むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 認知症患者を家庭で見る大変さ

    たとえ自分の親であれ、認知症になってしまったら家庭で見ていくのは非常に大変です。介護のために仕事をやめたり転職を余儀なくされるケースが多々見受けられます。そうした場合、介護にもお金がかかるのに転職などで収入が減ってしまうと、これまでの生活が維持できなくなってしまいます。認知症の介護は家族で抱えこまずに地域全体で支えていくようなしくみがあります。そのような社会資源を有効に利用しましょう。

    そうはいっても、いったい何をどうしたらいいのか、なかなかわからないと思います。まずは、お近くの地域包括支援センターに行ってみてください。ケアマネージャーさんに相談すると、訪問介護やデイケアなどいろいろなサービスのプランを考えてくれます。そのようなサービスを受けるには介護保険の申請が必要ですから、まだ介護認定(要介護、要支援)を受けていない場合、かかりつけ医に相談して介護保険の申請をするところから始まります。介護保険の申請には主治医意見書という書類を作成してもらわないといけないため、かかりつけの先生には日常困っていることをなんでも相談していただきたいと思います。見守りが必要なこと、トイレや入浴に介助が必要なことなど、くわしく話していただくと、それだけきちんとした主治医意見書が作成されますから、要介護度の判定にも影響すると思います。

     

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  • 木の実の季節

    冬は木の実の季節です。クリスマスに日本ではケーキを食べますが、イギリスではクリスマスプディングを食べます。柔らかいプリンではありません。木の実やドライフルーツたっぷりのケーキです。あまりにずっしりと重いので、初めて食べた時は驚きました。

    日本人はナッツの消費量が非常に少ないと言われています。健康のためにはもっとナッツをとった方がいいようです。ただ、日本でナッツといえば、ピーナッツ、アーモンド、カシューナッツ、ピスタッチオといったところでしょう。しかし、欧米で普通に食べているナッツ類はそれだけではありません。かぼちゃの種(パンプキンシード)、松の実、ひまわりの種などなど。日本でも手に入ることは入りますが、なかなか毎日食べるほど普通に買うような代物ではありません。

    今日は、当クリニックの前にある凌雲堂薬局から松の実、かぼちゃの種、カモミール、ローズヒップなどのサンプルをいただきました。漢方の生薬を扱っている会社のものだと思いますが、どれも品質が良く、とても美味しかったです。食べだしたら止まりません。おそらく、体がこのような栄養素を欲しているのだと思います。これらのナッツ類は体に良い植物性の油や亜鉛その他のミネラル、ビタミンなどを豊富に含んでいます。パレオダイエット(原始人ダイエット)というのがあり、木の実や果物を中心に食べたら健康になるという説が話題になっていますが、こういうダイエット法を試すには、ナッツ類や果物もいろいろな種類を摂らないとバランスが偏るでしょう。また、日本の果物は品種改良がすごくて、非常に糖度が高く、毎日たくさん食べるのには適していません。そんなことをするとあっという間に糖尿病になります。スーパーやデパートなどに売ってあるようないい果物でなく、庭先になっているような酸っぱくて甘くない果物こそ体にいいと思います。

    今日いただいた松の実などのナッツ類がいくらくらいで手に入るのかはまだ聞いていませんが、今度いろいろ買ってみたいと思います。興味ある方はお気軽にご相談ください。

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    写真は嘉島町の大豆畑です。専用の機械で収穫しているところです。その向こうに飯田山が見えています。

  • 冬は乾燥肌の季節

    寒くなると、暖房の影響もあり、とても空気が乾燥しています。それに伴って、肌水分量も減少するので、乾燥肌がかゆいかゆいという方もたくさんおられます。外から保湿剤などを塗ってもいいんですが、全身痒くなってしまったらなかなか塗るのは大変です。

    漢方では、乾燥肌は血虚という病態と捉えます。血の不足という意味ですが、貧血のことではありません。漢方の「血」は血液のことだけでなく、髪の毛、肌、爪、筋肉など広く「血」の中に含まれています。この血を補うことで乾燥肌は取れて痒みが改善します。漢方処方としては当帰飲子という処方が代表的ですが、痒くなってから飲んでもなかなか間に合いません。ゆっくりしか効きませんので、痒くなる前から準備して飲んでおいたほうがいい処方です。その他、十全大補湯や温清飲なども候補となります。これらに共通して入っている地黄、当帰といった生薬が補血の働きをするのです。

    先日はアトピーの患者さんが来て、頭皮もかゆくて仕方ないと相談されました。頭皮が乾燥するとフケも多くなるし頭髪も抜けやすくなります。そこで、内服だけでなく、地黄を主成分とした入浴剤を処方してみました。この入浴剤は去年の冬に私自身が毎日風呂に入れて成分の分量や配合を試したものです。私自身、冬に太ももだけが痒くなるので自分で試したのですが、この入浴剤で肌はしっとりすべすべになります。入浴剤とはいえ、煎じ薬ですからお風呂に入れる前にやかんや鍋に生薬を入れて20−30分ほど煎じます。そして、煎じた漢方薬は飲むこともできますが、そのままお風呂に入れてゆっくりつかります。煎じる時に生薬をお茶パックに入れておくと、そのままパックをお風呂に移して、生薬の入ったパックで体をこするとさらに効果的です。頭皮までしっかり薬浴します。上がる時も、もったいないのでシャワーなどで流さないようにします。もしこのような薬浴をご希望なら、ご相談ください。

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  • 板藍根(ばんらんこん)その2

    板藍根が抗ウイルス効果を発揮するためインフルエンザの季節には重宝する生薬だというお話を数日前に書きました。まだ読んでいなかったら是非そちらをご覧ください。去年桜十字病院の門前のホスピタ薬局で漢方の生薬を扱うようになった際に私はバンランコンを入れてもらうように頼みました。実際に患者さんに処方することはなかったのですが、自分たちでそれを煎じて飲んで効果を確かめたりしてみました。

    そして今日訪問診療で桜十字病院の関連老人ホーム(さくら西館)を訪れた際に、食堂ロビーで板藍根茶をみんなに振る舞っている案内を見ました。なんと、100名ほどいる入居者さんたちに食事の際に飲んでもらっているそうです。これはとても面白いです。飲んだ人たちと、飲まなかった人たちの間にインフルエンザなどの発症率に差があるかどうかのデータを取りたいものです。もし、確かに感染症の罹患率が減れば、素晴らしいことです。患者さんにとっては、インフルエンザに罹ると老人ホームで蔓延しないように病院に入院となることが多く、入院してしまうと、感染者扱いされて行動範囲が極端に制限されます。リハビリなども受けることを許されず、あっという間に筋力が低下し、最悪の場合寝たきりになってしまいます。それが避けられるなら素晴らしいことです。病院にとっては、板藍根をお茶にしてサービスすれば、それだけの投資となりますが、入居者さんがインフルエンザにかかったりするとあっという間に施設全体に蔓延したり、職員にもうつったりして大変なことになります。それが避けられるのなら少々投資しても経営的にはプラスとなります。ぜひきちんとしたデータをとって、板藍根の効果について研究発表してもらいたいと思います。

    さて、最近も来院いただく患者さんの悩みを聞くと、あまりに大変でまるで24時間テレビの脚本がいくつも書けるんじゃないかというような症例に溢れています。一例一例丁寧に悩みを聞いて考えます。私が考えるのは患者さんに元どおりの幸せな生活を1日も早く取り戻してもらうにはどうすべきかということです。薬をどれにするか、その選択に考えをめぐらすこともあります。また、治療の流れを考えて、今日はこの処方にして、1週間後に来てもらったらこの薬を減らしてこっちを増やして、将来的にはこの薬だけで治療する、とか、そんな感じでずっと先まで読みます。囲碁をしたことはないですが、何手も先まで考えた後で次の一手を決めるというのは似ている気がします。以前書いたことがあったかと思うのですが、まっすぐ行ける道がないときには行きやすい方向にまず進んでから軌道修正するのです。最初からそのつもりで道順を考えます。

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  • 高感度インフルエンザ迅速検査

    夜になり、かなり冷え込んでいます。夜空を見上げれば、満天の星空です。冬の空は空気も澄んでいて、本当に綺麗です。この限りなく広い宇宙の中に私たちの住む地球があって何十億人という人が住んでいるというのは、奇跡ですね。そう考えると、温暖化したり、逆に寒かったり、地震がきたり、火山が噴火したりするのなんて微々たることのように思えてきます。この広大な宇宙の中に存在していて、隕石に当たったりせず無事に過ごしているだけで奇跡のようなものです。

    ところで、当院ではまだインフルエンザの患者さんは出ていませんが、全国的には流行に入っているそうで、熊本に来るのも時間の問題です。

    インフルエンザは早く診断して48時間以内に抗インフルエンザ薬を飲むことでかなり早く治るようになりました。しかし、一つ問題となるのが、検査キットの感度です。発熱して1日くらい経っていれば、ウイルスの量も増えて検査キットでも確実に判定できるのですが、発熱してすぐに来院された場合、インフルエンザであっても検査結果が陰性に出てしまうことがあります。本当はインフルエンザなのに検査で陰性と出てしまうとタミフルなども処方されず、本人はインフルエンザではなかったと思って出勤したりしますから、さらに感染が拡大してしまいます。当院では高感度のインフルエンザ検査キットを導入しました。従来のキットでは測れなかったような少ないウイルス量でも正しく判定できます。高感度検査の患者さんの負担額は従来の検査キットと同じです。また当院では、漢方薬を多用していますが、中でも麻黄湯などはタミフル並みの効果を発揮することが知られいます。

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