むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 高血圧の季節


    土曜日はいつも忙しく、あまり時間をかけられずに次々と診察をすることが多いのですが、今日はそこまで急がず、ちょうど12時半頃には診察が終わりました。これくらいの忙しさなら、体にも悪くないと思います。昼のちょうどいい時間に仕事が終わったので、先週に引き続きシャワー通り近くの「クマブンシク」にランチに行きました。今日はキンパのランチセットを頼みました。ペクパンに似た小さなおかずがたくさん並ぶスタイルで、とても美味しかったです!

    昨日、痛風のことをブログに書いたせいか、今日は痛風の患者さんが二人も来られました。尿酸が高い状態を放置していると、いずれ痛風を引き起こします。健診で尿酸値が7以上だと高値とされていますが、治療を絶対にした方が良いのは9以上です。また、過去に痛風の既往がある場合は、9ではなく、できる限り7以下を保つことが重要です。痛みが出たばかりの時は、尿酸値を下げない方が良いのですが、痛みが収まった後は、6を切るくらいまで下げておかないと再発しやすいので、ご注意ください。

    最近、朝晩の気温が下がってきていますが、それに伴って血圧が高くなり始めた方が来院されています。夏の間は落ち着いていた血圧が、最近急に上がり、頭が重いとか動悸がするという症状が出ている方もいます。これから冬にかけて血圧が上がる場合は、血圧の薬を冬用の量に増やす必要があるかもしれません。毎年そのように調整されている方は、どのくらいの強さで調整すれば良いか経験で分かると思いますが、今年初めて血圧が上がってきた場合は、慎重に薬の調整をする必要があります。これから気温の変化が激しくなりますので、体調管理には十分気をつけてください。

    クマブンシク

  • 美味しそうで危険な痛風鍋!

    月初めの忙しい週も終わりに近づきました。今日は、今週の疲れを取るため、自宅近所の居酒屋さんにご飯に行きました。カウンターに座ると、眼の前の黒板に「痛風鍋」と書いてあります。なんだそれは!と思い、マスターに聞いてみたら、白子やあん肝をたっぷり入れて鍋にしました、とのこと。絶対おいしいはず!しかし、危険な鍋です。ネーミングの通り、明日には痛風発作が間違いなく起きそうです。

    当院には、痛風発作の患者さんが毎日のように来院されています。これは、私が痛風の治療を得意としているからです。通常の診療には漢方ばかり使いますが、痛風には西洋薬を使用します。整形外科などで薬をもらっても歩けないほど痛いという痛風が、当院の痛風セットを飲むと3日ほどで収まります。痛みで困っている方は我慢せずにご相談ください。

    痛風は尿酸が高いと起こる疾患ですが、上がってすぐに発作が出るわけではありません。高尿酸血症を放置して何年も経過すると、やがて激烈な痛みとなります。そこで、痛みが収まったら尿酸を下げる治療を徹底的にしないといけません。採血して血液データがよくなったと喜んではいけません。関節内に蓄積された尿酸結晶は、血液の尿酸値がかなり低くなるまで下げないと溶け出しません。関節内に残っていると、ちょっと運動したり、お酒を飲みすぎた結果、再び痛みの発作が出ます。

    尿酸が上がりやすいのは、お酒と魚卵系の食事の取りすぎです。体質的に尿酸が尿中に排泄されるスピードが遅い人がいて、食事に気をつけていても、尿酸値が上がることがあります。文献的には、日本人の過半数は尿酸の排泄が遅い遺伝子を持っているらしいです。気をつけましょう。

    痛風は放置すると非常に辛い症状を引き起こしますが、早期に適切な治療を行えば、痛みを軽減し、再発を防ぐことが可能です。もし痛風や尿酸値について気になることがあれば、早めにご相談ください。精一杯お手伝いさせていただきます。

  • ドクターショッピングは医療費の無駄使い

    昨夜は寝ているときにかなり雨が降ったような気がします。「あれ、降っているのかな」と思ったことだけは覚えています。朝、新聞を取りに玄関先に出ると、やはり雨の痕跡があり、少し涼しく感じました。

    このところ、コンスタントに発熱患者さんは来院されますが、インフルエンザはほとんどいません。コロナも以前に比べると減った印象があります。2週間ほど前は胃腸炎が立て続けに見られましたが、大流行とまではいかずに収まってきました。その代わりといっては何ですが、インフルエンザでもコロナでもない風邪が増えています。

    風邪症状があれば診断はつきやすいのですが、発熱以外に何も症状がない患者さんも数名来院されました。念のため採血をしてみても、多少の炎症反応がある以外には特に異常所見はありません。このような原因不明の発熱では、胆嚢炎や総胆管結石、腎盂炎、前立腺炎などが鑑別に挙がります。ただし、これらはよく聞けば腰の痛みなど何らかの症状を伴うことが多く、まったくの無症状は少ないと思います。高齢者では痛みに気づきにくいこともあるかもしれませんが、それでも完全に症状がないというケースは稀です。

    とはいえ、こうした原因不明の発熱患者さんをどう扱うかはとても悩ましい問題です。混雑している外来ではゆっくり検討したり精密検査を進めたりする時間はなく、長くとも5分程度で結論を出して方針を立てなければなりません。

    こういう発熱患者さんも、一日待てば下痢が出たり咳が出たりと、診断の手がかりになる症状が現れることがあります。そうした場合を見越して「胃腸炎の初期かもしれないので、この薬を出しておきます」といった先回り処方をすることもあります。しかし本来であれば、時間をおいて再診いただきたいところです。ところが最近の患者さんはとても移り気で、少しでも治らなければ翌日には別の病院を受診されることが少なくありません。その結果、同じような検査を一から受けることになり、医療費の無駄遣いにつながることも多いのです。

    「医療費はちゃんと払っているから問題ない」と思われるかもしれませんが、自己負担は3割で、残りの7割は社会全体の保険料でまかなわれています。つまり、誰かが汗水流して働いて収めた社会保険料を使わせてもらっているのです。ドクターショッピングは医療経済上の無駄だけでなく、薬を複数の医療機関から処方されることで副作用のリスクが増し、どれを飲めばよいのか分からなくなったり、責任の所在が不明確になったりする危険もあります。

    そういうわけで、一度かかったら一定期間はあちこち受診せず、同じ医師に経過を見てもらうのが安心にもつながり、医療全体にとっても望ましいと思います。

    益城の「四季の味 やまもとや」今回の天丼にはワカサギの天ぷらが沢山乗っていました。他には、大きなエビ、穴子、カボチャ、ピーマンなど。美味しかった!

  • 医療業界は物価上昇についていけない

    先週末は息子夫婦が帰省してきたりして慌ただしかったですが、今週末は特に用事もなく、のんびり過ごせました。こういう息抜きの時間は本当に貴重です。シルバーウィークの祝日が2週にわたったため、変則的に忙しい日が続きましたが、今週はやっと通常通りのペースに戻りそうです。

    もうすぐ、私が主催する「東方医学研修会」という漢方の勉強会があります。私自身も演者の先生の前座として30分ほど講演する予定なので、大急ぎでスライドを作っているところです。今回は、ChatGPTの力を借りて、いかに時短でスライドを作れるか実験的にやってみようと思っています。といっても凝ったイラストを作るわけではなく、アウトラインを作る段階を手伝ってもらい、一気に仕上げるつもりです。ブレインストーミング(ブレスト)と言って、みんなでアイデアを出し合う会議がありますが、今ではAIの力を借りて「ひとりブレスト」ができる時代になりました。

    話は変わりますが、漢方は西洋医学的な病名よりも「証(しょう)」を重視します。証とは、表裏・寒熱・虚実といった軸で病態を表すもので、もう一つの重要な視点が「気・血・水(き・けつ・すい)」です。私は日々の診療の中でこの「証」を見立てて漢方薬を処方しています。

    先日、家のゴンが咳をしていたので麦門冬湯を飲ませたところ、咳が止まりました。ところがしばらくして再び咳が出るようになったため、犬にも人と同じように「証」が重要なのかを確かめたくなり、今度は風邪の咳に使う「参蘇飲」を試してみました。しかし、結果はまったく効果なし。やはり最初の見立て通り、ゴンの咳には麦門冬湯が合っていたようです。

    ところで、医療費や調剤薬局での支払額は、国が定めた「保険点数」によって全国一律に決まっており、自由に値上げや割引をすることはできません。国は医療費の高騰を理由に、診療報酬の改定のたびに物価上昇を無視して医療費抑制に力を入れています。その影響で、多くの医療機関が赤字に陥っており、「医療崩壊が目前」とまで言われるようになりました。物価が上がれば給料も上がらないと生活が苦しくなりますが、医療・介護業界では収入が上がらない仕組みのままで、人手不足に拍車がかかっています。せめて一般企業並みの給料を払いたくても、それが難しい状況です。

    今後も高齢化が進み、医療や介護のニーズが減ることはありません。ちょうど今、首相選が行われています。私たちに直接選ぶ権利はありませんが、誰もが老後を安心して過ごせる社会をつくってほしいと強く願います。

    トルティーヤが揚げてあるタコスなんて初めてでした Piggy’s BBQ

  • 後頭神経痛という頭痛の話

    このところ天気が不安定で、晴れたかと思えば雨が降ります。ついこの間まで激しい雷雨でしたが、雷が鳴らないだけまだマシかもしれません。それでも、患者さんに話を聞くと、天気が悪いと頭痛やめまいがひどくなると訴える方が大勢います。

    今日診察した頭痛の患者さんは、耳鼻科で検査して「異常なし」、脳神経内科でMRIを撮っても「異常なし」。仕方なく市販の頭痛薬を毎日服用してしのいでいる、というお話でした。私が頭痛の患者さんを見るときは、まず丁寧に問診を行います。一次性頭痛(偏頭痛や緊張型頭痛など)では、画像検査で明確な異常が見つかることはほとんどありません。脳出血のような頭痛は通常、突然で激烈な痛みを伴い明らかに区別できますし、脳梗塞や脳腫瘍であれば頭痛以外の神経症状が出ることが多いです。

    MRIで副鼻腔炎が見つかることはありますが、慢性副鼻腔炎(蓄膿)は無症状の方にもよく見られ、それが本当に頭痛の原因なのかは別問題です。検査で見つかればまず治療する、という流れになることもありますが、必ずしも検査所見=症状の原因とは限りません。

    話はそれますが、胃カメラをしても無症状の人に慢性胃炎や逆流性食道炎の所見が見つかることがあり、所見自体は正しいとしても、その所見と患者さんの自覚症状に明確な関連がないことが多々あります。検査で何か見つかると、とりあえずプロトンポンプ阻害剤(PPI)などの胃薬が処方されることが一般的です。皆保険制度のおかげで高度な検査を受けやすい反面、不要な検査や薬が増え、国の医療費が膨らむ原因になっていると思います。

    冒頭の頭痛の患者さんに戻ります。検査が異常を示さず、市販薬を毎日使っていると聞くと、まず念頭に浮かぶのは薬物乱用頭痛です。鎮痛薬の過剰使用が逆に頭痛を悪化させることがあります。とはいえ、決めつけずに詳しく問診を続けると、天候との関連はなさそう、痛みはズキズキに近い、肩こりがある、痛みは左後頭部で右は痛くない、ブラッシングで痛むのでそっと整える、といった情報が集まりました。

    これらの所見を総合すると、後頭神経痛(後頭神経に由来する神経痛)と判断できました。こうした神経痛は一般的な頭痛薬で全く効かないわけではありませんが、後頭神経痛に有効な薬を用いる方が効果的なことが多いです。今回はその方向で薬を処方し、経過を見ていただくことにしました。

    結論として、短い診察時間の中でも要領よく話を聞けば、多くの場合で診断に近づけます。検査は大事ですが、問診で得られる情報こそが診断の鍵となることを、改めて感じた一例でした。

    ロードスター乗りの聖地と言われている某所