耳も大事な仕事をします。
当クリニックに木製の椅子を作ってくれた五家荘の家具職人さんとのお話
職人さんの若いお弟子さんが、仕事中に怪我をしたそうです
「我々は、耳でも仕事するんですよ」と職人さん。
「工具の音、木を削る音を聞く、これが大事なんですよ。でも最近の若い人は、イヤホンで音楽を聴きながら仕事をする。大事な音を聞いていないと怪我をするんです」
そして、生活の中でも考えるといろいろあります。自転車に乗っている時、後ろから来る車のタイヤの音、高い音はスピードがあります。低いゴロゴロした音はゆっくりです。
お風呂に水を入れる時、水道の水が水面に当たる音が低い時はまだまだ。音が高くなれば満水間近です。
天ぷらを揚げる時、ブクブクいっている時はまだまだ、パチパチと音が高くなったら出来上がり。
たいていのことは、音を注意深く聞いていれば重要な情報がつかめます。
医療の世界も同じ
患者さんの足音、息づかい、声の張り、心電計の脈のリズム、酸素飽和度の機械の音の高さ。
神経を集中していろんな音を聞きながら情報を集めます。
慣れてくると無意識のうちに、耳で仕事をするのです。
家具職人も医療人も同じです。