むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • ウォーリーをさがせ

    ウォーリーをさがせというのがありますが、ご存知ですか?

    こんな絵本のような絵の中からウォーリーという主人公を探すゲームです。結構難しいです。

    私たち内科医の仕事はこのウォーリー探しに似たものです。例えば、腹痛、下痢で患者さんがきます。今の時期、大抵は感染性胃腸炎であろうと思われますが、必ずしもそうではありません。食中毒にもいろいろあり、ノロウイルス、ビブリオ、病原性大腸菌 (O-157)その他たくさんの原因があります。また、ストレスからくるものや慢性の胃腸疾患から来るものもあります。とにかく、鑑別しないといけない疾患は山ほどあります。似たような訴えの中から、通常のものとは違った怪しい疾患を確実に見逃さないようにしないといけません。これは、臨床診断学という学問で、疾患を見極めるコツなどをテキストに書いてある場合もありますが、大抵は長年の臨床の勘なのです。なんか変だな、と気づくことが大事なのです。

    まずは、季節的に頻度の多い疾患からすぐに思い浮かべるのですが、単純に決めつけず、それ以外の疾患をいかに幅広く想像しながら診断するかというのが大事なのです。

  • 野菜を食べよう

    野菜が体にいいのは誰でも知っていますが、なかなか実践にうつせません。必ず具沢山の味噌汁を作って一品。これは簡単です。毎日できます。レタス、トマトなどの野菜サラダ、これは夏には簡単ですが、冬に毎日食べるのは簡単ではありません。もちろん今の時代スーパーに行けば冬でもトマト、レタス、キュウリなど手に入りますが、買えるから食べるというのは良くありません。旬でないからです。旬でない野菜は値段が高いばかりでなく、味も良くありません。栄養価もよくありません。そして、体によくありません。体に良くないというのは、体が季節のものを食べるようにできているからです。冬にレタス、トマト、キュウリのサラダを毎日食べると体が冷えて体調を壊します。冬は冬の野菜が体にいいのです。

    そんなことを考えていると、夏は野菜が豊富ですからたくさん食べられますが、冬に野菜を食べようというのはどうしたらいいのかわかりません。

    結局、最近思うのはとにかくなんでもいいからたくさん野菜を買ってくることです。冷蔵庫の野菜室いっぱいに白菜、ごぼう、人参、レンコン、かぼちゃ、玉ねぎ、しいたけなどたくさん買ってきて入れておきます。そうすると、それをどうやって食べるかは自然と頭に浮かんできます。野菜炒め、煮物、野菜たっぷりのカレー、煮込みうどん、などなどとにかく冷蔵庫にある野菜をどうにか使って食べるわけです。食べ方を考えながら買い物に行くと、冬はあまりにも考えが浮かびません。逆に冬野菜をたっぷり買ってきてから消費の方法を考えると、肉なんて食べている場合ではありません。毎日何品も野菜料理を作らないと白菜やホウレンソウなど傷んできます。発想を逆にすると、案外簡単に野菜料理がたっぷり食べられます。

  • コレステロールの話

    コレステロールが高いという話はよく聞きますが、本人にとっては痛くも痒くもないので、あまり実感がわきません。採血をして初めて分かるので、健康診断などで高いので注意しましょうと言われることが多いと思います。

    コレステロールは動脈硬化を起こす原因と言われており、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などに関係しています。きちんと下げておけば将来の重大な病気を防ぐことができるわけです。まだ本当の病気になる前に診断して治療するという意味では、漢方の言うところの「未病」に相当すると思います。せっかく見つかった高コレステロール血症はきちんと管理した方がいいでしょう。

    一方、80歳も超えた頃にはコレステロールの管理はあまり厳しくする必要はありません。薬も徐々に切っていいと思います。女性の場合、若い頃はコレステロールが高いことは少なく、50歳を超えた頃からだんだん上がってきますが、タバコを吸わないなら男性ほど厳しく下げる必要はないようです。

    コレステロールの薬はコレステロールの数値を治すために飲んでいると思ったら大間違いです。数値が下がるのは結果であって、目的は将来心筋梗塞などにならないようにすることです。それには血圧管理、禁煙など複合的にアプローチする必要があります。したがって、コレステロールをいくつくらいの数値まで下げたらいいかは個々で異なってきます。一概に正常範囲に入ればいいという話ではありませんので、何か疑問な点があれば、ご相談ください。学会のガイドラインをリンクしますので、興味ある方はご覧ください。

    http://dl.med.or.jp/dl-med/jma/region/dyslipi/ess_dyslipi2014.pdf

  • 糖尿病の新しい治療

    熊本地震の後で糖尿病が悪化したという人がたくさんいます。原因はいくつもあります。

    第1に通院が途絶えてしまった人。当然薬をやめると悪化します。これまで毎月病院で薬をもらい、採血データを見ていたのに、地震の後からその習慣がストップした方が結構おられます。是非、一度検査を受けてください。データが良くなっていればいいのですが、悪化したまま放置するのは良くありません。

    第2に地震のさいにおにぎりやカップラーメンなどの炭水化物しか食べるものがなく、データが悪化した人。その後何ヶ月かたちますが、未だにその増悪した分を取り戻せないことがあります。また、余震を気にして、食べられるうちにたくさん食べる食行動が悪化の原因になっていることがあります。

    第3に運動の習慣が途絶えた人。特に、夜間ウォーキングなどの習慣があった人で、震災時のトラウマで暗い夜道を歩くのが怖くなったり、自宅が被災して運動どころではなくなった人など様々です。

    理由はいろいろ考えられますが、糖尿が悪化している人は結構たくさんいます。

    一方、糖尿病治療薬はこの数年著しい進歩を見せています。今までインスリンを使わないといけなかったレベルの糖尿病も、ある程度までは内服薬だけでコントロールできる時代になっています。もし、自分の糖尿病薬が5年以上前から変わっていないようなら、新しい治療法があります。かなり少ない錠数で今まで以上に血糖をコントロールできます。複雑なインスリン注射(例えば1日4回注射)なども、新しい内服薬を併用することで1日1回のインスリン注射で済む場合があります。

  • みんなの家庭の医学

    「みんなの家庭の医学」というテレビ番組があります。いつもは見ないのですが、たまたま夕食後にTVをつけていたらこの番組が始まり、漢方の特集をやっていました。ご覧になった方はいますか?2時間もある長時間番組でした。CMをカットすれば1時間でも十分な内容なのに、引っ張って2時間にした感じでした。しかし、内容はなかなかよくできていて感心しました。漢方の診断から治療、鍼灸の話まで網羅していました。中でも重症の冷え症の患者さんが2例紹介されて、漢方を1週間飲んだらあっという間に良くなったというエピソードがあり、ビートたけしが、「なんだかテレビショッピングを見ているようだ」とコメントしましたが、まさにそんな印象でした。実際にあんなにうまく行く症例は何例かに一例です。

    それにしても、西洋医学では治らない症状が漢方の力で治ることがあるというのは最近随分知られてきました。そもそも日本人にとって漢方や鍼灸が効くというのは江戸時代までは当たり前で、それが日本の医療のスタンダードだったのです。しかし、オランダから蘭学が入ってきて特に外科の分野が飛躍的に発展しました。そして明治になり西洋医学がスタンダートとなった挙句、漢方のことが忘れ去られたのです。医師国家試験も西洋医学だけで、東洋医学に関しては全く教育されていませんでした。

    しかしこの10年くらい漢方の教育が医学部のカリキュラムに採用され、次第に若い医師の方から漢方が効くのは当たり前、という認識に変わってきたのです。私もこの10年ほど大学の漢方教育の一翼を担ってきました。系統講義、臨床実習など学生さんたちに漢方がいかに素晴らしいかを啓蒙してきました。

    今日の外来では、多彩な訴えのある患者さんが数名来院されました。診察中、自分の頭の中では西洋薬で行こう、と思っていたのですが、患者さんからは漢方でお願いします、と言われました。それも一人や二人ではありません。そうなると、こちらも気合が入ります。やっぱり時代は漢方を求めているんだ、と思います。逆に、この症状は西洋薬では治せないから漢方で行くしかない、と思って処方したのに、漢方は苦手なので、他の薬に変えてください、と言われる方もおられます。できることならそうしますが、漢方以外で治す自信がない場合があります。洋の東西にこだわらず、ベストな治療方法を考えることは当院の経営理念です。