むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • キムチは体にいいのか?

    唐辛子は漢方の世界では大熱に分類されており、温める働きが最も強い生薬です。冬は相当寒い韓国ですから唐辛子であたたまるのは納得です。しかし、世界を見ると、四川料理やインド、タイのような暑い地域の方が唐辛子の入った料理が有名で、ロシアとかカナダのように寒い地域で唐辛子好きの国はないと思うので、不思議です。唐辛子を食べると汗をかくので、結果的に暑さが吹っ飛ぶとか、暑さで食欲を落とした消化器を刺激するのに良いとか、暑い国でスパイシーな料理を食べる理由はいくつも考えられます。

    一方、韓国ぐらい寒いと温まりはしても、汗をかくことはさほどないのかもしれません。そういえば、むかし韓国行きの飛行機に乗るととんでもなくキムチ臭かったですが、いまは匂いはしてもそれほどひどくはありません。考えると最近韓国で食べるキムチはにんにくが入っていない気がします。そういう時代の流れなんでしょう。今回も、ほとんどの店でお通しのキムチが出てきましたが、どれもにんにくは入っていませんでした。実は、日本のキムチの9割は偽物です。ラベルには<キムチ風>漬物と書いてあります。白菜の浅漬けにとんでもない量の添加物で味つけられており、食べてはいけない感じの代物です。私は絶対買いません!本物は乳酸発酵食ですから、しばらく放っておくとどんどん酸っぱくなります。そして、発酵に伴い炭酸ガスが出てきてパンパンに膨れてきます。むかしの韓国便の飛行機が臭かったのは、おみやげに買った本場キムチが旅行しているうちに発酵が進み、帰国便で機内に持ち込むと上空で気圧が下がったときについに袋が破裂し、ニンニク臭が機内全体に漂うというわけです。偽物キムチは発酵しませんから、膨れたり酸っぱくなったりしません。

    唐辛子は辛味がカプサイシン、赤みがベータカロチン(ビタミンA)、さらに、ビタミンCとビタミンEをふんだんに含んでいるそうです。日本の一味唐辛子より辛くないのでたっぷり使います。また、上述の通り発酵食品です。むかしはキムチは重要な保存食だったそうですが、今や韓国のキムチ消費量はかなり減っているそうです。塩分のとりすぎが心配ですが、それ以外は、健康に良い食材だともいます。ただし、本物の発酵食品のキムチはなかなか手に入りませんよ。

    ダッカルビ1人前(調理中)