むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • スマートウォッチの血圧は正確ではない

    健診で血圧が高いと指摘されて来院される場合、再度当院で測ってもやっぱり高い事がほとんどです。しかし、当院ではその時点で血圧を下げる処方をすぐに出すことはめったにありません。なぜなら、病院で測るときだけ緊張して高いという人が多いからです。そういう人は、血圧が上がりやすいという点では疑問はないのですが、一日ずっと高いかどうかはわからないのです。したがって、患者さんには家庭で朝から自分一人でそっと静かに血圧を測ることをおすすめしています。それが平常の血圧だからです。

    病院の血圧だけを見て慌てて血圧を下げると、病院で丁度良い血圧=家庭では低すぎ、という可能性があります。すると、だるくなったり、立ちくらみしたり、高齢者だと動脈硬化した脳に十分な血流が行き届かず脳梗塞を起こすかもしれません。そこで、血圧を下げすぎないことも必要と考えます。血圧を測るたびに違う数字が出ると言われる人がいますが、それは当たり前です。血管の中に圧センサーをいれて血圧をグラフに書けば、波型の波形が出ます。血圧は一瞬一瞬で変動するのです。言い換えれば、1拍1拍違う血圧なのです。それを単に平均しているだけです。

    血圧計には手首で測るタイプと上腕で測るタイプがありますが、上腕のほうが正確です。最近はスマートウォッチで血圧が出るものがあります。私も買ってその精度を確かめましたが、ほとんどあてになりません。スマートウォッチの脈拍や酸素飽和度は正確ですが血圧に関しては医療に使えるレベルではありません。たまに、スマートウォッチの血圧データを血圧手帳に書いている方がありますが、それは意味がないと思ってください。将来もっと機器が進化したらいいですね。