むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • めまいを漢方で治す

    先月、東洋医学会福岡県部会にWeb参加した際に、耳鼻科の先生の講演を聞きました。私も漢方の勉強はずいぶん長いことやってきましたが、この先生の講演は素晴らしかったです。私の知らないことをたくさん教えていただきました。漢方の勉強ですごい人の話を聞くと、たいていは古典に詳しいとか生薬の薬理に詳しいとか、そんな内容が多いのですが、この耳鼻科の先生は臨床に即役立つノウハウをわかりやすく解説していただきました。

    通常、めまいに使うメジャーな漢方といえば苓桂朮甘湯、半夏白朮天麻湯、真武湯の3つです。これらを病態に合わせて処方するのですが、今回学んだ講演では、私の想像を超えたところに答えがありました。それは、釣藤散、桂枝加苓朮附湯の組み合わせです。また、めまいの背景として内耳性の他に椎骨脳底動脈の血流不全が非常に多いとのことでした。これは教科書的には知っていましたが、漢方でそれをうまく治す事ができるのを知ったのが大きな収穫でした。

    その講演を聴いてからこの約1ヶ月は意識的に釣藤散などを使ってみています。結果はちょうどひと月たって患者さんが再来する頃なのですが、たしかに私がこれまで苦労してきた患者さん(難治性のめまい)が軽減しているようです。うれしいことです。そして、ひどい肩こりからもめまいが来るとのことで、数年前に私が根を詰めてレセプトチェックをしてめまいを起こしたのはこれが原因だったとわかりました。原因がわかれば治療法もわかる。やはりその道のプロの話を聞くのは大変有益なことですね。