むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 認知症患者を家庭で見る大変さ

    たとえ自分の親であれ、認知症になってしまったら家庭で見ていくのは非常に大変です。介護のために仕事をやめたり転職を余儀なくされるケースが多々見受けられます。そうした場合、介護にもお金がかかるのに転職などで収入が減ってしまうと、これまでの生活が維持できなくなってしまいます。認知症の介護は家族で抱えこまずに地域全体で支えていくようなしくみがあります。そのような社会資源を有効に利用しましょう。

    そうはいっても、いったい何をどうしたらいいのか、なかなかわからないと思います。まずは、お近くの地域包括支援センターに行ってみてください。ケアマネージャーさんに相談すると、訪問介護やデイケアなどいろいろなサービスのプランを考えてくれます。そのようなサービスを受けるには介護保険の申請が必要ですから、まだ介護認定(要介護、要支援)を受けていない場合、かかりつけ医に相談して介護保険の申請をするところから始まります。介護保険の申請には主治医意見書という書類を作成してもらわないといけないため、かかりつけの先生には日常困っていることをなんでも相談していただきたいと思います。見守りが必要なこと、トイレや入浴に介助が必要なことなど、くわしく話していただくと、それだけきちんとした主治医意見書が作成されますから、要介護度の判定にも影響すると思います。

     

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  • 認知症と向き合う

    認知症は、物忘れの病気という風にとらえられることが多いですが、実際にはそれだけではありません。家の鍵をどこに置いたかを思い出せないとか、そういったのは単なる物忘れであり、誰にでもあります。認知症の場合、鍵があってもドアが開けられない、鍵の使い方がわからない、といった忘れ方をします。物事の手順を思い出せなくて、得意だった料理が作れなくなったり、散歩に出たら、帰宅する道がわからなくなってしまったりします。新しい出来事はすぐ忘れて、朝ごはんを食べたことも思い出さず、ご飯はまだか、ということになります。ものが見つからないのを盗られたと思い込んで、人のせいにする物盗られ妄想もよくみられます。一方、古いことはよく覚えていて、幼少期の体験を鮮明に話してくれたりします。このような物忘れに関する症状を、中核症状と言います。

    それに対して、認知症の周辺症状というものがあります。急に怒りっぽくなって、性格が変わってしまった、徘徊したり介護に抵抗する、大声を出したり便をトイレ以外でしてしまうなど、いろんな迷惑行為が出てきます。このように、介護してくれる家族に迷惑をかけるようになると、たんに物忘れがひどいでは済まされない状況になってきます。

    最近は、認知症に有効な薬が新しく出てきています。昔なら仕方ないとあきらめていたような状況でも、治療により症状が落ち着き、平穏な生活ができるようになる場合があります。怒りっぽくなったりして手がつけられないような場合も、いろいろな向精神薬をうまく使うことで落ち着きを取り戻せます。ただ、認知症の薬を決められた通りに画一的に投与していってもうまくは治せません。患者さん毎にキメ細やかに量を調整する必要があります。大抵は過剰投与となり、副作用が出てしまいます。実際にはかなり少量で良いことが多いのですが、増やしたほうがもっと効くという思い込みがいけないのだと思います。

    今日も家族に連れられて来院された高齢女性がおられました。本人も物忘れの自覚があるといいます。認知症の場合、自分が物忘れをしているという自覚は乏しいことが多いので、今日の患者さんはアルツハイマーではなさそうだと思い、漢方薬で経過をみることにしました。

    私は、1年くらい前からコウノメソッドという認知症の治療法を参考にして治療するようになり、治療成績が結構改善したと思います。認知症の高齢者は家族で抱え込まず、まずは専門家にご相談ください。

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  • 木の実の季節

    冬は木の実の季節です。クリスマスに日本ではケーキを食べますが、イギリスではクリスマスプディングを食べます。柔らかいプリンではありません。木の実やドライフルーツたっぷりのケーキです。あまりにずっしりと重いので、初めて食べた時は驚きました。

    日本人はナッツの消費量が非常に少ないと言われています。健康のためにはもっとナッツをとった方がいいようです。ただ、日本でナッツといえば、ピーナッツ、アーモンド、カシューナッツ、ピスタッチオといったところでしょう。しかし、欧米で普通に食べているナッツ類はそれだけではありません。かぼちゃの種(パンプキンシード)、松の実、ひまわりの種などなど。日本でも手に入ることは入りますが、なかなか毎日食べるほど普通に買うような代物ではありません。

    今日は、当クリニックの前にある凌雲堂薬局から松の実、かぼちゃの種、カモミール、ローズヒップなどのサンプルをいただきました。漢方の生薬を扱っている会社のものだと思いますが、どれも品質が良く、とても美味しかったです。食べだしたら止まりません。おそらく、体がこのような栄養素を欲しているのだと思います。これらのナッツ類は体に良い植物性の油や亜鉛その他のミネラル、ビタミンなどを豊富に含んでいます。パレオダイエット(原始人ダイエット)というのがあり、木の実や果物を中心に食べたら健康になるという説が話題になっていますが、こういうダイエット法を試すには、ナッツ類や果物もいろいろな種類を摂らないとバランスが偏るでしょう。また、日本の果物は品種改良がすごくて、非常に糖度が高く、毎日たくさん食べるのには適していません。そんなことをするとあっという間に糖尿病になります。スーパーやデパートなどに売ってあるようないい果物でなく、庭先になっているような酸っぱくて甘くない果物こそ体にいいと思います。

    今日いただいた松の実などのナッツ類がいくらくらいで手に入るのかはまだ聞いていませんが、今度いろいろ買ってみたいと思います。興味ある方はお気軽にご相談ください。

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    写真は嘉島町の大豆畑です。専用の機械で収穫しているところです。その向こうに飯田山が見えています。

  • インフルエンザが出ています

    今日はインフルエンザのA型が出ました。いよいよ熊本でもシーズン入りといった感じです。みなさん気をつけましょう。体を暖かく保つこと。昼間に暖かくても日がくれるとかなり冷えてきますから十分な寒さ対策をしましょう。

    落ち葉を掃き掃除していると、いろいろ考えます。落ち葉はなぜ落ちるんだろう。体に溜まった老廃物を葉から排除するデトックスなのか、自分の根っこ近くに栄養分として葉を落とすのか、それとも冬の間エネルギー消費を最小限にするため葉を落として冬眠状態になるのか、あるいは葉を落とすことで雪が降っても枝が折れないようにか・・・。考え出すときりがありませんが、これが答えだ、というアイディアが浮かびません。広葉樹は冬に葉が落ちるのに、針葉樹はなぜ葉が落ちないのか?不思議です。きっと植物学を専門にしている学者さんにとっては、明確な答えがあるのでしょうが、私はその答えを知らないので落ち葉の掃除をしながら毎朝空想を膨らますのです。

    一方、トイプードルの毛は全然抜けません。季節の変わり目にも毛が抜けないので、掃除が不要で飼いやすいし、アレルギーがあっても飼えるというメリットがあります。今はトリミングに出すと綺麗にカットして帰ってきますが、もし自然(天然)のトイプードルがいたとしたらとても困ると思います。毛をカットせずに何年も放置するなんて考えられません。毛むくじゃらになるだけでなく、目も見えづらいと思います。家庭では飼いやすくてとてもいいのですが、自然界では困難極まりない気がします。

    そう考えると、葉が落ちたり毛が抜けたりするのは自然の摂理なのだろうと思います。

    毎朝落ち葉を掃き掃除するのは結構重労働ですが、気持ちいいので私にとっては好きな時間です。始業を気にしなければゆっくり綺麗にするのですが、どうしても朝の始業に間にあわせるために限られた時間内でザザーと掃きます。それでも、たくさんの落ち葉を袋につめて、歩道が綺麗になるのは快感です。しかも、朝の清々しい空気の中、登校する小学生たちに「おはよー」と挨拶するのは私の贅沢な時間です。

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    この写真は往診の帰りに車窓から撮った建軍自衛隊のイチョウです。青空とのコントラストが美しいです。

  • 伝統と新しいものと

    私はワインをよく飲みます。いつも安いものばかりで高級ワインなどは買ったことがありません。安いワインでは、最近スクリューキャップになっていて、コルクの使用が随分減っています。コルクを減らすのは、コストの問題や材料の入手が困難なことなどいろいろあると思います。

    ワインはやっぱりコルクでないと・・・という人は、古いと思います。調べてみると、スクリュートップにはいろいろとメリットがあります。

    第一に、開けやすい。ワインオープナーが不要です。いつでもどこでも開けられます。

    第二に、保存がよく、酸化しません。コルクの場合、カビが生えたりして品質の劣化が一定の割合で見られます。昔はよくコルクが乾燥しないようにワインのボトルは寝かせて保存、などと言っていましたが、スクリューボトルではそんな必要はありません。普通に立てたまま保存がききます。そして、スクリュートップのボトルに詰められたものは劣化しませんから、品質管理が簡単です。コルクのワインの場合、ソムリエがうやうやしく開けてくれたものを、代表して一人がテイスティングをし、カビ臭くないか、発酵が進みすぎて酸っぱくなっていないかなどをチェックします。しかし、スクリュートップの場合、そんなテイスティングをしなくても品質は一定ですから、すぐにつぎ分けても問題ないはずです。簡単です。

    世の中このような事例がたくさんあると思います。伝統的な良さもありますが、技術が進むにつれ簡素であっさりした仕組みにはなっているものの、品質的には圧倒的に新しい方が良い、ということです。漢方好きの私のことですから、ワインはやっぱりコルクでないと・・・・とは思っていません。私はスクリュートップが好きです。

    さて、医療の話を少し。いよいよインフルエンザの季節となりましたが、インフルエンザの検査キットをご存知と思います。先日は高感度検査器のことを書きましたが、もう一つ検査について書いておきたいと思います。インフルエンザの検査では、綿棒を鼻の奥まで突っ込んでサンプリングするのですが、これが結構痛くて不快です。いろんなメーカーの検査キットがありますが、大塚製薬のインフルエンザの検査キットに付いている綿棒は細くてしなやかでどの検査キットよりも鼻に対する刺激が少ないのです。そこで、値段は少し高いのですが、当クリニックでは今シーズンはこの大塚のキットを採用することにしました。患者さんは自分の家族と思って接する、という当クリニックの理念に従ったまでです。患者さんが自分の家族だと思えば、やはり少しコスト高でも痛くない検査キットを使いたいと思うのは親の心情だからです。

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