むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 冬は乾燥肌の季節

    寒くなると、暖房の影響もあり、とても空気が乾燥しています。それに伴って、肌水分量も減少するので、乾燥肌がかゆいかゆいという方もたくさんおられます。外から保湿剤などを塗ってもいいんですが、全身痒くなってしまったらなかなか塗るのは大変です。

    漢方では、乾燥肌は血虚という病態と捉えます。血の不足という意味ですが、貧血のことではありません。漢方の「血」は血液のことだけでなく、髪の毛、肌、爪、筋肉など広く「血」の中に含まれています。この血を補うことで乾燥肌は取れて痒みが改善します。漢方処方としては当帰飲子という処方が代表的ですが、痒くなってから飲んでもなかなか間に合いません。ゆっくりしか効きませんので、痒くなる前から準備して飲んでおいたほうがいい処方です。その他、十全大補湯や温清飲なども候補となります。これらに共通して入っている地黄、当帰といった生薬が補血の働きをするのです。

    先日はアトピーの患者さんが来て、頭皮もかゆくて仕方ないと相談されました。頭皮が乾燥するとフケも多くなるし頭髪も抜けやすくなります。そこで、内服だけでなく、地黄を主成分とした入浴剤を処方してみました。この入浴剤は去年の冬に私自身が毎日風呂に入れて成分の分量や配合を試したものです。私自身、冬に太ももだけが痒くなるので自分で試したのですが、この入浴剤で肌はしっとりすべすべになります。入浴剤とはいえ、煎じ薬ですからお風呂に入れる前にやかんや鍋に生薬を入れて20−30分ほど煎じます。そして、煎じた漢方薬は飲むこともできますが、そのままお風呂に入れてゆっくりつかります。煎じる時に生薬をお茶パックに入れておくと、そのままパックをお風呂に移して、生薬の入ったパックで体をこするとさらに効果的です。頭皮までしっかり薬浴します。上がる時も、もったいないのでシャワーなどで流さないようにします。もしこのような薬浴をご希望なら、ご相談ください。

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