むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 身体症状症という病気について

    今日は朝からずっと雨が降り続き、梅雨らしい一日でしたが、肌寒かったですね。明日は晴れて暑くなるそうです。それにしても、これだけ雨が降ったり次の台風が接近中となると、めまいや頭痛の患者さんが相当多くなっています。天気に体調が左右される気象病というものです。漢方などをうまく使って乗り切っていただきたいものです。

    さて、以前身体表現性障害という病名で呼んでいた疾患があります。最近は身体症状症というふうに呼び方が変わりました。これはどういう病気かというと、体に痛みなどの症状が明らかにあるのにどんなに検査しても異常なしと言われてしまい、なかにはストレスのせいにされたり、精神科受診をすすめられたりするものです。しかし、かならずしもストレスや精神的な原因で体に異変をきたしているわけではなく、全く原因がわからない場合が多く見られます。当院にもこの疾患でどこに行っても異常なしと言われて困って漢方で治らないかと相談される場合があります。

    もしストレスが原因なら抗うつ剤などでメンタルからのアプローチをすれば症状が取れる場合もありますが、ストレスもない、なにもない場合治療するにも取り付く島がありません。そのような場合、私は漢方を駆使して治療しますが、結構難渋します。諦めず、根気強く治療すると症状が軽くなることもあります。また、長く経過することで、だんだんその症状が自分の個性みたいに感じて来ると、治そうという気持ちから共存する方へ気持ちが変わり、落ち着く場合があります。

  • 自然免疫

    昨日は、中学時代の担任の先生から電話をいただきました。私が高校受験で私立を受けず公立1本だったこと、風邪も引かずに3年間無欠席だったことなどよく覚えておられました。そして、人に感謝される仕事につけたのはうれしいことだね、丈夫な体に産んでくれた両親には感謝しないとね、と言われました。まさにそのとおりです。そして、この年になってもこういう話をしてくれるのはさすが当時の担任の先生です。ありがたいことです。思い返すと私は大学受験でも私立を受けていません。受験はいつも一本槍でした。

    医者になってからは結構風邪を引きました。最初大学病院の第2内科というところで研修をしたのですが、血液内科だったので、重症患者さんが多くて常に肺炎などの感染症が身近にいたためだと思います。アメリカから帰国してからは循環器内科に移ったのですが、循環器は高血圧などの専門家として外来診察をすることが多く、めったに感染症を見ないため、風邪を移されることもほとんどなくなりました。

    その後、一般内科として桜十字病院でしばらく仕事をしましたが、やはり風邪の患者さんをたくさん見るとうつる確率が上がります。しかし1−2年もすると、一通りの感染症に対しては自然免疫がついて、インフルエンザも何も全くかからなくなりました。それ以来、現在に至ります。毎日コロナの患者さんや感染性胃腸炎の患者さんの診察をしていますが、うつることはありません。もちろん診察後の手洗いはきちんとしていますが、職業柄獲得した免疫だと思います。私の身近にいるナースも皆丈夫です。私と同じく仕事の上で免疫を獲得しているのだと思います。

  • ダイエットの漢方と食事療法と

    最近はダイエットの漢方を希望してこられる方が結構おられます。処方はいくつかあるのですが、飲めば痩せるというほど簡単ではありません。せっかく薬を飲むのだから間食を控えたり運動したりしないと効率よく痩せません。一番いいのはいつまでに何キロになりたいという具体的な目標がはっきりしている場合です。結婚式を控えているとか来年の検診では肥満を指摘されないようにしたいとか、モチベーションや目標はそれぞれでしょうが、目標もなくただ漢方を飲むだけではもったいないと思います。

    ダイエットのための食事療法は、基本糖質制限と脂の摂取を制限することです。糖質というのは炭水化物全般です。甘いものだけではありません。ご飯も麺もパンも糖質です。食べると血糖が上がるのですが、正常の人の場合インスリンが出て血糖の上昇を抑えます。このインスリンが肥満を作るのです。血糖をあげない食べ方をすれば炭水化物を多少食べても大丈夫です。最近菊芋が注目されていますが面倒です。私のおすすめは舞茸です。食事の一番最初に舞茸を炒めたりスープにしたりしたものを食べてから食事すると血糖の上がりが抑えられます。緑豆春雨にも似た効果があります。春雨はスーパーで見ると馬鈴薯澱粉と書いてあるのもあります。これはじゃがいも由来ですからだめです。気をつけてください。

    脂の摂取を抑えるにはグリルで網焼きにするのがいいと思います。脂成分は下に落ちます。フライパンで焼いたり煮込み料理にすると脂は全部入ってしまいます。食べていい油はサーモンやイワシなどの魚の脂とオリーブオイルです。香りが好きなら炒め物にココナッツオイルもいいです。せっかくダイエットするなら、このような食事の基本をマスターして積極的に取り組んでみましょう。

  • 大忙しの月曜日

    週末はレセプトの山をチェックして、なんとか自分のノルマを果たしましたが、やはりこれだけ根を詰めて仕事するとめまいがしそうになります。幸いこの前の講演会でこういうめまいは首コリをほぐす(首わしづかみ)マッサージがいいとのことだったので、暇を見ては首をほぐしています。お陰でひどいめまいにならずに済んでいるようです。首わしづかみの本が気になる方はクリニックの待合においていますので自由に御覧ください。

    月曜は診療のあと医師会で心臓検診班会議でした。午後の診療が終わったのが6時半で、いつもより遅くなったので、帳簿付けなどは全部明日に回して、すぐに着替えてでかけました。じつは、タクシーのベテラン運転手さんに教えてもらった街までの裏道があるのです。新人運転手さんなどは使わないすごい道なのですが、渋滞をさけて新水前寺まで抜けられます。今日はこの道しかないと思って教えてもらったとおりに行ったところ、なんと6時50分頃には医師会に付きました。7時前のラッシュアワーにこんなに早くつくのは奇跡です。

    医師会病院には発熱患者さんなどが次々と救急車で運ばれてきていました。実は今日は当院でも心不全やコロナの患者さんの状態が悪くなり、入院となりました。この様なかかかりつけの患者さんの状態が悪いときはその人に最も合いそうな病院に入院を相談します。その人の年齢、基礎疾患、入院を必要となった病気の重症度などいろんな条件を照らし合わせて適切に病院を選びます。素人の方は何でもかんでも日赤や市民病院が良いと言う人がいますが、それは医療資源の有効活用という意味でも避けないといけません。なぜなら日赤などは本当に救命を必要とする人がかかるべきだからです。

  • アメリカンコーヒーの思い出

    今夜はストロベリームーンという名の満月です。地平線から上がってくる大きな満月は感動の迫力でした。梅雨のなかで運良く見られたのは良かったです。この日曜はひさしぶりにゆっくりできました。しばらくできていなかったスポーツジムと温泉のルーチンをこなすことができて、次の週に備えた充電ができました。とはいえ、月初はレセプトのチェックで一日中事務作業です。また、先月の帳簿つけとか、ちょっとした車の不具合を直してもらいにディーラーに行ったりで、あっという間に一日が過ぎました。

    家で事務作業をすると退屈するので、ネットフリックスでドラマを見ながらやってみたりもするのですが、気が散って作業が進まないので途中で断念しました。眠気覚ましにコーヒーを飲むのですが、今日一日で何杯飲んだことでしょう。先週アメリカから来たモンゴル人の友人と昔話をしていて懐かしく思い出したのが、私たちが留学していたときの教授だったTraber先生がコーヒー好きだったことです。毎朝6時頃仕事に出てきて大学の休憩室のコーヒーメーカーでコーヒーをいれていました。時々私たちがいれていましたが、それを飲んだTraber先生は、今日のコーヒーは誰が作ったんだ!と言っていました。先生は生理学者で、学問的にもすごく厳しかったのですが、コーヒーのいれかたも細かいところまでこだわっていました。アメリカの安いコーヒーを美味しく淹れるのは難しいのです。

    日本は高価で美味しいコーヒーが簡単に手に入りますが、当時のアメリカのコーヒーはスタバ以前の薄くてまずいのが定番でした。ところが、Traber先生の奥さん(Mrs Traber)が淹れると美味しくできていたのです。豆と水の量を正確に教えてくれればあとはコーヒーメーカーが勝手に作ってくれるのですが、Mrs Traberも長年の勘で作っているので私たちに真似できないのです。医者の世界はこれに似たところがあります。先輩と同じことを同じようにやっているのにうまく治療成績が上がらない。そこには文章にできない隠されたノウハウがあり、まな弟子となって長年一緒に過ごした人しか習得できない職人技みたいなものがあるのです。