むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 高齢者はフレイルを予防しよう

    当院では、日々さまざまな高齢者施設への訪問診療を行っています。数多くの現場を見ていると、その施設が本当に「良い場所」かどうかは、雰囲気でおおよそ伝わってくるものです。

    先日、ある患者さんの転居に伴い、新しく訪問を始めた施設がありました。初めは明るく和気あいあいとした印象だったのですが、回を重ねるうちに、少し気になる変化が見えてきました。入居者の皆さんが無言でうつむき、活気のない、どこか沈んだ空気感に変わってしまったのです。

    「座りっぱなし」が招く、体へのリスク

    介護現場の人手不足は深刻です。勝手に歩き回ると転んでけがをすることが日常茶飯のため、スタッフの目が届くよう、入居者全員を同じテーブルに座らせておくのが「効率的」であることは理解できます。しかし、医学的な視点で見ると、ここには大きな落とし穴があります。

    長時間椅子に座り続けると、夕方には足がパンパンに腫れ、翌朝になってもむくみが取れないことがあります。さらに、じっと動かずにいることで筋力は著しく低下し、いざ歩こうとしてもふらついて転倒の危険が高まってしまいます。

    「フレイル(筋力低下)」を食い止めるために

    高齢者の自立を妨げる大きな要因が「フレイル」です。加齢とともに筋力や活力を失っていく状態を指しますが、何もしなければ誰でもこの状態に陥りやすくなります。

    これを防ぐために有効なのが、「通所リハビリ(デイケア)」の活用です。専門スタッフによる集団体操や個別訓練など、介護度に応じた適切な運動を継続することで、筋力の維持・向上が期待できます。

    こうしたサービスは、ケアマネジャーが作成する「ケアプラン(計画)」に基づいて提供されます。限られた介護保険の枠の中で、入浴や食事介助とのバランスをどう取るかが鍵となります。

    介護生活をより良くするためには

    どの施設を選ぶかも大切ですが、入居した後に「自分らしい生活」を守るためには、次の2点が非常に重要です。

    1. 自分の希望を、ケアマネジャーに迷わず伝えること

    2. どのようなサービス(リハビリなど)を受けたいか、意思を明確にすること

    「年をとってまで運動なんて……」と遠慮される方もいらっしゃいますが、言われるがままの生活では、体はどんどん弱ってしまいます。

    ご本人やご家族がケアマネジャーとしっかり話し合い、納得のいく計画を立てること。それが、いつまでも自分の足で歩き、元気に過ごすための「第一歩」になります。

    大阪ー熊本便はなんと天草エアラインでした。私の座席番号6Aは飛行機の真ん中付近でした!全部でたった14列ぐらいです。機内では天草サブレとジューシー(みかんジュース)をいただきました。

  • 3月中にご確認を!

    このところ断捨離に火がついて、日々の隙間時間は掃除に充てています。朝に10分、帰宅前に10分、クリニックの院長室の掃除をします。また帰宅後は、自宅で今まで手がつけられていなかった不用品の整理に精を出しています。

    おかげで、燃えるゴミの日、埋め立てゴミの日、紙ゴミの日と、ゴミ出しスケジュールに従って大量のゴミを出しています。

    本が多いので、ブックオフに売れそうなものは持っていこうと思うのですが、マニアックな本が多くあまり値がつきそうにないため、ゴミに出そうと部屋の一角に集めています。一か月もすると、随分きれいになるのではないかと思います。

    今回読んだ「ガラクタ捨てれば自分が見える」は、最近手にした本の中で最もインパクトのある一冊でした。読み終えて、自分の行動がここまで変わるとは予想だにしていませんでした。

    クリニックの自室や自宅がきれいになり、棚に隙間ができてくると、心にも余裕が生まれ、運が舞い込んできそうな予感でいっぱいです。

    3月中にご確認を!クリニックからのお知らせ

    「2月は逃げる、3月は去る」と言われる通り、年度末はあっという間に過ぎ去ってしまいます。今月中に済ませておくべき大切なことがいくつかあります。当院をご利用の皆様は、以下の2点をご確認ください。

    1. 特定健診の受診はお済みですか?

    特定健診の受診券がお手元に届いている方で、まだ受けていない方の期限は「3月末」となっています。お早めのご受診をお願いします。 ※特定健診は予約制です。あらかじめお電話にてご予約ください。

    2. 帯状疱疹ワクチン(シングリックス)の2回目接種

    65歳から5歳刻みで案内が届いている方のうち、2回接種タイプの「シングリックス」を1回のみ接種されている方へ。 2回目を3月中に接種しないと、公費補助の対象外となってしまいます。 4月以降は全額自費となりますので、どうぞお忘れなく2回目の接種をお受けください。 ※予防接種も予約制ですので、事前にお電話での確認をお願いいたします。

    北山迎賓館(結婚式場):京都

  • Claudeの進化:かなり使えます

    先日、アメリカとイスラエルがイランへの軍事攻撃を開始しました。中東のことなのであまり現実味がないように感じますが、今後、原油価格が上がったり株価が下がったりと、いろいろな面で生活に影響が出てくるのは間違いありません。

    ニュースでしか現地の情報はわかりませんが、今回は昔のような陸軍や空軍が主体の戦争ではなく、ハイテクを駆使した情報戦になっているようです。アメリカ軍はサイバー・宇宙領域からイランの通信網を遮断しつつ、100機以上の航空機による空爆や巡航ミサイルによる攻撃を組み合わせるなど、まさに現代型の戦争です。

    そのアメリカがAIを軍事利用しようとする中で、Anthropic社はAIの自律型兵器や大規模監視への無制限利用を認めることは危険だとして、国防総省との交渉を拒否しました。代わりにOpenAIのChatGPTが軍の機密ネットワークに導入されることが発表されると、世界中のユーザーから反発が起き、ChatGPTの解約運動が巻き起こっています。その一方で、AnthropicのClaudeがApp Storeのダウンロードランキング1位に躍り出るという皮肉な結果になりました。

    私はこのブログの下書きをChatGPTで校正していたのですが、この数日、ChatGPTの処理速度が非常に落ちていました。この騒動による大量のアクセス集中も一因かもしれません。ちょうどAnthropicのClaudeがかなり使い勝手よく進化していたこともあり、このところGoogle GeminiとClaudeの2つをよく使うようになっていました。

    先日、アメリカから来た患者さんが健康診断を希望して来院されました。必要な検査項目は紙に書いてあるので、その通りに検査するのは難しくありません。しかし医師会から発行される結果報告書は日本語のため、「英文にできないか」と相談されました。医師会側では英文対応をしていないので、どうしたものかと思っていました。

    そこで「Claudeに頼んでみよう」と思い立ち、結果をPDFで取り込んで「英文に書き直してExcelで出力して」と頼んでみました。すると見事に採血結果の報告書が英文に変わりました。全項目をチェックして微調整するだけで完成です。こんなに簡単にきれいな英文報告書ができるとは、想像以上の出来栄えで大満足です。

    音声入力AIアプリのTypelessも使えば使うほど驚かされます。試しに診察風景の会話を模擬で聞かせ「カルテに書けるようにまとめて」と指示すると、ダラダラとした会話がカルテに記載できるレベルの要点整理された日本語に変わりました。単なる文字起こしと違い、内容を理解して編集までできる、まさに神AIソフトです。毎日AIの進歩には驚かされます。

    京都の街角 その2

  • 皆既月食の夜に漢方の勉強

    今日はひな祭りでした。訪問診療で伺っている施設には立派なひな飾りが。事務員さんが「せっかくですが今日でおしまいです」と仰るのを聞き、祭りの後をさっと片付ける日本ならではの美徳を感じました。

    そんなひな祭りの夜、チョコザップでの運動帰りに空を見上げると、月食が進んでいました。 私は幼少期から星が大好きで、図鑑を眺めては星の名前や豆知識を覚えるのが楽しみでした。月と地球と太陽が一直線に並ぶ神秘的な天体ショーには、今も変わらず心が躍ります。ただ、巨大な引力が地球にかかる時でもあり、自然災害への警戒も忘れないようにしたいものです。

    「心の漢方」講演会から得た確信

    診療後には、福岡で開催された飯塚病院の井上先生による講演会「心の漢方治療」をウェブ視聴しました。 私も心の問題に対する漢方について講演する機会があるため、非常に興味深く拝聴しました。私は基本的には中医学で飯塚病院は日本古来の古法派です。流派が異なっても、最終的に選ばれる処方が私とほぼ同じであったことは、自分の治療方針を再確認する心強い機会となりました。

    西洋薬と漢方の「ベストバランス」

    精神科や心療内科の領域において、「抗うつ薬や安定剤には抵抗がある」という患者さんは少なくありません。 もちろん、丁寧なカウンセリングだけで改善すれば理想的ですが、薬の力を借りる必要がある場面も多く存在します。その際、漢方薬は非常に有効な選択肢となります。漢方の併用によって、西洋薬の量を最小限に抑えられるケースもあります。

    しかし、私が最も大切にしているのは「漢方かどうか」という点ではありません。

    最優先すべきは「生活の回復」

    不安や悩みで仕事が手につかない、家事ができないといった状況では、じっくり時間をかけて経過をみる余裕がないこともあります。 大切なのは、できるだけ早く家庭や職場といった「生活の基盤」を立て直せる状態に戻ることです。そのためには、西洋薬(抗うつ薬や抗不安薬)の力が不可欠な場合もあります。

    西洋薬への不安はよく理解できますが、現在の生活機能を守ることが何よりの優先事項です。当院では漢方の希望に最大限寄り添いつつも、それが最善でないと判断した場合には、西洋薬の併用を率直に提案するようにしています。

    心の問題も、多角的な視点からアプローチすることが、健やかな日常への一番の近道だと考えています。

    築地と書いてありますが京都の街角です

  • 知識は行動しないと意味がない

    昨日に引き続き、今日も断捨離を進めようと意気込んで出勤しました。 しかし、月曜日は朝からやることが山積み。大量の書類整理に追われ、診療が始まれば夕方までノンストップです。結局、掃除の時間は一分も取れないまま夜を迎えました。

    夜7時過ぎ。「このまま帰ろうか」という誘惑に駆られましたが、少しだけでもと自室の本棚を見渡しました。すると、「なぜこれを今まで大切に取っていたのだろう」と不思議に思うような古い書類やファイルが、次々に見つかったのです。

    今日は30分ほどで切り上げましたが、一度火がつくと「これは捨てても大丈夫」という判断が次々に下せるようになります。本棚の奥に眠っているのは、ここ数年一度も開かなかったものばかり。本当に大切なものは、常に手の届くところにあるのだと改めて気づかされました。

    今、捨てられるようになった「二つの理由」

    かつては捨てられなかったものを、今になって手放せるようになったのには、はっきりとした理由があります。

    1. 環境の変化: AIやネットの進化により、必要な情報はいつでも引き出せるようになったこと。

    2. 自分自身の成長: 書類に書かれた内容が、すでに自分の血肉となっていること。

    かつては「いつか見返すかもしれない」と、スキャンしてデータ保存することを考えていました。しかし今読み返すと、それすら不要だと感じます。当時は大事に取っておいた書類も、今見ると新鮮さを感じません。それは、その知識がすでに私の思考の一部として組み込まれ、日常の診療に活かされているからでしょう。

    書類の「役目」が終わるとき

    大切なのは、紙やデータを保存することではなく、得た知識を使い、行動に移すことです。行動を伴わない学びは、本当の意味で身につくことはありません。

    学んだ中で重要だと思った知識を、すぐに使ってみる。そして繰り返し使うことで、初めてそれは「自分のもの」になります。そこまで到達したとき、その情報源となった本や書類は、そっと役目を終えるのです。

    そう思えたとき、ようやく本当の意味で「手放す」ことができるのだと感じました。

    空間という名の「余白」を作る

    ここ数年、診療の忙しさや夏の酷暑に阻まれ、なかなか片付けに手が回りませんでした。しかし今、こうして「掃除の火」がついたのは、新しい自分に変わるための幸運なきっかけかもしれません。

    クリニックにも自宅にも、新しい幸運を迎えるための「余白」を作っていきたいと思います。棚にできた空間は、きっと次の新しい学びや出会いを運んできてくれるはずです。

    下鴨神社