むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 尿酸は15分程度でわかります

    足の指の付け根が腫れて歩けないほど痛む場合、痛風の可能性があります。比較的若い男性に多いので、歩けなくなって仕事を休んで来院されることが多くなります。痛風が疑われると、血液中の尿酸を測定しますが、結果がすぐにわからないと翌日また会社を休んで結果を聞きに来院しないといけなくなります。当院ではそのような不便をおかけしないように、尿酸は採血して15分程度で判定できる体制をとっています。

    尿酸が高い場合、だいたい3つの病態に分かれます。①尿酸の合成が多いパタン②尿酸の排泄が遅いパタン③腎不全で尿酸が体に溜まるパタンの3つです。そこで、高尿酸血症と診断された場合、尿酸を下げる薬を処方するのですが、日本人の場合②のパタンが半数以上であることが知られているので、私の場合はまず尿酸を尿中に排泄させる薬を使います。1−2ヶ月内服してもらったら採血して尿酸の下がり具合をチェックします。予想通り②のパタンであれば尿酸値はよく下がっているのですが、①パタンの人ではあまり下がりません。その場合、処方を①の人向けの処方に変更します。これもすぐに尿酸値がわかるから決定が早いのです。効かない薬をダラダラと何ヶ月も飲んだって仕方ありません。

    日本人は②排泄が遅いパタン、が多いににもかかわらず①合成が多い人向けの処方をもらっている人が多く見受けられます。製薬会社は①の人向けの新薬ばかり出してくるので、そちらの宣伝が多く、そのプロモーションが処方に影響している可能性があります。本来なら尿中の尿酸も測定して理論的に尿酸排泄率を計算すればいいのですが、時間とお金が無駄にかかるので、私の場合は投薬後にパタン分けをしているというわけです。