むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • めまいを漢方で治す

    先月、東洋医学会福岡県部会にWeb参加した際に、耳鼻科の先生の講演を聞きました。私も漢方の勉強はずいぶん長いことやってきましたが、この先生の講演は素晴らしかったです。私の知らないことをたくさん教えていただきました。漢方の勉強ですごい人の話を聞くと、たいていは古典に詳しいとか生薬の薬理に詳しいとか、そんな内容が多いのですが、この耳鼻科の先生は臨床に即役立つノウハウをわかりやすく解説していただきました。

    通常、めまいに使うメジャーな漢方といえば苓桂朮甘湯、半夏白朮天麻湯、真武湯の3つです。これらを病態に合わせて処方するのですが、今回学んだ講演では、私の想像を超えたところに答えがありました。それは、釣藤散、桂枝加苓朮附湯の組み合わせです。また、めまいの背景として内耳性の他に椎骨脳底動脈の血流不全が非常に多いとのことでした。これは教科書的には知っていましたが、漢方でそれをうまく治す事ができるのを知ったのが大きな収穫でした。

    その講演を聴いてからこの約1ヶ月は意識的に釣藤散などを使ってみています。結果はちょうどひと月たって患者さんが再来する頃なのですが、たしかに私がこれまで苦労してきた患者さん(難治性のめまい)が軽減しているようです。うれしいことです。そして、ひどい肩こりからもめまいが来るとのことで、数年前に私が根を詰めてレセプトチェックをしてめまいを起こしたのはこれが原因だったとわかりました。原因がわかれば治療法もわかる。やはりその道のプロの話を聞くのは大変有益なことですね。

  • 過呼吸はストレスに強い体を作る秘策

    心配された台風は九州からそれて、多少風は強かったですが、被害はなかったようで良かったです。風は風でもコロナの方は依然猛威を奮っており熊本でも4000人を超える報告が続いています。まだまだ増えるようですが、これでやっと集団免疫が完成すると思われますので、未来は明るいと思っています。一方、コロナ後遺症の患者さんは咳が止まらないとか微熱が続く、倦怠感が続くみたいな方が多いですが、通常の内科ではカロナールとか咳止めを出す程度で、それではいつまでたっても治りません。漢方では風邪も患者さんの体質や病態に応じて細かに処方を決めていきます。そこで、コロナ後遺症みたいな未知の病態も漢方的解釈で処方するとかなり良くなります。当院ではそういったコロナ後遺症を積極的に見ていますが、多くの方は経過良好です。

    GOOP(グープ)というアメリカのドキュメンタリーをNetflixでみていたら、面白いことがわかりました。雪山で凍るように冷たい湖に飛び込むとんでもない健康法をやっている人たちがいて、飛び込む前の準備体操で、過呼吸を勧めていました。スーハースーハーと早い呼吸をするとだんだん手足がしびれてめまいがしたりします。この健康法の指導者は体を過呼吸でアルカリ性(医学的には呼吸性アルカローシスという)の状態にすると、冷水に飛び込んでも耐えられると言っていました。実験に参加した人たちも言われたとおり手足がしびれるくらい過呼吸にしたら寒中水泳が難なくできたようです。不思議です。

    心療内科をしていると、患者さんがストレス(人によっては職場だったり渋滞に巻きこまれることだったり、美容室や歯医者の椅子にじっと座ることなど)にさらされたとき過呼吸が起こり、パニックを起こしてしまうという患者さんが来られます。しかし、このアメリカの実験が教えてくれたのは、過呼吸をすることでストレスを乗り越えられる体に変化するということ。つまり、苦手な状況でストレスを感じたときに呼吸が早くなるのはストレスを乗り越えるための防衛反応だったということです。

    今日、この仮説を検証するためジムで腹筋マシンに座って、わざと過呼吸気味にスーハーしながら腹筋をしたところ、筋トレのストレスが吹き飛んで一気に50回できました。面白い。こんな技があったなんて。

  • 発酵食でお腹が張るSIBO

    先日から奄美の伝統飲料「みき」について書いています。乳酸菌たっぷりの飲み物で健康にいいのは間違いないのですが、発酵食品が体に合わない人もいるので、その点はご注意いただきたいと思います。しょっちゅうお腹を壊す、下痢する、お腹が張るというとき、消化器の病院で検査しても特に何もなく、胃腸薬や整腸剤をもらったところで、何も変わらない、そういう場合、小腸での腸内細菌の過剰発酵が原因かも知れません。最近はそれをSIBO(シーボ)と呼び、新しい疾患概念と捉えられています。通常小腸には腸内細菌はおらず、大腸に善玉菌の乳酸菌やビフィズス菌その他、そして悪玉菌や日和見細菌、真菌などいろいろな菌が生息しています。SIBOの場合、菌がいないはずの小腸で過剰増殖しており、食べ物が胃に入ってくると早速それを餌にして発酵し、ガスを産生するとお腹が張ったりします。

    原因として最も多いのが発酵食品のヨーグルト、納豆、キムチなど。菌が生きて腸に届くことでSIBOが起こってきます。SIBOの患者さんは思い切って発酵食品の摂取をやめてみましょう。次に、腸内細菌の餌となるオリゴ糖や食物繊維の多い野菜も過剰発酵の原因となるため避けたほうがいい場合があります。どの食品をとってもいいのか、とらないほうがいいのかは覚えきれないので、本を参考にしてください。低FODMAP食といいます。「腸のトリセツ」や「腸の教科書」という本があるので読んでみてください。当院の待合ロビーにも置いています。

    当院に通院中の患者さんにはすでにこういった食事療法を実践して長年のお腹の悩みが解決したという人もたくさんおられます。薬で腸内細菌を減らす治療も同時に行います。この病気が厄介なのは、通常お腹に良いと思われている発酵食品が悪さをしているということで、発想を180度変えないといけません。

  • マッサージガンを買いました

    マッサージガンという道具をご存知ですか?最近とても話題で、あちこちで取り上げられているので興味を持っていました。電気ドリルみたいな形をしたマッサージ器具です。Amazonでみていたら医療用の製品が家庭用として販売されていたので、かってみました。https://mytrex.jp/rebive/ 使い方はYouTubeを見るとわかりますが、簡単です。スイッチを入れてほぐしたい筋肉に当てるだけです。セルフで全身をほぐしても5,6分くらいしかかかりません。私は日頃は肩こりではないのですが、レセプト(診療報酬請求の書類)をチェックする際には根を詰めて見るので頸も肩もカチカチになるし、それがひどくなりすぎるとめまいがします。また、毎週末にはスポーツジムでランニングをするので、ふくらはぎなどは乳酸が溜まって固くなります。

    これまで、レセプトチェックの肩こりやランニングのあとのメンテナンスは温泉でほぐしていたのですが、温泉は週末しか行けないので、マッサージガンがあれば、毎日セルフケアができます。つかった印象ですが、男性で美容室でなく昔スタイルの床屋を利用する人は経験があると思いますが、髪を切り終わったらおもむろにでっかいマッサージの道具を出してきて肩や腰をマッサージしてくれますよね。あれがハンディーになった感じの使い心地です。

    いまYouTubeでいろんな使い方を研究しているのですが、足のむくみも取れるし、筋膜リリースもできるみたいです。私は日頃の診療で針や電気治療で整形的な疾患にも対応しているので、このマッサージ機は使い方をマスターしたら患者さんにも施術してあげられる日が来るかも知れません。たのしみにしていてください。

  • クリニックの感染対策

    コロナが不安で、真面目に自粛生活をされている患者さんがいます。定期的に来院されるのですが、その人の疑問は、皆さんどうやってストレスを解消しているんでしょう、ということ。第1波からするともう少しで3年、楽しいことをせずに自粛生活をするには長すぎます。日本は最近の第7波では患者の急増にも関わらず自粛ムードはありませんから、だいぶ人の動きはあります。しかし、夜に外食に行ってみるとおどろくほど閑散としています。飲食店の人は試練が続きます。

    私も、暇がないからですがあまり出歩いたりしません。せいぜい近所の中華や韓国料理を食べに行ったり、スポーツジムに行く程度です。あとはストレス解消といえばネットフリックスばかりです。みたいドラマは尽きることがないので時間はどれだけあっても足りません。英語はだいたい分かるのでアメリカのドラマはストレスなく見れます。一方、韓国ドラマは見れば見るほど韓国語が頭に入ってきて、語学を学ぶ楽しみもあり、私にとってはストレス解消の大きな役割を果たしています。

    今週は毎日100名近い外来で相当忙しくしています。巷ではコロナが猛威を奮っていて発熱外来のある病院では駐車場が大渋滞しています。当院は発熱外来はないのでコロナ疑いで混み合っているわけではありません。通常通り血圧や糖尿、不眠など一般的な内科や心療内科の患者さんだけです。したがって、多少待合が混んでいても安心してお待ち下さい。コロナにかかってしまったかかりつけの方やご家族が感染して濃厚接触者として隔離中の場合、電話再診でお薬を宅配しますのでご相談ください。また、スマホのTV電話システムを利用した遠隔診療も準備中です。さらに、待合ロビーの感染リスクをさげるため、今週2つの対策をしました。一つは銀イオンを使った除菌スプレーの導入。もう一つがオゾン発生装置による空間除菌です(来週設置します)。