むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 認知症と運転免許

    認知症とまではいかなくとも、高齢者の交通事故が最近話題になります。大抵はアクセルとブレーキの踏み間違いです。高齢者は免許更新の際に認知症のテストがあり、認知症が疑わしい場合は病院で検査することになっているそうです。

    しかし、もし病院に来て認知症と診断されると、免許更新はできなくなります。その際、その人の生活はとたんに困ることになります。買い物も、病院通いも、郵便局にもいけなくなります。都会では電車やバスもたくさんあるのでそんな心配はないでしょうが、過疎化した田舎では死活問題です。運転免許を軽い認知症と診断して取り上げるのは、私たち医師にとっては判断が難しいです。当然自動車学校のようなところで試験してもらえば一番いいのですが、今自動車学校での高齢者の教習はそれほど厳しいものではないようです。

    行政は街を市電やJR沿線に近いところだけに縮小して、離れたところに住まないように都市計画をしています。そういうまちづくりが現実となればいいのですが、今すぐ高齢者の免許証を取り上げるのは難しいと思います。取り上げる代わりにバス(赤字路線)を増便するとか、タクシーの無料券を配るとか、ただでさえお金がない自治体のお金をさらに使うことばかりしか案が出ません。

    これは私の提案です。未成年者が車に乗る場合、自動車保険はかなり高額ですよね。高齢者も事故が多いのだから、車を運転するからにはそのリスクに見合うだけの高額な保険料にしなければいけません。年金で払えないくらい高額の自動車保険の加入を義務付ければ(任意保険でなく、義務化するべし)、高齢者の免許は自然と返納されると思いますが、いかがでしょうか?

    当院への道案内の看板が増えました。写真は長嶺南です。