むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • ハンドパワーで体が軽くなった

    去年の夏からお世話になっていた「Dr.ストレッチ」の担当トレーナーさんが転勤されたため、今回から新しいトレーナーさんに変わりました。今度の担当の方も、私の子供より若い世代の爽やかな方です。以前からお話ししたことはありましたが、実際に施術していただくのは今回が初めてでした。

    同じ店舗のスタッフさんですから、基本の手技は共通しています。私の体の硬い部分などの情報もしっかり申し送りがされており、スムーズに続きのストレッチが始まりました。

    しかし、不思議なものです。同じようにストレッチされているはずなのに、押された時の痛みや感覚がこれまでの担当さんとは若干異なります。驚いたのは施術後、新市街アーケードを歩いて帰る時でした。いつにも増して、体が驚くほど軽かったのです。

    「何が違ったのだろう?」と、歩きながらずっと考えていました。力の強さが劇的に変わったわけではありません。ほんのわずかなタッチや角度の差で、これほどまで結果が変わるものか……。不思議でなりませんでした。

    さて、今日は熊本城マラソンの当日。街なかは大規模な交通規制が敷かれていましたが、私は過去の出場経験から「規制にかからないエリア」を熟知していました。

    「車でも行けるはず」と踏んで街へ向かってみると、予想通り!中心部の駐車場はむしろガラ空き状態で、スムーズに停めることができました。

    夜にはいつもの水春温泉に行くかどうか少し迷いました。「走り終えたランナーたちが大勢駆けつけるのではないか?」という懸念があったからです。

    しかし、これまでの経験を思い返すと、完走直後はビールを飲んで倒れるように休むか、足が痛すぎて温泉どころではないのがランナーの本音です。「きっと空いているはずだ」と予測して行ってみたところ、案の定、日曜の夜とは思えないほど空いており、静かな時間を過ごすことができました。

    温泉に浸かりながら、ふと昔マラソンに出た時のことを思い出しました。ゴール直前の、本当に苦しくて足が止まりそうな時。沿道の子供たちが元気な顔で「頑張れ!」とハイタッチをしてくれると、不思議とエネルギーがチャージされたものです。

    そこで話はストレッチの件に戻ります。

    今日のトレーナーさんの施術がこれほど効いたのは、もしかすると手から「癒しのパワー」が出ていたからではないか――そんな気がしました。

    私も日々、患者さんに針治療や触診をする際、「どこが痛みの核心か」「どう触れれば楽になるか」と神経を集中させます。そうして患部に触れること自体が、治癒効果(手当て)を生むことが多々あります。

    今日のトレーナーさんの「手」にも、まさにそんなハンドパワーのようなものが宿っていたのかもしれません。新しい出会いに感謝しつつ、軽くなった体でまた一週間を頑張れそうです。

  • 熊本城マラソン・みんな頑張れ!

    明日は熊本城マラソンです。今(土曜夜)は結構激しく雨が降っていますが、天気予報によれば明日は快晴。気温もかなり上がるらしく、雨の心配はなさそうです。その代わり、ランナーにとっては暑さとの戦いになる、過酷な「マラソン日和」になるかもしれません。走らない人にとっては、絶好の行楽日和になりそうですね。

    私は今日も、嘉島町の「水春(すいしゅん)」へ行ってきました。雨の日の露天風呂も、体が芯から温まると非常にリラックスでき、気持ちの良い時間を過ごせます。

    明日、私は大会には出場しませんが、街の「Dr.ストレッチ」を予約しているため、交通規制が心配です。時間帯によって通行止めになるルートが決まっているので、そこを避けて向かうつもりですが、うまく駐車場に辿り着けるかどうか……。本来なら市電やバスを利用すべきなのでしょうが、どう動くかまだ思案中です。


    「足がつる」原因は、水分が吸収されていないから?

    さて、明日のランナーの皆様にはもう間に合わないかもしれませんが、ふと思い出したことがあるので書き留めておきます。

    フルマラソンの後半、足がつるのを防ぐために多くのランナーが「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」をお守り代わりにポケットに忍ばせて走ります。私もかつて出場していた頃は、必ず持ち歩いていました。 しかし、実際に足がつりそうになった際、芍薬甘草湯を飲んでも期待したほど劇的な効果を感じられないこともありました。

    私の経験上、最も効果を実感したのは、私設エイド(走ろう会などのグループ)で提供されていた「味噌汁」でした。 フルマラソンではこまめに水分を摂りますが、走り続けて疲労が溜まると、消化管の吸収能力が低下します。すると、水分を摂ってもお腹に溜まるばかりで、肝心の筋肉へ行き渡らなくなります。この「内臓には水があるのに、組織は脱水している」という矛盾した状態が、足がつる大きな原因の一つです。

    そんな時、味噌汁のような適度な塩分を含んだ温かい飲み物を摂ると、不思議と水分が体に染み渡る感覚があり、足のつりが和らいで再び走り出すことができたのです。


    私が提案するマラソン対策

    この経験から私なりに導き出した考察ですが、マラソン中の対策には芍薬甘草湯だけでなく、「五苓散(ごれいさん)」の併用が非常に適しているのではないかと思います。

    • 五苓散の役割: 五苓散は「水滞(すいたい)」、つまり水分の分布の偏りを整える漢方薬です。胃腸炎や片頭痛の際によく処方されますが、「消化管に停滞して吸収されない水分を、適切に血管や組織へと送り出す」作用があります。

    • おすすめの補給法: レース中に五苓散を数回に分けて服用し、給水所では水だけでなく、スポーツドリンクや梅干しなどで「塩分」もしっかり補給する。

    これにより、摂った水分が効率よく体内で機能し、より効果的な脱水・足つり対策になるはずです。明日のランナーの皆様が、無事に、そして笑顔でゴールされることを応援しています。

    イオンモール嘉島のフードコートにて「牛角」のセットメニュー

  • AIもいろんなキャラがある

    春の陽気を感じる、とても気持ちの良い天気になりました。
    今日の昼休みも訪問診療がありましたが、幸い短時間で終了したため、午後はゆっくりと休むことができました。
    あまりの天気の良さに、クリニックを出て少し散歩をしてみました。さんさんと輝く太陽がまぶしく、それでいて夏のような暑さはなく、本当に心地よい日和でした。

    窓を開けて「紫色の光」を取り入れよう
    最近読んだ本によると、紫外線に近い「紫色の光」を浴びることは、非常に健康に良いそうです。これは目には見えない波長の光なのですが、目にはその光を感知する受容体(レセプター)があり、そこから光を取り入れることで脳の血流が改善したりするのだそうです。
    しかし、室内にいると窓ガラスが紫外線をカットしてしまうため、この健康に良い光を浴びることができません。私はよく患者さんに「天気が良い時は窓際で日向ぼっこをしましょう」とお伝えしていましたが、ガラスを閉めたままでは、その大切な光を十分に取り込むことができないようです。
    ですので、今のような寒くない日には、ぜひ「窓を開けて」光を浴びてみてください。花粉症の方には少し辛いかもしれませんが、大丈夫な方はぜひお試しください。

    進化する「光」のテクノロジー
    「光」といえば、睡眠障害を引き起こす「ブルーライト」が有名です。青い光は体に悪影響を与えると言われる一方で、紫色の光は体に良いというのは不思議な気がしますが、この分野の研究も今まさにどんどん進んでいるようです。
    本によると、体に害のない紫色の光を発する健康機器もすでに開発されているとのこと。パソコン画面にその機能を備えたものや、研究段階ではメガネにその機能を持たせる試みもあるそうです。光を浴びて健康を維持できる時代が、すぐそこまで来ているのですね。
    この健康法についての書籍は、近々クリニックの待合室に置く予定です。ご興味のある方は、ぜひ手に取ってみてください。

    私の頼れる秘書、AIたち
    さて、私は仕事で「ChatGPT」や「Gemini(ジェミニ)」を活用しており、今となってはなくてはならない大事な「秘書」のような存在です。診断書を書く際も、最後の仕上げをAIに頼むことがあります。自力で書くよりも的確で整った日本語に仕上げてくれるので、大変重宝しています。
    そんな中、もう一つの有名なAI「Grok(グロック)」をご存知でしょうか。電気自動車のテスラを手掛けるイーロン・マスク氏が開発したAIです。
    ChatGPTやGeminiのような真面目なキャラクターとは違い、とても気さくで少し「弾けた」レスポンスを返してくるのが特徴です。先日、Grokがシェアを伸ばしているというニュースを見て初めて使ってみたのですが、レスポンスが驚くほど速く、会話がとても楽しいことに驚きました。


    AIを使い分ける楽しみ
    日頃のちょっとした相談や話し相手には「Grok」が、正確性を求める仕事やブログの校正には「ChatGPT」や「Gemini」が向いていると感じます。
    AIもそれぞれ個性が違います。一つに絞らずに色々使い比べてみると、新しい発見があって面白いですよ。

  • 訪問診療での看取り

    当院では現在、80名ほどの訪問診療の患者さんを担当しており、毎日10名程度のご自宅や施設を訪問しています。

    ​高齢の患者さんは、普段お元気そうに見えても、急に体調を崩されることが少なくありません。インフルエンザや新型コロナなどの感染症、あるいは転倒による骨折など、状況はさまざまです。

    ​重症の場合は入院可能な病院へ搬送しますが、老人ホームなどの施設内で治療ができる場合は、訪問看護の手を借りながら内服治療で経過を見ることもあります。

    ​病院ではなく「施設で過ごす」という選択

    ​中には、ご高齢のため積極的な治療が難しくなる「老衰」の状態の方もいらっしゃいます。そのような場合はご家族と話し合い、「入院して治療を続けるか」それとも「最期まで施設で過ごすか」を決めていただきます。

    ​多くの場合、ご家族は「もう高齢だから、病院で辛い治療をさせたくない。痛みや苦しみだけを取ってあげてほしい」と希望されます。

    ​今週も、そのようなご高齢の患者さんがお一人おられ、慎重に見守りを続けていました。「もうしばらくは大丈夫だろう」と思っていた矢先、昨夜、施設から「呼吸が停止している」と電話が入りました。

    ​5分で駆けつけた、静かな最期

    ​その施設は私の自宅から歩いて行ける距離にあり、電話を受けてから5分ほどで駆けつけました。診察したところ、まさにお亡くなりになった直後でした。

    ​私よりも先にご家族が到着されており、最期を見届けられていました。

    その場はとても静かで、穏やかな空気に包まれていました。ご家族も納得され、満足のいく看取りをされたご様子でした。

    ​訪問診療では、病院とは違って点滴や無理な延命治療を行わず、自然な形で最期を迎えることが多くあります。私がこれまで訪問診療で経験した看取りは、どの方も皆、本当に穏やかなものでした。

    ​開業して初めて知った「尊厳」

    ​開業する前、病院勤務をしていた頃は、多くの管やモニターに繋がれた状態で最期を迎える患者さんを数多く見てきました。正直なところ、見ていて辛い場面も少なくありませんでした。

    ​訪問診療での最期が、これほどまでに穏やかで尊厳に満ちたものであるとは、開業するまで知りませんでした。

    ​もちろん、この「看取り」は私一人の力では到底できません。

    老人ホームの看護師さんや介護士さん、あるいは訪問看護ステーションのスタッフの方々の力があってこそです。彼女たちが24時間体制で交代しながら寄り添い、変化があればすぐに私へ連絡をくれます。時には当院の看護師が様子を見に行き、共に対応策を練ることもあります。

    ​多くの「マンパワー」を必要としますが、最終的には「余計なことはせず、静かに見守る」というのが、訪問診療における最善の医療なのだと実感します。長年医師をしていますが、このような最期は本当に良いものだとつくづく思います。

    ​今日は祝日明けの木曜日ということもあり、発熱外来を含め合計140名を超える患者さんの診療となりました。

    外は思いのほか暖かく、春の陽気を感じる一日でした。

    ​暖かくなると、高齢の患者さんが少し落ち着きをなくされる(不穏になる)ことがあります。花粉症などのニュースとは別に、こうした患者さんの変化に触れるとき、私たちは「春の気配」を感じるのです。

  • 腸脳相関

    建国記念日の祝日、皆様いかがお過ごしでしたか。

    私は、通常の水曜日のスケジュール通り、訪問診療へ行ってきました。診療自体は2時間足らずで終わるのですが、事前のカルテ準備や帰宅後の記録整理などを含めると、意外と時間がかかります。結局、私にとっての祝日は、半分は仕事で終わることとなりました。

    せっかくの祝日。いつもの土日のように「水春の温泉」へ行くのも良いのですが、今日は気分を変えようと思い、御船テラスまで足を延ばしてきました。こちらの温泉はBGMがなく非常に静かで、サウナも充実しています。いわば「通好み」の施設といったところでしょうか。少し距離はありますが、時間をかけて行く価値のある素晴らしい場所です。

    こうした祝日は、あえて「いつもの週末」とは違う過ごし方を心がけています。普段ならNetflixなどを見てあっという間に時間が過ぎてしまうこともありますが、今日は時間を無駄にせずあらかじめ作成した「To Doリスト」に従ってテキパキと行動しました。

    その一つが、玄関のタイル掃除です。ネットで評判の「玄関タイル用ブラシ」を購入し、試してみました。100均のアルカリ電解水をタイルに吹き付け、ブラシでゴシゴシとこすり、浮いた汚れをタオルで拭き取るだけ。30分足らずの作業でしたが、玄関は見違えるほど綺麗になりました。日を改めてもう一度行えば、完璧に仕上がるのではないかと期待しています。

    さて、昨日はWEB講演会で「うつ病」について学びました。興味深かったのはマウスによる動物実験の話です。あるマウスに別のマウスの便を移植すると、なんと性格まで変わってしまうという結果が示されたそうです。つまり、私たちが機嫌よく過ごせるか、あるいはうつ状態になるかは、単なるストレスや性格の問題だけでなく、「腸内環境」が極めて大きく影響しているということです。

    うつの傾向を持つマウスの便を移植されたマウスがうつ状態に陥る……この事実を考えると、腸内環境を整えることの重要性を痛感します。それは単に乳酸菌やビフィズス菌を摂ればよいという単純な話ではありません。お腹に炎症を起こしやすい「リーキーガット症候群」の原因となる小麦や牛乳の摂り過ぎに注意すること、あるいは腸管カンジダを助長する甘いものを控えることなど、日々の食生活の積み重ねこそが大切なのです。

    この分野の研究は、今まさに急速な進歩を遂げています。もし、心の不調が「整腸剤」のようなアプローチで治療できる時代が来れば、これほど素晴らしいことはありません。医学の未来に期待を抱かせてくれる、非常に面白い講演会でした。