むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 難病指定医の更新

    難病指定医という資格があります。難病は治療法が確立していない疾患で厚労省が定めたものです。この疾患が確定した際には医療費の補助が出るので手続きが必要となります。その書類を書くには難病指定医という資格が必要となります。私は今のクリニックを開業する前に桜十字病院という大きな病院の内科部長をしていたため、だれか難病指定を持っていないといけないということで資格を取り、維持していました。しかし、開業してから更新の時期が来た際に、日曜日を丸一日潰して講習を受けないといけなかったのと、その日都合が悪かったので、更新しそこなって難病指定医を流してしまいました。そして最近私の訪問先の患者さんから更新の書類を書いてほしいと頼まれました。資格を流してしまったのをうっかり忘れていて、書類をつくって送ったところ、市役所から連絡があり、指定医が更新されていないとわかりました。

    そこで、市役所の方からは、一日あげるから資格を取れと言われました。なんと、コロナ以前は講習会にでないといけなかったのが、今はオンライン受講してそのまま更新手続きができるらしいのです。そこで、受講申込をしたのですが、いつまでたってもパスワードが送ってこない。これは今日は無理だ、と思ったら夜11時頃になり、メールを発見しました。私には毎日100以上のメールが来るので、つまらないメールの中に紛れていました。これこれ!と思ったら、そこにパスワードはなく、医師免許番号とかいろんなことを記入する欄があり、それを送ればオンライン受講できる仕組み。さて、医師免許はどこだ!クリニックにおいていたかも。と家中の押し入れなどを探しまくって汗だくになりました。夜遅くで結局見つからなかったのですが、記憶で医師免許番号と発行年月日などを記入してやっと講習にたどり着きました。為せば成る!

    何十枚かのスライドをみて、終わりかと思ったら、なんとテストがありました。満点でないと次のステップに進めません。仕事の疲れと眠さで全然頭に入らず、勘で解いたら9点(10点満点)で不合格。何度か受け直してやっと合格しました。ステップ2も受講して試験を受けて、ついに真夜中に修了証をもらいました。間に合った。朝5時に起きて急いでクニックに行き、医師免許の写真撮りPDFにしてオンライン申請完了です。なんとか訪問患者さんの難病指定は途切れずに更新することができたようです。実は今、月初でレセプトを何百枚もみながら、学会案内のはがきを自宅プリンターで1000枚近く印刷しながらの合間を縫って成し遂げました。やった感満載の一日でした。ふー。

    自宅にトマトがなりました!うまそー!

  • AIに聞くのとググるのは大違い 

    1日中雨が降りましたね。土砂降りになったり小雨になったりを繰り返す一日でした。こんな天気では患者さんも少ないかと思いきや、夕方遅くまで大勢来られたのでだいぶ待ち時間がかかってしまいました。皆さんいろいろ用事があるかと思いますが、おまたせしてすいませんでした。コロナなどの発熱患者さんも多く、生活習慣病の方には食事や運動療法についての説明をしてサインをもらわないといけなかったりでどうしても時間がかかってしまいます。今月いっぱいくらいで落ち着いてくると思いますので、今しばらくご容赦ください。

    先週からGoogleの生成AI Geminiも使っていろいろと試しに検索したり司令を出したりしてみていました。私の場合、診療にどう役立てようかと思って使い方を研究しているので、外来で湧いた疑問をGoogle検索ではなくAIに聞いてみるということをやってみていました。そこで調べて、なるほどそうか、と思ったことがいくつかあって、勉強になるなーと思っていたら、ちょうど今日の外来でその疾患に遭遇しました。たまたま事前にAIで勉強していたので、すぐに診断もついてラッキーでした。手短なAIにはオープンAIのチャットGPT, マイクロソフトのCopilot, GoogleのGeminiがあります。それぞれ使い比べてみると、回答は似ているものの違いがあります。チャットGPTとCopilotは同じ頭脳を使っているのに答えが違います。私の感想ではCopilotが一番使えます。参考文献のリンクも出てくるのでさらに深く調べるのに便利。Geminiは内容に間違いが結構あったので、仕事で使うにはちょっと怖い。遊びや私用なら問題ありません。AIに聞くのとググるのとたいして違いがないと思うあなた、それは間違いです。ググるときは検索ワードを入れてヒットしたサイトを一つ一つみていかないといけませんが、AIに質問するとわずか数秒でとんでもない数のWebサイトを読んできてその中から最も良さそうなところだけをサマライズしてくれるのです。したがって、ググって得られる知識の10倍以上の効率です。

    私たち卒後30年のベテランでも知らないことや忘れてしまったことがいろいろあります。そんな時、昔なら夜な夜な医学書を読んで勉強して知識をアップデートしたことだと思います。しかし、今の私たちに必要なのは検索能力です。私の場合、診察の合間のわずかな時間で診断に必要な知識、検査データの解釈、治療法などについて必要に応じて調べます。上手な検索に必要なのは適切なキーワードです。あとは検索でヒットしたサイトから最も有用なものを見つけ出す能力です。しかしこれからは、AIに検索してまとめてもらう時代です。そこで大事なのはまずAIになれること。そして、AIのクセを知ること。そして、AIにやってほしいことをきちんとプロンプト(司令文)に書く脳力。この練習をした人としていない人では仕事効率が10倍以上違って来ると思います。

     

  • Googleの生成AI Geminiを使ってみた

    土曜日はいつも混み合うのですが、今日は雨も小雨だったのと、このところのコロナ患者さんの急増で相当混み合いました。コロナ患者さんが増えると、時間差でコロナ後遺症の患者さんが来院されます。味覚、嗅覚障害、咳が止まらない、倦怠感が半端ない、頭がボーとするなどが多いですが、その他様々な訴えで来院されます。昨日も書いたように、難しい症例でも漢方的に陰陽虚実の把握が正確にできれば処方は何パタンか思いつきます。あとはそれを使ってみて治るかどうかです。来院される患者さんにとっては全く説明不可能な謎の病気みたいに思うかもしれませんが、私にしてみれば、毎日何十人とそんな謎みたいな患者さんを診察しているので、前にも似た症例というのが出てきます。その時の治療経験をもとに考えると、患者さんがこんな症状ですと言っているうちからもうすでに治療法は決まってくるので、ものの数分で「じゃ、薬出しておきます」というところまできてしまいます。あまり早すぎると、あっけにとられるでしょうから、一応診察しますけど、その時点ですでに処方はだいたい決まっています。

    さて、このところAIのサービスがどんどん展開されてきて、私たちの身近になってきました。チャットGPTはGPT-4oが使えるようになり、素晴らしい性能を発揮してくれます。マイクロソフトのCopilotを使うとさらに簡単に使えます。そしてこのたびGoogleからもGeminiという生成AIが発表になり、スマホやパソコンで使えるようになりました。試しに「Geminiについてブログで紹介したいのでサマリーを書いて」とGeminiに聞いたら、なんと「いすゞ・ジェミニ」についての解説を書いてくれました。Googleはボケをかます能力があるようです(笑)。今日はいろいろGeminiで遊んでみたのですが、大抵のことはチャットGPTと似たような返答をしてきます。ただ、日本語で聞いて英語で返事をしてきたのが数回ありました。チャットですから、日本語で答えて、といれると、すぐに翻訳してくれます。また画像などもそのまま扱えるのがチャットGPTより便利です。

    今日は診療が昼の1時半までかかり、昼ご飯を食べる暇もなくビスケットを2つポケットに入れてかじりながらヘルスケアセンターへ向かい、そのまま心臓健診に入りました。健診も100名ほどの来院で、5名のドクターで20人ずつみました。こちらも夕方6時半までかかり、とんでもなく忙しい一日でした。くたくたになったので今日はジムは休んで温泉でゆっくりリフレッシュすることにしました。

  • 葛根湯について

    今朝新聞を見ていたら植木にある寺尾病院の寺尾敏子先生の訃報が載っていました。私は大学院の頃から留学するまで6年ぐらい寺尾病院で夜勤をしていました。平日週1回と土日でほとんど住み込みみたいな生活でした。寺尾病院は植木町の中核となる救急病院で、高速道路の交通事故とか、ヤクザさんが指を詰めたのでなんとかしてくれとか、マムシに噛まれたとか、とんでもない重症の急患がしょっちゅう来ていました。私の救急対応はほとんどこの病院で学びました。留学先で救急医学と集中治療の分野を研究したきっかけとなったのも寺尾病院での経験からでした。そして、寺尾敏子先生は私の両親より高齢ですが、手取り足取りいろんなことを優しく教えてくれました。特に、敏子先生は耳鼻科だったので、耳の見方などを教えていただきました。今私が診察の時耳鏡で耳を覗くのはこのときの経験からです。敏子先生には本当に感謝です。御冥福をお祈りします。

    今度、市役所が桜町に移転するとニュースになっていました。先日、桜町ってむかし何があったっけ、という話題で若い人と話していて、あそこは交通センターと岩田屋だったでしょ、その向かいの広場に産文(産業文化会館)があったよね、とはなしていたら、全く通じませんでした。異国の話をしているかのような・・。あそうだ、岩田屋のあとは県民デパートという名前だったっけ、というと、あーなんか聞き覚えある、とのこと。私の記憶では県民デパートで買い物したことないし、思い出といえば、岩田屋の前の岩田屋伊勢丹だった頃。緑と赤と黄色っぽいチェック柄の紙袋が懐かしい。

    覚えていますか>https://precious.jp/articles/-/3898

    さて、昨日夏風邪に葛根湯はあまり使わないと書きましたが、飲んで調子がいい人はやめる必要はありません。体質にあっている場合、副作用はあまり心配ないので続けてもらっていいと思います。葛根湯は感染性胃腸炎にも効果的なので、当院では胃腸炎で熱が出てきつそうなら葛根湯に黄連解毒湯を合わせて使っています。熱のない単なる吐き気と下痢なら黄連解毒湯だけで効果的です。今の季節、結構胃腸炎が見られますので、対処法を知っておくと役に立つと思います。

  • ベースアップ加算に頼らず自力で頑張る

    この6月診療報酬改定があり、今回は循環器内科や糖尿病内科などを狙い撃ちにした厳しい改定でした。何も対策しないととんでもない減収になり、病院機能を維持するのも難しいレベルでした。私の恩師の一人で開業されている先生も、今月閉院されました。クリニック経営には大変な時代になりました。今回は循環器など生活習慣病を見ている私たちが痛い目に会いましたが、おそらく次回は消化器とか、呼吸器とか、次々と分野を広げて来ると思います。これもすべて、高齢化に伴う医療費の増大が原因ですが、そもそも国民の平均年齢が上がり、団塊の世代がみな後期高齢者になって医療費が上がるのは最初からわかっていること。必要な医療費は必要なのだから、削減してクリニックの経営もままならない状態にするのはどうかと思います。

    問題はクリニックだけでなく、医薬品メーカーも相当なダメージです。毎回薬価改定でどんどん値下げされたため、ジェネリック医薬品などは作れど作れど安すぎて会社の設備投資もできない。バカバカしくなって作るのをやめたところが山程あります。咳止めも、ビタミン剤も何もかも入手困難です。原材料は値上がりしているので、作れば損をする。一方、新しいバイオ製剤や抗がん剤などはびっくりするほど値段が高い。製薬会社もそちらの分野にだけ勢力をかたむけています。これだと、一錠10円の薬を9円に値下げしても、バイオ製剤1回で何十万という値段がするので、医療費全体としては安くなりようがありません。

    さて、その改定後最初の月が今週で終わろうとしています。当院はスタッフみんなでいろんな対応を考えて努力してくれたおかげで、減収を免れ、前年同月と同等の実績で推移しています。ホッとしています。国はスタッフの給料を上げるためベースアップ加算を申請したら、初診料や再診料を上乗せできる仕組みを作っていますが、当院はそんな加算で患者さんから何百円か余計にいただくのも申し訳ないので申請していません。自力で精一杯働いて、その分でベースアップするつもりです。