと言うより非常に優れた鎮痛剤であり、腫れをとる処方です。交通事故で顔がパンダのようにあざになっていても、この処方を飲むとかなり早く腫れが取れ、あざも綺麗になります。その早さには漢方がこんなに効くのかと驚くと思います。

    私の経験ですが、5年ほど前に1mほどある椅子の上から転落して腰の骨を3箇所骨折しました。痛いのなんの、想像を絶するものです。動けません。しかし、治打撲一方を飲んだところ痛みはかなり軽快し数日後には仕事に行くことができました。ロキソニンのような西洋薬よりはるかによく効きました。漢方の効き目でびっくりするナンバーワンかもしれません。

     

  • MRIを過信しない

    MRIはその解像度のすごさに眼を見張るものがあります。画像処理の方法もいろいろあり、解剖学的変化を見るのに優れたものや超急性期の脳梗塞を見やすくしたものなどいろいろあります。脳神経の分野だけでなく、整形外科でも重宝されます。従来のレントゲンでわからなかったような小さな骨折もわかるし、脊柱の縦切りの写真も撮れるためにヘルニアや脊柱管狭窄のような診断が容易にできます。

    しかし、問題は感度がよすぎて検査をするといろんな異常が見つかるのですが、その発見された異常所見と実際の症状(例えば痛み)に関連があるかどうかははっきりしないのです。場合によっては、MRIで見つかった病変を手術したけど痛みは取れなかったと言うこともあります。逆に、すごい骨の変形や圧迫所見があるのに痛みのない人もたくさんいます。画像で見つけられた異常が、臨床症状と結びつかない例は珍しくありません。

    もう一つ問題なのは、検査で異常なかったからといって、その部分が異常なしとは限らないと言うことです。例を挙げるなら、手がしびれている時には首の骨が問題のことが多いのですが、実際に頸のMRIをとっても異常がないと言う場合があります。それは、画像が間違っているのではなく、技術的にはっきりさせることの難しいような病変が首にあるのではないかと考えます。決して画像で何もなかったから異常なしとは断定できないのです。これは私たちが騙されやすいポイントだと思います。