むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 夏風邪に葛根湯を単独では使わない

    毎日、昼の炎天下で訪問診療に出かけると、右手(窓際)だけがどんどん日焼けしていきます。
    お風呂に入ると右腕だけヒリヒリ。これはなんとかしなければと思い、ひんやりタオルを濡らして絞り、右腕にぐるぐる巻いて運転してみることにしました。見た目はまるでミイラのようですが、実際にやってみるとこれが本当に快適! 30分ほど運転して目的地に着いたとき、右腕はまったくヒリついておらず、しっかり冷やされていました。

    この冷却タオルは、気化熱を利用して表面温度を下げる仕組みになっています。昨年の猛暑でも大活躍してくれましたが、今年もやはり頼りになります。2枚持っているので、1枚は首、もう1枚は腕に巻いて出かけようとおもいます。


    この暑さの中、風邪をひいて38度近い熱が出ている患者さんを見ると、本当にしんどそうです。
    外気温が高すぎて体温が下がらず、発熱で熱中症のような状態になってしまいます。こういった場合、体を温める漢方薬(葛根湯や麻黄湯など)を単独で使うのは避けます。

    代わりに、清熱作用のある「石膏」入りの処方を選ぶことが多いです。たとえば以下のような処方が挙げられます。

    • 小柴胡湯加桔梗石膏

    • 白虎加人参湯

    • 麻杏甘石湯

    • 越婢加朮湯

    これらは、熱を冷ましながら治療する処方で、発熱時の体の負担を軽減できます。もし、誤って葛根湯を単独で使ってしまうと、体をさらに温めてしまい、かえって苦しくなる場合があります。

    漢方には「証(しょう)」という概念があり、これは患者さんの体質や病態と処方の適合性を示すものです。この証が合わないと、薬が効かないばかりか副作用が出ることもあります。正しい処方を選ぶには、証を見極める力が必要です。


    ところで最近、OTC(市販薬)に関する議論の中で、「市販されている薬は保険適用外にしていくべきだ」という意見が出ています。
    この話題の中で、漢方薬も対象になるのではないかという噂を耳にしました。たしかに、葛根湯などは保険薬とほぼ同じ成分の製品が市販でも手に入ります。

    しかし、前述の通り、証の判断なしに漢方薬を自己判断で使うのは非常に危険です。
    漢方に詳しい薬剤師さんに相談できれば良いのですが、ドクターであっても漢方の勉強はほとんどが独学です。必ずしも皆が一定の水準に達しているとは限りません。
    漢方は西洋医学とは理論体系が全く異なるため、難しい症例や判断に迷うときは、漢方専門医に相談するのが安心だと思います。

    ハヌルオンマのチキン南蛮。チキンはカリッと揚がった韓国風のフライドチキン。通常ヤンニョムとかハニーマスタードをかけるのが定番ですが、南蛮風にタルタルソースでいただく日韓折衷料理でした。