むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 60歳からの人間関係は

    明日から春分の日。 今日は朝から夕方まで、途切れることなく患者様が来院される忙しい一日となりました。定期のお薬の調整に加え、この寒暖差や花粉の影響で体調を崩されたというご相談も目立ちます。

    医学的に見ても、春特有の症状には顕著な傾向があります。 一つは自律神経の乱れによる、めまいや動悸、急な血圧上昇。 そしてもう一つ、特にご高齢の方に多く見られるのが「精神的な興奮状態」です。急に不穏になったり、夜眠れずに騒いでしまったり……。こうした認知症の周辺症状が強まる様子を拝見すると、今年も「春が来たな」と感じます。

    60歳からの「人間関係」を考える

    さて、この連休中に読み進めようと思っているのが、和田秀樹先生の著書『60歳で離れる人、60歳からつきあう人』です。

    私の同級生たちもいよいよ定年を迎える年齢になり、その後の身の振り方に悩む声が聞こえてくるようになりました。私は幸い、健康な限り続けられる仕事をしておりますが、多くの方はそうもいきません。

    「定年後は旅行やゴルフを」と夢描いていても、現実は収入の変化や健康状態、そして何より「やることがない」という虚脱感に直面するケースも多いようです。

    「元・肩書き」で生きる寂しさ

    この本の中で和田先生が鋭く指摘されているのは、現役時代の「役職」や「権威」に依存してきた人の危うさです。 定年後も「元○○」という名刺を持ち歩き、過去の栄光にしがみついてしまう……。しかし、役職を離れたあとに残るのが「空っぽの自分」では、あまりにも寂しい老後になってしまいます。

    定年とは本来、組織のルールから解き放たれ、自分自身の価値観で生きる「新しい人生のスタート」であるはずです。

    慕われていたはずの自分、その「その後」

    職場の同僚や部下との付き合いは、退職すれば驚くほど自然に薄れていくものです。現役時代にどれほど慕われていたとしても、それは「その立場」に向けられたものだったのかもしれません。

    そんな時、損得抜きで気兼ねなく話せる友人が数人でもいれば、人生の豊かさは大きく変わります。 「どのような人間関係を育てていくか」を、現役のうちから——それこそ断捨離と同じように、整理し、選び取っていく必要があるのではないでしょうか。