むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • ZOOMとAIに助けられた一日

    忙しい土曜の診療のあと、予定では福岡に行って「痛みと漢方を学ぶ会」という勉強会に参加するつもりでした。万全の準備をしていたのですが、訪問診療で診ている患者さんの容態が悪化し、いつ呼ばれるかわからない状態となったため、参加できなくなりました。仕方がないので、自宅からWEB参加することにしました。

    時間になりパソコンでZoomにアクセスすると、ほとんど会場にいるのと同じ感覚です。むしろ広い会場でスライドを見るよりも、パソコン画面のほうが小さな文字まできちんと読めるので、かえって勉強になります。自宅なのでコーヒーを飲みながらリラックスして参加できました。

    訪問診療の患者さんは現在80名ほど契約しています。24時間対応ということになっていますが、たいていの場合は老人ホームのスタッフさんや訪問看護師さんが一旦確認したうえで連絡が入るため、何でもかんでも直接電話がかかってくるわけではありません。しかし、いよいよ最期が近くなると、私もいつ呼ばれるかわからず、ヒヤヒヤしながら過ごすことになります。当然お酒も飲めず、好きなサウナにも行けず、電話があればすぐに駆けつけられるようにしています。今回はそのような状態が1週間ほど続いており、なかなかゆっくりリラックスすることができません。こうしたことは年に数回ありますが、医師という仕事柄、仕方のないことだと思っています。

    今日は、海外に仕事で行かれる患者さんから、現在服用している薬を持参するにあたり、税関で質問された際に提示するための英文診断書を書いてほしいと依頼がありました。外来が非常に混み合っている最中でしたが、即座に「大丈夫ですよ」とお答えしました。もちろんAIがあるからです。

    書きたい内容を日本語で簡単に下書きし、AIに依頼すれば一瞬で英文になります。あとは体裁を整え、内容に間違いがないことを確認してサインするだけです。以前は英文を考えながら何度も書き直していましたが、今では数分で完成するようになり、本当にありがたい時代になったと感じています。

    パルコ跡のHAB@ 2Fにあるシジャン(市場) 熱々のチゲと冷え冷えの冷麺のセット

  • 忙しくても睡眠時間は削らない

    寒くなりました。日中の最高気温も10℃しかなく、ひんやりとした空気がいよいよ冬だと感じさせます。今日は夕方7時から漢方の講演を頼まれていたのですが、6時の時点でまだカルテが20名ほど残っており、このままだと講演が時間通りできるか心配しました。しかし何とか6時半過ぎに終了し、間に合いました。移動がなく、診察室のパソコンから配信できたおかげです。Zoomの普及は本当にありがたいです。

    今回の講演のテーマは「痛みの漢方治療」です。頭痛、胸痛、腰痛など、痛みは全身に起こります。それぞれをどのように判断し治療するかについてお話ししました。短絡的に病名だけで漢方を選ぶのではなく、気・血・水のバランスを丁寧に評価することが治療成績向上につながるという内容です。90分の講演だったので約90枚のスライドを用意しましたが、ゆっくり説明していたら時間が足りなくなり、後半は詳細を端折りながら急いで話を進め、ギリギリ予定時間に収まりました。

    私は毎日、分刻みのギリギリのスケジュールで動いています。朝起きる時間も、ご飯を食べる時間も、犬の散歩も、だいたい何時からと決めています。その流れが講演などで2〜3時間ズレてしまうと、その日のノルマが終わらず、翌日のスケジュールに影響します。今日もクリニックの帳簿付けができないまま帰宅したため、明日は朝から忙しくなりそうです。ちょうどこの寒さで街路樹の落ち葉もどんどん増えているので朝の清掃も欠かせません。月初めでレセプトチェックもあります。すべてをいつも通りこなすのは難しく、どこかで一つ余計な予定が入ると、何かを犠牲にせざるを得ません。

    誰にでも同じような経験があると思いますが、最悪の選択は睡眠や食事の時間を削ること。これは避けなければいけません。一度きりなら大丈夫かもしれませんが、常習化すると確実に体を壊します。押してしまったスケジュール調整は、仕事を一つ諦めるしかありません。プライベートの時間を大事にすること。これが、仕事を長く続けるためのコツだと思います。

  • 今年やり残したことは今すぐ始めよう

    週明け、予想通り発熱患者さんが増えてきました。インフルエンザの検査はほとんどの患者さんに実施していますが、陽性が出るのは3割程度で、あとはインフルエンザでないか、タイミングが早すぎて結果が出ない場合です。私は患者さんの喉の所見をいつも確認していますが、インフルエンザには特徴があり、喉のリンパ濾胞の腫れが見られたらほぼ確定です。しかし、最近は発熱患者さんの多くにその典型的な所見が見られないため、インフルエンザ以外の風邪も結構混じっている可能性が高いと思います。アデノウイルスやマイコプラズマなど、さまざまな可能性があります。そういった感染症にも診断の手がかりとなる所見が伴うことが多いのですが、最近よく見る典型的な所見のない発熱患者さんでインフルエンザもコロナも陰性だと、診断が難しくなってきています。

    さて、今日から12月が始まりました。いよいよ今年も終わりが近づいてきましたが、まだまだやれることはあります。まずは今年を振り返り、やり残したことがないか確認してみましょう。もしまだできていないことがあれば、すぐに取り掛かりましょう。きっとまだできるはずです。先日2026年の手帳を購入したら、ページは12月1日からスタートしていました。今日から使えるので、早速使い始めることにしました。すでに年明けの予定も入ってくるので、今年の手帳を使っているとそれを書き込めません。1ヶ月前倒しで使い始められるのは非常に便利です。

    今週、天草薬剤師会で漢方の講演を頼まれています。WEB講演なので診療後、そのまま診察室のパソコンから配信します。最近は患者さんも多いので、スケジュールがずれこまないように気をつけたいと思っています。今回のテーマは「痛みの漢方治療」です。痛みと言えば整形外科だけでなく、頭痛や腹痛、生理痛などあらゆる分野で関係しますので、時間いっぱいに網羅的にお話しようと思っています。実は、昨日の学会で同じような講演があったので、参考にしようと思って参加したのですが、入門編的な内容だったため、あまり参考にはなりませんでした。私はいつも中級者以上を対象にした講演を行っているので、逆に初心者向けに話すのは難しく感じてしまいます。それはともかく、90分の講演を聞いてくださる方々の時間は大事ですから、聞いてよかったと思っていただけるように頑張ってお話ししたいと思います。

  • これからのAI時代にどう生きるべきか

    結局、週末は博多まで 2 往復することになりました。土曜は役員会のあと懇親会があり、役員の皆さんと久しぶりにゆっくりお話しする時間になりました。終わり次第すぐ熊本に戻り、夜は自宅で少し休んだあと、翌朝はいつも通り 5 時起床。洗濯や来週の生協の注文など日曜の家事を片付け、8 時すぎには家を出て新幹線で再び福岡へ向かいました。9 時過ぎには会場に着いたので、学会の講演はほぼ一通り聴くことができました。

    日本東洋医学会については、参加するたびに学術レベルが下がってきている印象があります。昔は漢方理論について活発な議論があり、重鎮の先生方の意見に圧倒される場面も多くありましたが、最近はそうした光景を見ることがほとんどありません。しかしこれは漢方界全体の問題ではなく、東洋医学会が勢いを失っているだけで、中医学会や和漢医薬学会など他の学会はむしろ活発です。

    行き帰りの新幹線では YouTube を聞いて過ごしました。内容は、AI が日常に完全に溶け込んだとき世界がどう変わるかというテーマです。ChatGPT は私も毎日何度も使っていますが、YouTube の中で印象的だったのは次の点です。

    まず、会議の資料作成や議事録作成など、AIを使えば効率よくできる作業は確かに多い。しかし「そもそもその資料は本当に必要なのか」「その会議自体は必要なのか」といった根本の問いを持つことを忘れてはならないという指摘でした。AI を使えば資料が簡単に作れるため、むしろ“必要のない作業”が量産されてしまう可能性があるということです。

    もう一つは、AI に質問(プロンプト)を書けば即座に答えが返ってくる時代に、単なる「まとめて仕上げる作業」はいずれ不要になるという点です。人間が本当にすべきことは、
    「何をしたいのか」「どういう方向に進みたいのか」を自分で決めることです。
    目的さえ明確なら、そこから先の作業はすべて AI に任せることができます。

    プロンプトを工夫することに注目が集まっていますが、本当に大事なのはその上流にある部分、つまり“何を創りたいか”を考える力です。それを養うためにも、旅行に行ったり、美味しいものを食べたり、さまざまな体験を通して世の中のニーズを知ることが重要だと感じました。

  • インフルエンザに抗生剤は効かない?

    暖かく穏やかな週末となりました。私は福岡で東洋医学会に参加しています。学会は日曜日ですが、土曜日の夕方に天神で役員会があり、前日入りしました。実は、ホテル代が1泊5万から20万というとてつもない値段なので一旦熊本に戻ってきました。日曜の朝からもう一度福岡に行きます。


    私にとって、自由な時間は土日しかないため、週末は非常に貴重なのですが、県外の学会に参加すると、丸々潰れてしまうのが悩みどころです。今週中にやりたかったことは山ほどあるのに、結局すべて保留になってしまいます。
    ちょうど今週末は月替わりで、レセプトのチェックも必要です。これだけは後回しにできないため、学会の後は全力で進めるつもりです。とはいえ、2000枚を超える書類ですから、以前気合を入れすぎて眩暈を起こしたこともあり、今回はほどほどにしようと思います。

    さて、最近のインフルエンザの流行についてですが、タミフルでさっと治る人と、長引いている人がいます。
    インフルエンザはウイルス疾患で、タミフルなどの抗ウイルス薬が有効です。しかし、こじらせると二次感染を起こしやすく、気管支炎になることが知られています。この場合、タミフルではなく抗生物質が有効です。
    状況を見極めて、必要であれば早めに抗生物質を使うことが、回復を早め、症状を長引かせないコツです。
    最近は風邪に対して抗生物質を使わない風潮があり、私も極力使わないようにしていますが、これは典型的なウイルス感染の風邪に対しての話です。実際の臨床では、細菌感染の合併が疑われるケースも多いため、臨機応変に処方を行っています。