むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 糖尿病の新しい治療

    熊本地震の後で糖尿病が悪化したという人がたくさんいます。原因はいくつもあります。

    第1に通院が途絶えてしまった人。当然薬をやめると悪化します。これまで毎月病院で薬をもらい、採血データを見ていたのに、地震の後からその習慣がストップした方が結構おられます。是非、一度検査を受けてください。データが良くなっていればいいのですが、悪化したまま放置するのは良くありません。

    第2に地震のさいにおにぎりやカップラーメンなどの炭水化物しか食べるものがなく、データが悪化した人。その後何ヶ月かたちますが、未だにその増悪した分を取り戻せないことがあります。また、余震を気にして、食べられるうちにたくさん食べる食行動が悪化の原因になっていることがあります。

    第3に運動の習慣が途絶えた人。特に、夜間ウォーキングなどの習慣があった人で、震災時のトラウマで暗い夜道を歩くのが怖くなったり、自宅が被災して運動どころではなくなった人など様々です。

    理由はいろいろ考えられますが、糖尿が悪化している人は結構たくさんいます。

    一方、糖尿病治療薬はこの数年著しい進歩を見せています。今までインスリンを使わないといけなかったレベルの糖尿病も、ある程度までは内服薬だけでコントロールできる時代になっています。もし、自分の糖尿病薬が5年以上前から変わっていないようなら、新しい治療法があります。かなり少ない錠数で今まで以上に血糖をコントロールできます。複雑なインスリン注射(例えば1日4回注射)なども、新しい内服薬を併用することで1日1回のインスリン注射で済む場合があります。