むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 空腹時血糖と随時血糖

    朝ごはんを食べずに来院してもらい、血糖を測るのを空腹時血糖、食事と採血のタイミングをランダムに測るのを随時血糖と言います。もちろん空腹時血糖の方が低い値になることが予想されます。昔は朝ごはんを食べずに来てもらい採血するのが当たり前でした。しかし、最近は随時血糖もだいぶ重視されるようになって来ました。随時血糖を測ると、空腹時ではわからない高血糖が見つかることがあり、隠れた糖尿病を診断することができるのです。

    糖尿病を治療中の場合、ヘモグロビンA1cという検査をよく耳にすると思います。7以下を目標に治療します。一方、ヘモグロビンA1cばかり見て治療していると、思わぬ低血糖を来すことがあります。血糖降下剤が効きすぎて血糖が下がると、気分不良となり、吐き気や冷や汗が出たり、ひどくなると意識が遠くなります。非常に危険なので、低血糖にはならないように注意が必要です。そこで、食後の血糖は下げ、空腹時血糖は低血糖にならない程度に維持するのが糖尿病治療の腕の見せ所なのです。

    さらに、血糖がやや高いところで安定しているのと高かったり低かったりの変動が大きい場合を比べると、少し高くても変動が少ない方がいいとされています。そういう最新の知見に基づいて治療しないと、単にヘモグロビンA1cをがむしゃらに下げればいいという時代ではなくなっています。また最近は、治療薬も新しくどんどん出てきており、以前に比べると治療がとてもしやすくなっています。

  • ASTR(アスター)という筋膜リリース法

    最近、テレビで筋膜リリースという治療法が話題になっています。特によく目にするのが、凝った肩の筋肉と筋肉の境目をエコーで確認しながら生理食塩水を局所注射して筋膜を剥がし、隙間を作ってやることで痛みを取るといった治療法です。

    私が筋膜リリースに着目したのは10年ほど前です。ただ、これは今はやりの超音波で生理食塩水を注入する方法や筋膜リリース用のマッサージ用具を使った治療ではありません。ASTR(アスター)というトリガーポイントを使った筋膜リリース法です。これは、主に鍼灸マッサージ師さんたちが勉強する施術法の一つです。以前教科書を買ってやり方をマスターしたのですが、なかなか実践で試したことはありませんでした。

    しかし、最近の筋膜リリースのブームを見て、ASTRを再度勉強し直しました。この施術法の優れているのは注射や超音波などを使わず、患者さんの手足の痛いところを探って、関節を曲げたり伸ばしたりしながら治療します。全く道具がいりません。その代わりちょっとしたコツがあるので、施術の訓練が必要です。私は日頃患者さんの手足を触ってツボを押したりして治療していますので、これを応用するとあまり難しくないと思っています。もうしばらく研究して、実際に外来でもやってみようと思います。患者さんにとっては、医者に痛いところを触ってもらっただけで治ったような錯覚があるかもしれませんが、ここには隠されたテクニックがあることをちょっとだけ知っていただけたらと思います。

  • 水(湿)と体調不良の関係

    ついに雨が降りました。明日からもしばらくは雨になりそうなので、カラ梅雨でなくすみそうです。本来なら今日が梅雨入りでいいような天気でした。やはり、降るべき時には降ってもらわないと、水不足が心配です。

    一方、雨になると水に関係する体調不良がいろいろ出てきます。めまい、ふらつき、吐き気、片頭痛、むくみ、喘息などです。どれも、体の中の水バランスの悪さが問題なのですが、環境の湿気に大きく左右されます。日本は島国でもあり、雨が多いので湿に関係する病態が多く見られます。漢方の本場中国の内陸では逆に乾燥に伴う病態が多く見られるそうなので、国民性も住んでいる環境により随分変わってきます。日本のように湿が多いところでは、水分を摂りすぎるとよくないと思います。漢方的に、湿の多い体質かどうかを見分ける方法に、舌診があります。舌が腫れぼったくぼってりと大きめで、舌の辺縁に歯型の食い込み(歯痕)が見られるのが湿証の特徴です。

    このような状態を見たら、胃腸の状態を整えながら余分な水分をぬいてくれる白朮、茯苓、気の巡りを良くして乾燥させる陳皮、半夏、利尿作用のある猪苓、沢瀉などの生薬を配合する処方を考えます。患者さんごとにバランスの崩れた部分が異なるので、それぞれに必要な処方はこのような生薬の使い方を一例一例考えるのです。

  • 私の健康法〜飲み物編

    私が自分で実践している健康法についてご紹介します。まずは、コーヒー。1日に2−3杯飲みます。リラックス効果の他に、肝臓や糖の代謝にもいいと言われています。次にココア。食物繊維やポリフェノール、ミネラルなどが豊富で便通も良くなり、アンチエイジング効果が期待されます。最近、知人の勧めでココアに生姜を入れて生姜ココアにしています。生姜は生のものを冷蔵庫に入れておくとすぐにカビが生えてしまうし、逆にチューブ入りは1年以上腐らないのできっと強力な防腐剤が入っていると思い、避けています。私は生姜パウダーを使います。簡単です。

    緑茶は1日で500mLから1L近く飲みます。ペットボトルではなく、自分で入れます。農薬の問題が話題となっていますので、できるだけ無農薬のものを買うようにしています。魔法瓶に入れて職場で昼ごはん時などに飲みます。ブレンド健康茶(どくだみ、枇杷、桑などのブレンド)は週に1−2回やかんで煎じて作ります。紅茶、三年番茶なども飲みますが、いずれも無農薬のものを買います。無農薬の茶葉や生姜パウダーは熊本市東区の佐土原にある「有機生活」という店か、錦ケ丘にあるマクロビの専門店「ビオ天粧」で買っています。もちろん通販でも入手できます。

    それ以外には「霊芝」です。抗癌作用、免疫賦活作用、肝保護作用など色々な効能が期待されます。ほとんど毎日飲んでいます。

    そんなこんなで、何が体に効いているかはわかりませんが、インフルエンザや感染性胃腸炎などあらゆる感染症患者さんと毎日接していても、ほとんどうつることなく元気にやっています。

  • 不眠と夜間頻尿について

    私のクリニックでは、眠れませんという患者さんがたくさんこられます。その中には、単純に眠れないだけの不眠もありますが、いろんな悩みが多くて眠れないうつ病の患者さんもいれば、地震の後から不安が次第に強くなって眠れなくなった人もいます。子育てや親の介護で眠れない人もいれば、冷え症で足を温めないと眠れない人もいます。

    つまり、眠れません、というだけでは治療方針は簡単に決まらず、眠れない背景を根掘り葉掘り聞き出してやっと処方が決まるわけです。そんな中で、比較的高齢の男性で眠れないと言われたら必ず確認するのが、夜にトイレに起きる回数です。3回以上トイレに起きるようなら睡眠もこま切れになり、熟睡できません。そういう場合は、前立腺肥大の可能性がありますから腹部エコー(超音波検査)で前立腺のサイズや膀胱の容量を見て診断します。また、前立腺の画像所見で癌の可能性を否定できない場合はPSAという血液検査を行います。

    最近、前立腺肥大の薬で過活動膀胱症状にも効くザルティアという薬があり、新しい治療ガイドラインでも推奨されています。私もたくさん処方していますが、副作用が少なく効果もいいので気に入ってます。