むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 多忙な当番医でした

    クリニックは日曜当番医でした。診療時間は9時から17時ですが、朝8時を少し過ぎてクリニックに到着すると、すでに駐車場には何台もの車が止まっていました。慌てて鍵を開け、エアコンを入れて部屋を温めるなど、準備に追われました。まもなく問い合わせの電話がひっきりなしに鳴り始めました。

    幸い、受付スタッフも早めに出勤してくれたため何とか対応できましたが、電話はその後も一日中鳴り続けました。看護師スタッフもベテランがそろっており、発熱患者さんへの個別対応や感染対策を行いながら、インフルエンザなどの検査もテキパキとこなしてくれました。おかげさまで、夕方5時を少し過ぎたところで診療終了となりました。総勢120名の診察で、ほぼ全員が新患の発熱患者さんという、この時期特有の当番医業務でした。

    私は昼休みを取ることができず、インフルエンザ検査の合間に診察室でサンドイッチを食べました。それでも、食べられただけラッキーです。開業して約10年になりますが、診察室で食事をしたのは今回が初めてでした。

    明日からまた新しい1週間が始まるため、結果的に2週間ぶっ通しの連勤となります。こういうときこそ、日曜らしくきちんと休まないと疲れを持ち越してしまいます。いつものように夜は水春の温泉にゆっくり浸かり、サウナにも4回入り、汗と一緒に疲れをすべて流してきました。さっぱりです。

    先週から忘年会などでご馳走を食べる機会が続き、美味しい料理を楽しめているのはありがたいのですが、よく考えてみると、ほとんど野菜を食べていませんでした。昔は「一日30品目食べましょう」と言われていましたが、これはすでに廃止されています。毎日そこまで気にする必要はありませんが、1週間単位ではできるだけ単調にならないよう、いろいろな食材を取りたいものです。

    そこで今日は、当番医の疲れも吹き飛ぶくらい辛い、真っ赤なスープの鍋にしました。肉は控えめにして、野菜をたっぷり。締めに少しご飯を入れて雑炊にしたら、やはり間違いない美味しさでした。食事とサウナのダブル効果で、疲れがすっかり飛んでいきました。

    福岡 渡辺通

  • 柔軟な経営の大切さ

    昨日、熊日で「TSMCの第2工場建設が止まっているが大丈夫か」という記事が載っていました。すると、今日の日経には「TSMC熊本でAI半導体」という記事がトップになっており、驚きました。熊日が懸念していた工場建設の遅れは、実はTSMCの計画変更によるもので、4ナノチップ(AI向けの先端品)の工場を建設するようです。地元の新聞が全国紙に出し抜かれた形となりました。もともとは電気自動車用のチップを生産する予定だったが、電気自動車の販売不振を受けてAI用にシフトしたという背景があるようです。結果的には、工場が完成する前に計画変更が行われたのは良かったですね。

    このように、途中まで進めた仕事や計画を変更することは、非常に勇気がいることです。多くの人は、ある程度時間やお金をかけてしまった仕事を途中で投げ出し、振り出しに戻すのはとても難しいと感じます。「もう決まったことだから」と後ろを振り向かずに突き進む方が、実際にはストレスが少ないこともあります。しかし、企業の経営となると、何百億ものお金が動くため、その判断が生きるか死ぬかを決めることになります。そんな中で、柔軟に計画を変更できる姿勢が重要だということを、このTSMCの例は教えてくれます。

    私たちが経営している医療現場では、そこまでドラスティックな変化は少ないかもしれませんが、診療報酬が頻繁に方向転換する中では、それに迅速に対応しないと置いていかれます。ときには、「新しい方針が今はおいしそうだから」と飛びつくと、後でそれが間違いだったと感じることもあります。厚生労働省はいつも数年後にはしごを外すので、経営上利点と思われた前提が崩れた時、急に取り組んでいた仕事を中止しなければならないこともあります。だからこそ、国の方針には逆らわず、しかしのめり込みすぎずに自分の得意分野を守り続ける経営が非常に重要であり、難しいものだと感じます。

    最近、閉院する病院が増えてきており、特にデジタル化(DX)への適応ができなかった高齢の先生がその犠牲となっていることに痛感しています。大きな社会の変化に乗り遅れた結果、撤退を余儀なくされたケースも少なくありません。逆風を受けた時に柔軟に方針を変更し、生き残る力が求められている時代だと感じています。

    OLD SOULにて 巨大スピーカーからはクリスマスミュージック

  • 時間管理の重要性

    時間管理術のひとつに、田の字を描いて4つのマスに分類する方法があります。横軸の右側に「急ぎの仕事」「急ぎでない仕事」、縦軸に「重要なもの」「重要でないもの」と書きます。右上は「急ぎのうえ重要な仕事」ですから、ここに入るものは何を差し置いても最優先で片付ける必要があります。一方、左下の「急ぎでなく重要でもない仕事」は、時間が余ったらすればよい程度で、優先度は最下位です。テレビやネットをダラダラ見る時間はここに該当します。

    問題は右下の「急ぎだが重要でない仕事」と、左上の「急ぎではないが重要な仕事」をどう扱うかです。頭では「急ぎではないが重要な仕事」を優先すべきと分かっていても、現実には「急ぎだが重要でない仕事」をつい優先してしまいます。突然の電話やメールで返事を求められるものなどが典型例です。多くの人が「雑用に追われて忙しい」と感じるのは、この領域の仕事に振り回されているためです。

    私たちが最も意識して時間を割くべきなのは、「急ぎではないが重要な仕事」です。会社の長期戦略を練ったり、将来のための勉強・研究をしたりすることなどが該当します。すぐに成果は出ませんが、ここに時間を投資したかどうかは将来必ず大きな差となって現れます。

    この視点で見れば、毎日忙しく働いているのに一日を振り返ると「大したことをしていない」と感じる理由は、「重要ではないが急ぎの仕事」を優先してしまうからだと言えます。幸い、最近のAIの発達のおかげで、この領域の作業はAIに任せられる時代がすぐそこまで来ています。

    では、AIに雑用を任せたあなたは何をするべきでしょうか。間違っても、空いた時間をドラマ視聴や飲みに行くことで埋めてはいけません。「急ぎではないが重要な仕事」に目を向け、時間ができたらそこに取り組むことです。隙間時間が1分でも、それが一日10回あれば10分の勉強ができます。意識しなければ時間はあっという間に過ぎていきます。

    三角西港の洋館

  • 投資と浪費の境界線

    病院経営も最近では赤字のところが多く、倒産の話題をよく耳にします。一般的なビジネスと違って、病院は厚労省がサービス(診療)に対する対価(価格)を決めているため、自分の努力でどうにかなる部分はほとんどありません。また、仕事内容に関しても保健所などからの指導があり、ルールから外れたことはできません。広告も規制されています。医療をビジネスと考えるのは、一般的なビジネスとはかなりかけ離れた世界だと思います。しかし、それでもビジネスセンスのある施設は今も利益を出していますし、センスがないと赤字になります。この差はどこから来ているのでしょうか。

    私が考えるに、病院が何かを買うとき、それが投資なのか浪費なのかという線引をしっかりしておく必要があります。例えば院長が必要もない高価な車を買うのは浪費ですが、往診や訪問看護の仕事のために車を買うのは投資です。簡単に言えば、買ったものが利益を生んでくれるかどうかで判断できます。

    境界がわかりにくいものもあります。例えば外食。美味しいものを食べるのは一見浪費に見えますが、それが健康に良い食事であれば結果的に自分への投資となります。また、たまたま居酒屋で隣のテーブルの人と仲良くなり、その人が自分の顧客になってくれれば、その外食は浪費ではなく投資と言えます。ラーメン好きの人がただ食べるだけなら浪費ですが、食べ歩きの感想を出版したり、YouTubeで発信したりすれば、利益が出る可能性があり投資となります。このように、すべての消費行動が投資なのか浪費なのかを考えながら動ける人は成功するのだろうと思います。

    結局、安いものを買うか高いものを買うかということは、投資・浪費の判断基準ではありません。マンションを買って自分で住むだけでは利益は出ませんが、人に貸せば家賃収入になります。投資に見合うリターンが見込めるかどうかを計算できる人が勝者。計算もせず、ただ「欲しいから買う」という衝動的な人は敗者になるのではないでしょうか。

  • 今年やり残したことは今すぐ始めよう

    週明け、予想通り発熱患者さんが増えてきました。インフルエンザの検査はほとんどの患者さんに実施していますが、陽性が出るのは3割程度で、あとはインフルエンザでないか、タイミングが早すぎて結果が出ない場合です。私は患者さんの喉の所見をいつも確認していますが、インフルエンザには特徴があり、喉のリンパ濾胞の腫れが見られたらほぼ確定です。しかし、最近は発熱患者さんの多くにその典型的な所見が見られないため、インフルエンザ以外の風邪も結構混じっている可能性が高いと思います。アデノウイルスやマイコプラズマなど、さまざまな可能性があります。そういった感染症にも診断の手がかりとなる所見が伴うことが多いのですが、最近よく見る典型的な所見のない発熱患者さんでインフルエンザもコロナも陰性だと、診断が難しくなってきています。

    さて、今日から12月が始まりました。いよいよ今年も終わりが近づいてきましたが、まだまだやれることはあります。まずは今年を振り返り、やり残したことがないか確認してみましょう。もしまだできていないことがあれば、すぐに取り掛かりましょう。きっとまだできるはずです。先日2026年の手帳を購入したら、ページは12月1日からスタートしていました。今日から使えるので、早速使い始めることにしました。すでに年明けの予定も入ってくるので、今年の手帳を使っているとそれを書き込めません。1ヶ月前倒しで使い始められるのは非常に便利です。

    今週、天草薬剤師会で漢方の講演を頼まれています。WEB講演なので診療後、そのまま診察室のパソコンから配信します。最近は患者さんも多いので、スケジュールがずれこまないように気をつけたいと思っています。今回のテーマは「痛みの漢方治療」です。痛みと言えば整形外科だけでなく、頭痛や腹痛、生理痛などあらゆる分野で関係しますので、時間いっぱいに網羅的にお話しようと思っています。実は、昨日の学会で同じような講演があったので、参考にしようと思って参加したのですが、入門編的な内容だったため、あまり参考にはなりませんでした。私はいつも中級者以上を対象にした講演を行っているので、逆に初心者向けに話すのは難しく感じてしまいます。それはともかく、90分の講演を聞いてくださる方々の時間は大事ですから、聞いてよかったと思っていただけるように頑張ってお話ししたいと思います。