むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 起立性調節障害の漢方

    昨日おとといとめまい、耳鳴りについて書きましたが、もう一つなかなか治らないで困る疾患があります。起立性調節障害です。中高生に多いのですが、めまい、立ちくらみ、動悸、息切れ、朝から調子が悪いなどの症状で不登校になったりします。数が多すぎて小児科でもあまり受けてくれないケースが多いと聞きます。親からすると、子供の意志が弱いとか怠けているとしか捉えられず、学校に行かないことを叱ったりするようですが、体が動かないのは事実なので怒ったところで改善にはなりません。

    当院にはこのような症例もたくさん来ています。治療のポイントは夜ふかしをするかどうか。夜眠れないでゲームやスマホで遅くまで起きている場合、当然朝起きが辛くなります。このような場合はこどもにも使える睡眠薬をつかってでも生活改善をしないと朝起きはよくなりません。一方、夜ふかし無しで朝が苦手という人の場合、低血圧によることが多いようです。まず起床時に血圧を上げるメトリジンという薬を試します。

    西洋薬では他にこれと言った解決策はないのですが、漢方では苓桂朮甘湯がわりと有効です。低血圧がやや改善するので、朝起きが苦手な体質が徐々に改善します。漢方による体質改善には時間がかかりますが、子供を叱ってばかりいないで見守りましょう

  • 耳鳴りの漢方治療

    昨日はめまいの漢方治療について書きましたが、今日は耳鳴りについて書いてみたいと思います。耳鳴りは耳鼻科に行っても殆どの場合「歳のせいです。治りません、あきらめてください」と言われます。それでもあきらめきれない人が漢方を頼りに来院されます。そこで、うちに来る患者さんの多くは耳鼻科でも治らなかった難治性の患者さんです。そんな耳鳴りが漢方で治るのかと聞かれれば、全員ではないのですが一定数は改善が見られる、とお答えします。

    秘策など特別なものはありません。当院に来る前に他院でもらったアデホス(血流を改善する薬)やメコバラミン(ビタミンB12;神経の障害を改善する)などはそれほど効きはしませんが、害はないのでとりあえず続けてもらいます。そこに、抑肝散加陳皮半夏を入れます。神経過敏を抑えたりイライラ・ストレスを改善する働きがあります。これだけでよくなる場合がありますのでしばらく様子を見ます。そこで少しいいけどあと少し、という場合2パタンを考えます。一つは高齢者に多いセミの鳴くようなジーと言う音。これは加齢変化によることが多いので、八味地黄丸を追加します。2つ目に比較的若い世代に多いのが、キーンという音がする人。これはストレスや更年期の事が多いので、加味逍遥散を追加します。ここで結構な割合が改善するのですが、それでもだめならあといくつか奥の手があるのですが、それほど耳鳴りは難治で苦労します。

    話は変わって、今日も何名かの患者さんにサプリを勧めました。不安障害でいろんなことに不安な人。通常精神科などにかかれば抗不安薬(ベンゾ)や抗うつ薬が処方されますが、若い女性で結婚前だったので、妊娠の際影響ないようにサプリで治ればと思った次第です。おすすめしたのはビタミンB50, ナイアシンアミド、鉄(フェロケル)です。これらを入れて栄養療法をすることで、抗不安薬などを使わないで済むか最小限でいい場合をたくさん経験しています。ただ、不安やうつ症状が強い場合、サプリでは効果発現に時間がかかるので、まずは抗うつ剤を併用し、落ち着いてからサプリだけにしたほうがいいと思います。

  • めまいふらつきの漢方治療

    うちのゴンも夏バテ気味で食欲不振です。そんなときはいつもひき肉のそぼろや鰹節を餌にトッピングすると喜んで食べるのですが、それもいまいち効果なし。先日は肉じゃがをおすそ分けしたら喜んで食べました。犬は玉ねぎがだめらしいのでそのへんはだいたい避けてあげました。今日は自作の甘酒を餌にかけて見ました。見かけは悪いですが、結構喜んで食べました。さすがに夏バテ予防に甘酒とはよく言ったもので、食べたあとは元気に散歩にでかけました。

    先日開催された東洋医学会の特別講演で耳鼻科の先生がめまい・ふらつきの治療と咳の治療をレクチャーしてくれました。見逃し配信もあったので、再度勉強してしっかりメモも取っておいたところ、偶然にも今日はめまいの患者さんが何人も来られました。いろいろ話を聞くと、レクチャーしてもらった病型分類に当てはまるのがすぐわかりました。そこで、勉強したとおりに処方をしてみました。うまく行ったかどうか、結果がたのしみです。

    このめまい・ふらつき、耳鳴りなどは耳鼻科ですが漢方内科に結構来られます。それは、耳鼻科に行っても治らない症例がたくさんあるからです。私は内科全般から耳鼻科、整形外科、産婦人科などあらゆる科をオーバーラップして漢方治療をしていますが、なかでも難治なのがめまい耳鳴りです。今回の勉強で治療成績が上がれば、敵なしです。

     

  • 甘酒を自作しました

    夜になり、また雷雨になってきました。それにしても日中は蒸し暑くてきつかったですね。エアコンを強めにしていないと仕事になりません。昨日、奄美の乳酸飲料「みき」について書きましたが、急に思い立って、ヘルシオをつかって甘酒を仕込みました。朝仕事に出るときにご飯と麹をまぜてスタートボタンを押しただけ。帰宅したらバッチリ甘酒が完成していました。うちのご飯は白米と玄米を半々に混ぜて炊いているので甘酒も玄米のプチプチ感があります。雑穀を使って甘酒にすると更に栄養価が高い物ができます。味も雑穀のブレンドによって変わってくるので、いろいろ試すと面白いと思います。夏バテ対策に飲む点滴の甘酒、おすすめです。

    さて、金曜日の仕事の後は、「うつ病治療を栄養面から考える会」という勉強会があり、クリニックの待合に置いている「食べてうつヌケ」の著者の奥平智之先生の講演をZOOMで聞きました。基本は、当院でも患者さんの採血をして鉄欠乏や蛋白不足の人に食事指導をしているのと同じ内容でした。この分野の先駆者のお一人です。いい勉強ができて満足です。

    奥平先生も講演で言われていましたが、ほとんどの人がマグネシウム不足だそうです。マグネシウムはカルシウムと拮抗して筋肉の緊張を緩めてくれる働きがあります。眼のぴくつき、足のつり、肩こり首コリ、高血圧などいずれもカルシウムとマグネシウムのバランスが悪い症状です。マグネシウムは野菜や海藻に含まれているのですが、吸収が悪いので相当食べないと十分量が取れません。おすすめは「にがり」です。スーパーに売ってあるにがりをお茶や味噌汁などに数滴入れてのむ習慣をつけましょう。私は職場に持参する魔法瓶のお茶には毎日にがりを混ぜていきます。

  • 心臓カテーテル手術の進歩

    土曜日は診療のあと心臓健診で夕方遅くまでぶっ通しで仕事でした。小中学生の学校検診で心電図の異常や内科検診で心雑音などが見つかった人たちの精密検査です。80名ほど受診されたので、5人のドクターで手分けして15人ずつくらい診察しました。私の見た患者さんから今日だけで二人も心房中隔欠損症(心臓に小さな穴があいている)が見つかりました。以外にも高頻度です。心電図を見たときは問題ないと思っていたのですが、結果を見てびっくりです。連れてきたご両親もびっくりですが、幸い穴は小さいので経過観察としました。最近、心房中隔欠損の穴はカテーテルのデバイスをつかってふさぐ手術ができるようになりました。昔は開心術(胸を開いて心臓の穴を防ぐ外科手術)しかなかったため、特に女の子の場合胸に大きな傷が残ることを心配していましたが、カテーテル手術だと傷も残らず内科的な処置で良いので、朗報です。こういう急がなくて良い手術は技術が発達して恩恵を被ることもできるので、あまり急がないことだと思います。

    心房細動のアブレーション(カテーテルをつかった手術)も技術的に大きな進歩を見せています。私が大学病院にいた頃は不整脈グループの勉強を極めた人たちだけが見てわかるような複雑怪奇な検査をして得られた結果をもとに、これもまた驚くべき職人技で手術をしていました。私には一体何がなんだか理解できませんでした。ところが、昨今の進歩で、手術時間も従来の半分以下、成功率も格段にアップしています。私の外来で5年から10年ぐらいフォローしている患者さんたちにも、そろそろ技術的にも手術をおすすめできるところに来たと説明しています。

    さて、明日の日曜はクリニックのワックスがけ業者が入るので私は朝から院内に待機ですが、ちょうどいいタイミングでWEB学会が開催されるので、それに参加します。勉強漬けの日曜となります。本当はジムに行って走ったり、温泉にも行きたいのですが、勉強する週末もいいでしょう。

     

     夕暮れの田園@城南