むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 人生何が起こるか

    アメリカ大統領選挙では、誰もが現実になるとは思っていなかったトランプ大統領の誕生です。福岡では駅前に巨大な穴があきました。本当に、人生生きているといろんなことに遭遇します。結果がどうあれ、私たちはその現実を受け入れないといけません。あの時ああしていればとか、タイムマシンがあるわけではないので、過去に振りかえってもしと考えても何も進展しません。

    日本にとってアメリカ大統領なんて関係ないと思っていても、自衛隊をはじめいろんなところで影響は出てくるだろうし、貿易産業も打撃を受けます。自民党は焦ってTPPを強行採決しようとしていましたが、トランプ氏はTPPには反対しているし、アメリカはこの先保護主義に進むでしょう。先だってイギリスもEUから離脱して独自のアイデンティティーを守る決議をしました。どの国も、流れは自由貿易から保護主義に舵を切りつつあります。少なからず私たちの生活に変化が現れることと思います。

    国の話はさておいて、私たちに最も身近なのは自分の勤める会社の上司や社長のことでしょう。配置換えになったり、仕事の内容に関して思いがけない指図をされたり、毎日の自分の生活に直接関わってきます。頑張って仕事をする人ほど、上司との関係などで思い悩みます。職場に人生の100%をかけると、状況の変化に適応できなくなって、辛い目にあったりするのです。家庭を大事にして仕事50%、家庭50%あるいは趣味にも25%と人生の配分を考えて仕事をすれば、ダメージが少なくなります。

    学校教育でも部活に人生のすべてをかけるような生活を学生時代から強いる傾向がありますが、みんながプロ選手になるわけではないので、学業と家庭と部活の適切な配分を教えるべきだと思います。そうすると、卒業して社会人になっても人生のウエイト配分を間違えないだろうと思うのです。

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    ゴンは毛がボーボーに伸びていたのでトリミングに行ってきました。かわいー。

  • ノロウイルスによる感染性胃腸炎と漢方

    毎年冬になるとノロウイルスによる感染性胃腸炎がまん延します。嘔吐と水様性の下痢が特徴ですが、人によってはムカムカするだけだったり、一回だけ下痢して治るような軽症もあります。ただ、多くの場合、嘔吐と激しい下痢のため脱水状態となり、かなり体がきつく、大変な思いをします。吐き気で食事も取れず、水を飲んでも吐いてしまいます。また、子供が嘔吐下痢になると、その世話をするお母さんなど家族内に広がります。一度かかると、体調が戻るのに5日から一週間ほどかかります。病院でも、たいてい吐き気止めを注射したり、点滴したりしますが、ノロウイルスそのものに効く薬がありませんから、いずれも対症療法です。

    そういう中、私のクリニックでは漢方薬を使います。患者さんの状態によって数種類の漢方薬を使い分けるのですが、ほとんどの場合飲んだその日か翌日には回復します。いつも3日分の処方を出すのですが、3日以上長引くことはめったにありません。

    とくに老人ホームではオムツをしている人も多いため、いったん感染性胃腸炎が発生すると、オムツ処理する職員さんにも感染し、あっという間に施設内で大流行してしまいます。高齢者では、死亡に至る場合があります。私は老人ホームで発生した感染性胃腸炎20名に対して、全例で漢方薬3日分だけを投与して、経過を見てみました。平均年齢は80歳を超えています。その結果、すべての人が、3日以内に回復していました。漢方は少し苦くて飲みにくいのですが、カプセルになった製剤もありますので、ほとんどの場合飲むことができます。これさえあれば、ノロウイルスは怖くありません。あまり症状が強くなると薬を飲むのが辛いですから、できるだけ早めに受診して、漢方を飲んでいただくことをお勧めします。まさに、冬の常備薬です。

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  • 胃と冷えの問題について

    胃は不思議な臓器で、食べた肉は消化するのに自分自身(胃壁)の筋肉は融けません。なぜでしょう。それは、胃の粘膜に胃壁を胃酸から守る粘液があるからであり、もう一つは胃の粘膜は血流豊富で、浸透してきた胃酸はすぐに血流で洗い流されるからです。また、傷んだ胃壁は新しい細胞にどんどん置きかわるからなんとかなっているのです。

    そう考えると、胃に悪いのは、胃酸を過剰に増やすもの、胃の血流を落とすものと、胃の粘液を減らすものだということがわかります。食べ物や薬剤で考えると、アスピリンをはじめとする解熱鎮痛剤は胃粘膜の血流を落とし、粘液の産生も低下します。強いアルコールもものすごく胃に悪いです。お酒を飲んで頭痛がするからといって頭痛薬を飲むというのは胃にとってはアルコールと鎮痛剤のダブルパンチです。もう一つ、胃の血流を落とすのが、ストレスです。あれこれ思い悩むことで、胃が痛みます。これは胃の血流が落ちて、逆に胃酸が増えた結果胃の表面が傷ついている証拠です。胃カメラをすると、だいたい強いストレスにさらされて4−5時間で胃粘膜からは出血してきます。

    もう一つ問題なのは、温度刺激です。胃は神経が鈍いので、熱い冷たいはほとんど感じません。だからと言って、やけどするように熱いものを食べたり冷たいものを食べすぎたりすると、その時はわからなくても後から問題が出てきます。熱いものが悪いのは皆さん言わなくてもわかるでしょうから、冷たい方だけ書いておきます。例えばジョッキにギンギンに冷えたビールが入っているのを想像してください。取っ手をもてばいいですが、取っ手を使わずにそのジョッキを手で抱えると、何分持っていられるでしょう。1分でも手はかじかみ、痛くなるでしょう。しかし、人はそれを一気に飲み干し、なんともないのです。無論なんともないわけでなく、なんとも感じていないだけです。

    冷たいビールやアイスクリームは嗜好としては美味しく楽しめますが、私が考えるのはその低温を打ち消すだけの温かいものも食べておかないとバランスが取れないであろうということです。冷えが体に悪いことは先日も書きましたね。thumb_img_0172_1024

  • フィンランドショック

    フィンランドショックという言葉をご存知ですか?この内容は僕も知っていたのですが、フィンランドショックという風に呼ばれていることは知りませんでした。これもこの前の統合医療学会で話題になったことの一つです。

    ネットで調べてもらうとすぐにわかるのですが、簡単にここに内容を書いておきます。

    疫学調査で、癌になりにくい人の食生活を調べると野菜の摂取量が多いことが明らかとなり、その中でもβカロチンの摂取量が多い方が癌になりにくいとわかった。そこで、喫煙者を2群に分けて一方にはβカロチンのサプリを飲ませ、もう一方は偽薬(βカロチンを含まないカプセル)を飲ませて追跡調査した。その結果、予想に反してβカロチンを飲ませた群のほうが肺がんの発生が多かった!その後、同じような研究を他施設でも行ったが、結果は同じでβカロチンのサプリメントは肺がんを増やすという結論に達した。これをフィンランドショックという。

    ということは、野菜を食べるとがんが減るという事実はあるものの、純化したβカロチンががん予防になるわけでなく野菜に含まれる様々なピタミンやミネラルが体にいいということなのです。このように考えると、世の中はいろんなサプリがありますが、それが本当に体にいいかどうかという科学的根拠はほとんどないわけです。フィンランドショックのように、逆に癌を増やすようなことがあってはもともこもありません。

    体にいいと信じられている牛乳にも注意が必要です。酪農の王国デンマーク、フィンランド、スウェーデンは日本人よりはるかに乳製品を摂っているが、大腿骨頸部骨折も非常に多いことが知られています。牛乳でカルシウムを摂取しても骨折予防できないのです。それどころか、牛乳を飲みすぎるとコレステロールが上昇する、乳がん、大腸がん、前立腺癌が増えることがわかっています。なんでも適量を超えるのは良くないということです。

    いつも結論は同じです。バランスよい食事をしましょう。

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  • 高田純次というキャラ

    高田純次という芸能人がいますね。なんでも適当にやっているというキャラクターの人です。昔「5時から男」というキャッチコピーで売っていました。

    心療内科で皆さんの悩みを聞いていると、みなさん真面目です。仕事に熱心だし、家庭でも家事、子育て、親の介護、夫の世話、すべてに手抜きなく頑張ってしまいます。そして、頑張りがきかなくなった時、体調を壊したり鬱になったりします。また、自分の方に原因がなくても、会社や学校から自分の頑張りを正当に評価してもらえなかったような時、ぷっつりと緊張の糸が切れてしまう話もよく聞きます。

    そう考えると、心を穏やかに(精神衛生上良い状態に)過ごすためには高田純次的な生き方でないといけないような気がします。調子よく、適当にです。日本人は几帳面で真面目な人が多いので、なかなかそういう生き方が苦手だと思います。おおらかに、ラテン系のノリでいってもいいのです。私たち医療現場ではなかなかそういう適当な仕事では許されませんから、鬱になる人が多いです。あとは、学校の先生なども精神的に追い詰められている人が多いようです。

    私がアメリカに留学していた時、麻酔科の集中治療部と救急部にいたのですが、救急部は家庭持ちの女医さんに人気でした。日本では考えられないと思います。日本の救急病院といえば、24時間不眠不休で働いた翌日も通常どおりの仕事があり、36時間勤務ということもざらでした。また、救急当番の日に入院受けをしたら、その入院した患者さんについての指示受けで病棟から翌日もひっきりなしに電話がかかってきます。

    一方、アメリカの救急部は完全に12時間交代制となっていて、時間が来たらキッチリ帰宅できるそうです。もちろん病院からの電話もしないことになっており、女医さんたちも時間のやりくりがしやすいし、平日も休みがあります。そこで、ヨットなどを自宅に持っているドクターもたくさんいました。それだけオンとオフがはっきりしているのです。

    最近は過重労働で自殺した人の問題が話題になっていますが、やはり企業は職員に無理な時間外の仕事を強要してはならないし、職員ももっと力を抜いてオンオフはっきりさせる「努力」が必要ではないかと思います。

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