むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • かかりつけ医機能

    国から突然「かかりつけ医機能報告」という制度が始まり、すべての医療機関は今後2か月ほどのうちに、ネットを通じて厚労省に「自院がどの程度かかりつけ医機能を有しているか」を報告するよう通達が来ました。

    とりあえず厚労省のサイトを見てみると、「かかりつけ医研修を受けたか」など、いろいろな質問があります。そんな研修、受けたかな? 勉強会にはいろいろ出ていますが、その中に“かかりつけ医研修”としてカウントされるものがあったのかどうか、正直よく分かりません。他にも分からないことばかりで、困った挙げ句、とりあえず想像で入力し、保存するところまで進めてしまいました。

    そんな折、今日の夕方、診療終了後に医師会でこの「かかりつけ医機能報告制度」の説明会がありました。これは助かりました。自力では何が何だか分からなさすぎます。

    帰宅途中に開始時間となったため、携帯でWEB説明会に参加したのですが、スライドの文字がものすごく小さく、しかも情報量が多くて、ほとんど読めません。大事なことがたくさんあり、聞き逃したら大変です。急いで帰宅してiPadで入り直そうとしましたが、一度自分のIDで入室すると、端末を変更できない仕様のようで入れませんでした。

    仕方なく、音声は携帯で聞き続け、スライド資料だけ別途ダウンロードし、無事に大きな画面で内容を確認することができました。

    結局わかったのは、「かかりつけ医研修会」というものは、現時点では実質的にまだ存在していないということです。「受けましたか?」と聞くこと自体がやぼだと言い返したくなる気もします。ただし、これまでの研修受講歴や、休日当番医などの医師会活動の実績を申請すれば、研修済みとして扱ってもらえることが分かりました。

    さっそく医師会のホームページから自分の実績を検索し、「かかりつけ医研修済証」の申請まで済ませることができました。めでたしめでたし、です。

    この制度の目的は、今後急増する高齢者に対し、いきなり専門医療機関に集中するのを避け、まずは総合診療医相当の「かかりつけ医」が診る体制を整えることにあるようです。今回の報告制度は、その第一歩なのでしょう。

    日本の医療制度は、これから大きく変わっていきそうです。変化についていけないクリニックは、振り落とされ、淘汰されていくのだろうと感じています。

    クマブンシクのランチ

  • 27日(土)は通常通り診療します

    今年のクリスマスは暖かいと思ったのもつかの間、一気に冷え込みました。今年の冬、初めて厚手のダウンジャケットを出し、寝るときの布団もいつもより1枚増やしました。いよいよ冬本番です。年の瀬となり、当院は27日(土)が年内最後の診療となります。正月に薬が切れそうな方は、土曜午前中までに忘れずに補充してください。

    これだけ冷え込んでいるのに、私は仕事中に暑くなって半袖になっていました。患者さんは皆さん厚着なので、かなり場違いな感じです。まるで正月にハワイ旅行から帰国した日本人が、真冬の成田に降り立ったような格好です。そんな中、患者さんの中にこんな方がいました。「私、全然寒くないんです。更年期でしょうか?」「そうかもしれませんが、この寒さの中で寒くないなんて、いいことじゃないですか」と、私も半袖で答えました。はたから見ると、まるで別世界の会話です。

    さて、「終わりよければ全てよし」という言葉があります。そろそろ今年を締めくくる時期です。大学でも、入試ばかり頑張って卒業試験や卒論をおろそかにしてはいけません。医学部では、その先に医師国家試験が待っています。終わりをきちんと形にしないと、それまでの苦労が水の泡になってしまいます。日常の仕事でも、「詰めが甘い」と言われた経験はありませんか。勢いよく始めたプロジェクトも、最後をきちんと詰めておかないと、どんでん返しで台無しになることがあります。

    では、特別なプロジェクトを抱えていない人は、年の瀬をどう締めくくればよいのでしょうか。それは、新年の初詣で「今年はどんな一年にしたい」と願ったかを思い出すことです。そして、その願いがどのくらい実現できたかを振り返ってみることです。「家庭円満」「親孝行」「資格取得」など、何かしら目標を立てて一年を始めたはずです。それがどこまでできたのかを考えてみましょう。もしまだ十分でなかったとしても、あと1週間あります。少しでも取り組んでみるだけで、今年の締めくくりとしては十分意味があると思います。

    ポークソテーのチーズ煮込み(本当の料理名は忘れました)

  • 過酷な介護業界

    当院は年内は今週土曜日まで診療を行います。年末の駆け込みで薬を取りに来る患者さんも多く、忙しくしていますが、時間帯によってはがらんと暇になることもあり、年末だなーと実感します。風邪の患者さんには、来週の休診に薬が切れて困らないよう、少し長めに処方しています。インフルエンザの場合、タミフルが5日間処方になるので、それ以上の処方はできません。さっと治るといいのですが、インフルエンザはあとで咳が続いたり、痰が切れなかったりと、症状が尾を引くこともあります。こうした場合、抗生剤などの追加投与が必要になることもありますので、その際は当番医などで対応してもらってください。

    訪問診療で老人ホームを回っていると、いつも同じスタッフさんが一生懸命働いている姿を見ます。正月はどうするのかと尋ねると、介護士さんたちの出勤が少なくなり、少人数で乗り切るとのことでした。頑張る姿勢には頭が下がりますが、こんなに働き続けて体は大丈夫なのかと心配になります。高齢者はちょっと目を離すと転倒したり、ご飯を喉につまらせたり、認知症の方が暴力を振るったりと、いっときも気が休まらない状況が続きます。夜も静かに寝てくれるわけではなく、トイレ介助が必要だったり、全く寝ずに徘徊する方がいたりと、人手がかかるのは想像以上です。本当に大変な仕事だと思います。最近では、ベトナムやミャンマーなどからの外国人スタッフが来てくれて、ようやく施設が回っているところがほとんどです。介護業界は、日本人だけでは到底回らない状態です。

    話は変わりますが、漢方を処方する際には患者さんの情報をしっかり集めて判断します。東洋医学的な診察では、寒熱虚実という独特の診断軸で患者さんを評価します。しかし、たまにそのような難しい判断をせずとも、患者さんを見た瞬間に処方が自然に決まることもあります。それは、体格や顔つきなどではなく、患者さんの着ている洋服や持っているバッグ、アクセサリーなどから直感的に決まるものです。かなり特殊な技術であり、一般的にはあまり知られていないことですが、年明けに開催予定のセミナーでは、このワンポイントの診断のヒントについて解説しようと思っています。

  • 介護施設の選び方

    当院では、昼休みの時間を利用して近くの老人ホームやご自宅への訪問診療を行っています。1日に5〜10名ほど、ほぼ毎日まわっているので、連携している施設もかなりの数になります。いろいろな施設を訪ねていると、それぞれに特徴があり、「ここは素晴らしいな」と思うところもあれば、「もう少し頑張ってほしいな」と感じるところもあります。

    高齢の方でも、まだお元気な方と、介護が必要な方では向いている施設が違ってきます。自分で歩いたり、お風呂に入ったりできるくらい元気な方なら、デイケアなどでレクリエーションが充実しているところが楽しいでしょう。寝たきりに近い場合は、訪問看護と連携がしっかりしていて、身の回りのことまで丁寧にお世話してくれる施設が安心です。

    もちろん、介護施設もボランティアではなく事業として運営されています。お部屋の掃除や病院受診への付き添いなど、人の手がかかる分だけ費用が上がります。やはり、ある程度は「料金とサービスが比例する」と言えるでしょう。

    ただ、もっと大事なのは「施設を運営する会社の考え方」や「施設長さんの志(こころざし)」です。お金儲けが前面に出ている施設もあれば、入居者さんの安全で穏やかな暮らしを本気で考えている施設もあります。私たちは日々さまざまな施設を訪問していますが、多くの場合、入った瞬間の雰囲気でその違いがわかります。スタッフの挨拶や笑顔、入居者さんの表情を見ると、すぐにその施設の“空気”が伝わってくるのです。

    パンフレットに載った食事の写真や豪華な設備に目を奪われがちですが、実際に一番大切なのは「人」です。

    介護施設を探すときは、まずケアマネージャー(ケアマネ)さんに相談することが多いと思います。ただ、ケアマネさんも自分の所属する会社の施設を紹介するケースが少なくありません。それが良い結果につながることもありますが、そうとは限らないので、ご家族が直接見学されることをおすすめします。

    実際に行って、食事のときにスタッフがどのくらい介助しているか、デイサービスでテレビをつけっぱなしにして放置されていないかなどを見てみると、その施設の姿勢がよくわかります。

    根子岳

  • 受診の目的をはっきり伝えることが大事

    このところ、年末ということもあり毎日相当忙しくなっています。幸い発熱患者さんは減ってきて、落ち着いてきました。今年のインフルエンザ感染拡大に関与したのは中高校生の修学旅行だったのではないかと思います。旅行からかえってからあちこちの学校で学校閉鎖となり、その家族に広がった感じです。学校によっては、発熱した子供を迎えに旅行先の大阪などまで迎えにこさせるところもあったと聞いています。こんなことが毎年あるようなら、修学旅行の時期は考え直したほうがいいのではないかと思います。

    このところ混雑しているのは、正月に薬が切れないように早めに貰いに来たという再診患者さんです。いつも通りの薬を出しておけばいいのなら話は早いのですが、前に出した薬は効かなかったとか、飲んだら吐き気がしたから飲めなかったとか、一定割合で不調の方も混じっているため、聞き取りをしっかりしながら丁寧にフォローしないといけません。なかには、謎の症状を主訴に初診で来られている方も混じっているので、カルテが山のようになって待ち時間が1時間以上になっていても、こう言う患者さんは診断をつけて治療方針をたてるプロセスにどうしても時間がかかります。そんな中、当院の看護師さんたちは慣れたもので、複雑な病歴とか、何を求めて当院に来られたのかとかを事前に聞き取り、私の診察前に要領よくまとめてくれています。私はそれを読んで診察に入ることができるので、相当な時短になります。

    例えば、咳が出ると言う患者さんの場合、インフルエンザが心配な人、レントゲンを撮ってほしくてきた人、他の病院でもらった薬が効かないので病院を変えて見ようと来院した人、咳が出て仕事にならないからしばらく休職できる診断書がほしいと言って来られる人など、来院の目的は人それぞれです。これを、機械的に流れ作業的にやってしまうと、無駄な検査をしてしまったり、希望の検査をしていなかったりとあとになって、診察がスムーズに行かなくなります。たまには何も希望を言わずに察してほしいみたいな方もいますが、これは難しいです。うまく気持ちを汲み取れるときもあれば、なかなかこちらに伝わらないときもあるからです。限られた診察時間を有効に使うためにも、来院の目的は最初からはっきりさせていただくと助かります。

    三角西港