むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 睡眠時無呼吸が内服で治せる時代が来るかも

    日曜日も雪は降らず、暖かい日差しが差し込む良い休日となりました。気温こそ低かったものの、布団を干したり、ベランダにポータブルソーラーパネルを並べたりと、太陽の恵みをたっぷりいただいた一日でした。

    昨日も書きましたが、この一週間、訪問診療の患者さんの容態が芳しくなく、いつ呼ばれてもおかしくない状態が続いています。せっかくの日曜に遠出ができないのは残念ですが、かといって家でじっと待機していては一週間の疲れが取れません。そこで、思い切って往診バッグを車に積み、街へ出かけることにしました。これさえあれば、どこにいてもそのまま現場へ駆けつけられます。

    おかげで、もみほぐしで体をケアしたり、美味しいご飯を食べたり、温泉に入ったりと、週末のルーティンを一通りこなすことができました。心身ともに充電完了です。来週もまたバリバリ働けそうです!

    さて、ネットで興味深い記事を見つけました。「睡眠時無呼吸を治す飲み薬」が発見されたというニュースです。 米・ハーバード大学のグループが、既存の2つの薬を組み合わせて被験者に投与したところ、無呼吸の発生を抑えられたとのこと。現在、睡眠時無呼吸症候群は根本的な「完治」が難しく、患者さんは「CPAP(シーパップ)」という補助呼吸器を寝る際に装着して、気道が塞がらないようにするのが一般的です。旅行の際にも持参しなければならず、負担に感じる方も少なくありません。

    以前は「お相撲さんのように体格の良い人がなる病気」というイメージがありましたが、最近は顎の骨格が小さい方が増えており、痩せていても寝る時に舌の付け根(舌根)が沈下して、呼吸が止まってしまうケースが多いようです。

    睡眠中の無呼吸は、心臓や脳への低酸素状態を招き、体に大きな悪影響を及ぼします。熟睡できないため、日中に激しい睡魔に襲われるのが特徴です。運転を仕事にされている方などは、事故のリスクを避けるためにもCPAP治療は必須。もしこれが内服治療で済むようになれば、まさに朗報です。 そこまで重症ではなくても、「いびきがひどくて配偶者に迷惑をかけている」といった悩みも、薬で解決できる日が来るかもしれません。

    この治療薬はこれから臨床治験を行い、有効性を証明していく段階のため、実際に市場に出るまでには順調にいっても1〜2年はかかるようです。期待して待ちたいと思います。

    なんとなく123が並んだので記念撮影

  • ZOOMとAIに助けられた一日

    忙しい土曜の診療のあと、予定では福岡に行って「痛みと漢方を学ぶ会」という勉強会に参加するつもりでした。万全の準備をしていたのですが、訪問診療で診ている患者さんの容態が悪化し、いつ呼ばれるかわからない状態となったため、参加できなくなりました。仕方がないので、自宅からWEB参加することにしました。

    時間になりパソコンでZoomにアクセスすると、ほとんど会場にいるのと同じ感覚です。むしろ広い会場でスライドを見るよりも、パソコン画面のほうが小さな文字まできちんと読めるので、かえって勉強になります。自宅なのでコーヒーを飲みながらリラックスして参加できました。

    訪問診療の患者さんは現在80名ほど契約しています。24時間対応ということになっていますが、たいていの場合は老人ホームのスタッフさんや訪問看護師さんが一旦確認したうえで連絡が入るため、何でもかんでも直接電話がかかってくるわけではありません。しかし、いよいよ最期が近くなると、私もいつ呼ばれるかわからず、ヒヤヒヤしながら過ごすことになります。当然お酒も飲めず、好きなサウナにも行けず、電話があればすぐに駆けつけられるようにしています。今回はそのような状態が1週間ほど続いており、なかなかゆっくりリラックスすることができません。こうしたことは年に数回ありますが、医師という仕事柄、仕方のないことだと思っています。

    今日は、海外に仕事で行かれる患者さんから、現在服用している薬を持参するにあたり、税関で質問された際に提示するための英文診断書を書いてほしいと依頼がありました。外来が非常に混み合っている最中でしたが、即座に「大丈夫ですよ」とお答えしました。もちろんAIがあるからです。

    書きたい内容を日本語で簡単に下書きし、AIに依頼すれば一瞬で英文になります。あとは体裁を整え、内容に間違いがないことを確認してサインするだけです。以前は英文を考えながら何度も書き直していましたが、今では数分で完成するようになり、本当にありがたい時代になったと感じています。

    パルコ跡のHAB@ 2Fにあるシジャン(市場) 熱々のチゲと冷え冷えの冷麺のセット

  • 効率よい暖房にはサーキュレーターが便利

    正月をずらして息子が帰省してきました。1年ぶりくらいでしょうか。元気にやっているようで何よりです。外食に連れ出そうと思っていたのですが、「家のご飯が食べたい」と言うので、急きょ家庭料理を作りました。久しぶりに実家のご飯が食べたいと言ってくれるのは、親として嬉しいものです。明日は友人の結婚式に出席するそうで、同級生が結婚する年齢になったのだなあと、しみじみ感じました。

    普段は家全体をエアコン1台で暖めていますが、「暖かい」というより「寒くない」程度です。今回は子どもが帰ってきて「実家は寒い」と言われないよう、この数日もう1台のエアコンも稼働させています。そのおかげで家の中は快適でしっかり暖かくなりました。一方、外はかなり冷え込んでいます。空気が乾燥しており、ハーっと息を吐いても白くなりません。これだけ寒いと息が白くなりそうなものですが、少し珍しい現象です。週末にかけて雪になる可能性もあるようです。寒暖差で体調を崩す方も増えていますので、どうぞお気をつけください。

    私は毎朝6時半にはクリニックに入っています。そんなに早く来て何をしているかというと、新聞を読んだり診断書を書いたりしています。ただ、もう一つ大事な仕事があります。それは、エアコンを入れて待合室を温めることです。診療開始までの約2時間を使って、部屋全体をしっかり暖めています。

    そこで役に立つのがサーキュレーターです。床付近にたまった冷たい空気を天井に向けて吹き上げると、天井付近の暖かい空気が自然に下りてきます。これをするだけで、部屋が格段に早く暖まります。扇風機でも代用できるかもしれませんが、ポイントは「床に近い冷たい空気を撹拌する」ことです。ご家庭でも同じ方法が使えますので、ぜひ試してみてください。

    ところで、昨日のNHK「トリセツ」で「しびれ」について特集していましたが、ご覧になりましたか。私は運転中に少し見ただけだったので、帰宅後に続きを見ようとしたらすでに終わっていました。そこでオンデマンド(NHK ONE)で見直しました。手足のしびれや痛みについて、私が日頃患者さんに説明している内容を、とても分かりやすく整理して解説していました。しばらくはネットで視聴できるようですので、興味のある方は早めにご覧ください。

    📺 NHK「トリセツ」しびれ特集(見逃し配信)
    手足のしびれや痛みについて、とても分かりやすく解説されています。
    ご興味のある方は、こちらからご覧ください。

    ▶ NHK公式ページ
    https://www.nhk.jp/g/ts/J6MX7VP885/blog/bl/pyDjZr09jz/bp/pBpvxGJ8vD/

    久木野

  • 冷え症を治す

    日中は晴れて気持ちのよい天気でしたが、気温は予報通り4度までしか上がりませんでした。暖房の効いた部屋で日光浴をすると心地よいのですが、外に出てみると思いのほか寒く感じました。往診の際も、車の中は暖かく、降りた瞬間に「寒む~」という感じです。

    老人ホームなどへ訪問すると、夏は冷房も入れず灼熱の部屋でも涼しい顔で過ごされているお年寄りが、冬になるときちんと暖房を入れて快適に過ごされています。やはり暑さよりも寒さのほうが辛いようです。

    冷え性には漢方薬があります。人参や附子といった生薬を用いて体の「陽の気」を補う方法や、「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」という長い名前の処方で、四肢末端の血流を改善し、しもやけを予防する方法などがあります。不思議なことに、西洋薬には冷え性そのものを改善する治療法がなく、これまで誰も本格的に作ろうとしなかったのではないかと思います。

    私の経験では、ダイエット、特に食事制限をしすぎるとエネルギー産生が低下し、体が冷えやすくなります。この時期はマラソン大会などもあり、走り込んでいる方も多いと思いますが、体重が落ちてくると冷えを訴える人が増えます。エネルギーを最も効率よく産生できる栄養素は、脂肪と炭水化物です。

    ランナーはタンパク質中心の食事になりがちですが、その結果、冷え性が悪化したり、風邪をひきやすくなったりします。さらに、炭水化物をエネルギーに変換するためには、ビタミンB1、B2、B3(ナイアシン)、鉄などが必須です。バランスの取れた食事でなければ、効率よく熱や力を生み出すことはできません。

    今日、患者さんから「養命酒を飲み始めたら冷えが改善した」と聞きました。私が子どもの頃、両親が養命酒を飲んでいたのを思い出します。小さなカップに注いで飲んでいました。当時は、どんな生薬が入っているのか全く分かりませんでしたが、気になって先ほどWEBで調べてみると、なかなか理にかなった内容でした。

    子どもの頃にはよく分からなかった薬用酒も、今は漢方を専門にしているため、成分を見るとだいたいの効能が想像できます。なんだか良さそうなので、この冬は試しに飲んでみようと思います。

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  • 健診の再検は必要か?

    明日から冷え込むとの予報が出ていますが、すでにかなり寒くなってきました。北風が冷たく、家の外に出ると身にこたえます。九州では雪の心配は少ないでしょうが、明日の最高気温は4度との予報です。相当な寒さです。体調管理にはくれぐれもご注意ください。

    クリニックでは、寒い日は患者さんの出足が悪く、来院はパラパラとした感じになります。その代わり、昼の少し暖かくなった時間帯に集中する傾向があります。混雑を避けたい方は、寒くても朝早い時間帯のほうが比較的空いているようです。

    先日、勝間和代さんのYouTubeを見ていたところ、寒さ対策には電熱ベストが良いと言っていました。私も2年前に電熱ベストを購入して使っていましたが、今年はあまり寒い日が続かなかったため、出すのを忘れていました。先日から引っ張り出してきて、USBをモバイルバッテリーにつないで着てみると、ぽかぽかと温かいです。極寒のときには、このベストの上からダウンジャケットを羽織ると最強です。ベストで発生した熱をダウンが逃がさないため、非常に暖かく感じます。

    寒さの影響で血圧が上がっている方が増えています。このような患者さんに対して、「寒い時期は血圧が上がりやすいので、一時的に降圧薬を増やしましょう」と提案すると、「それは嫌だ、運動を頑張るから薬は増やしたくない」という方と、それほど高くないのに、「最近血圧が高いから強い薬が欲しい」という方に、極端に分かれます。

    また、良かれと思って薬を増やしても、「120まで下がったらふらついたので、もらった薬は飲みませんでした」と、自己判断で調整される方も少なくありません。そうなると、こちらとしても「あれほど悩んで調整しなくても、様子見でよかったのでは」と思ってしまうことがあります。学会が血圧をやたらと下げる方向でガイドラインを設定していることについては、個人的にはあまり賛同できません。特に高齢者では、ある程度高めでないと全身に十分な血流が行き渡らないように感じます。

    ガイドラインといえば、コレステロール値についても、示された通りに下げる必要があるのか疑問に思うことがあります。心筋梗塞などを一度起こした方では、二次予防として下げる意義がありますが、健診でたまたま高値だったという理由だけで、すぐに下げる必要があるのかは考えものです。ガイドラインから大きく外れることはできませんが、裁量の範囲内で「しばらく様子を見ましょう」として、薬を出さずに経過観察とすることも少なくありません。

    経過観察の最たるものが、健診で見つかる心電図異常です。無症状の心電図異常を拾い上げて再検査や精密検査を行うメリットは、ほとんどないと考えています。健診で再検査となり来院される場合、検査結果を健診センターにフィードバックする必要がありますし、患者さん自身も「異常が見つかった」という通知を受け取り、不安を抱えています。そのため一応再検査を行い、「心配ありませんので様子を見て大丈夫です」と説明しますが、ほとんどの場合、再検査自体が不要だったのではないかと思っています。

    健診は、医療というよりも一種のビジネスであり、診療とは別の世界だと感じることがあります。

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