むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 鍼の勉強会

    愛媛県から薬剤師兼鍼灸師さんが熊本に来ました。そこで、同僚の肩こりや腰痛をみんな集まって「私ならこうして治す」という実践勉強会をしました。

    集まったのは、その薬剤師兼鍼灸師さん、漢方を得意とする薬剤師さん、漢方を得意とする精神科ドクター、理学療法士(リハビリ)、そして私(漢方と鍼を実践する)。それぞれが、同じ患者さんを診察して、鍼治療の方法(どのツボに治療するかなど)をディスカッションしたり、リハビリからはストレッチ体操の方法を伝授。私は、鍼に整体の理論を組み合わせたハイブリッド東洋医学を披露しました。

    お互いプロとして、治療実績があるものの、同業者が同じ患者さんに対してどんな治療をするかなんて、めったに見る機会はありません。お互い良い刺激になり、とても勉強になりました。このような他職種カンファレンスは、ありそうでなかなかありません。特に、整形外科にかかっても治らなかったような症例が漢方や鍼に来ることが多いので、東洋医学で治せた時の喜びは大きいです。そして、医師、薬剤師、鍼灸師など職種の垣根を超えて同じような患者さんを治療するプロとしてお互いのことを尊重し、学び合う姿勢が素晴らしい。今後も貪欲にこのような勉強会を開いて、切磋琢磨したいと思います。

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  • 訪問診療は楽しい

    前に書きましたが、訪問診療(在宅医療)の実際について勉強するため、Wクリニックにお邪魔しました。朝から訪問診療のチームに同行させていただきました。行き先は熊本市の北区から南区まで広い範囲で、午前中で5軒の老人ホームを訪問し、入居者の方の定期巡回です。

    今までに中に入ってみたことのある老人ホームは数えるくらいしかありませんでしたが、今日一日で5箇所も巡ると、それぞれのいいところ、悪いところがわかってきます。それは、玄関から一歩入っただけで、その施設の雰囲気が伝わってくるのです。木をたくさん使った建物や、ホテルのような建物など、ハード面での好みもあるかもしれませんが、そういうところは大した問題ではありません。部屋の広さなどはどこも大差ありません。大きく違うのはスタッフの雰囲気です。

    もしご家族が老人ホームに入居される場合は、たくさん見学してみてください。決して建物や広告に騙されないように。日中のレクレーションの様子や、食事の内容、トイレ介助などの雰囲気を確かめてみてください。そして、入居者さんの笑顔が確認できれば間違いないでしょう。

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    それにしても、老人ホームでお年寄りが楽しそうに笑顔で過ごしているのはなかなか現実には見ません。それはCMの世界だけです。何かが間違っていると、ずっと思っていました。例えば、デイケアでみんなが歌っている歌が聞こえてきますが、ほとんどが「ふるさと」などの童謡です。でも、今のお年寄りの好きな歌は、五木ひろしや山口百恵です。ピンクレディーも盛り上がります。デイケアの若いスタッフが想像するお年寄りのイメージが古すぎるのだと思います。あと数年したら、デイケアでは松田聖子の時代になると思います。時代を読み間違っているから、お年寄りの笑顔が少ないのでは?と思いますよ。

  • 介護保険主治医意見書

    介護保険を使ったサービス(デイケアや通所リハビリ、訪問看護、訪問診療、老人ホームの入居など)を受けるにはまず介護保険の申請が必要です。介護保険の申請には主治医意見書という書類を医療機関で書いてもらわなくてはいけません。そのためには、自分の生活のことをよく理解してくれている主治医が必要です。主治医意見書に現状の困っている点、不自由している点などをきちんと書き込んでもらうことで適切な要介護度の判定を受けられます。一見元気そうにしていても、時間によってひどい認知症症状がある場合や、パーキンソン病のように手足が震える症状が実は認知症だった、など、きちんとした情報提供なしには正しく評価を受けられません。要介護認定が低くなると、受けられるサービスも少なくなります。日頃から信頼できる主治医とコミニュケーションを密にとっておくことをお勧めします。

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    大病院や救急病院にしかかかっていない場合、主治医意見書をなかなか書いてもらえなくて困るケースが見受けられます。当院にかかりつけの患者さんには、日常生活でお困りのことを丁寧にヒアリングし、それをもとに主治医意見書を作成します。介護の必要な高齢者を家族だけで抱え込まず、社会全体で支えられるように、介護保険のサービスを利用しましょう。私たちはそのお手伝いをいたします。

  • 統合医療

    統合医療という分野がある。名前の通り、いろんなジャンルの医学を統合したものだ。西洋医学で足りない部分を補う。漢方、ハリ、整体、ヨガ、アロマ、リラクゼーション、その他いろいろな健康関連の専門家が集まった学会だ。土曜日には熊本で統合医療学会が開催された。僕はこの学会の世話人で、学会では特別公演の座長を頼まれた。

    その学会で聞いた面白い話をひとつ披露したい。

    ご存知の通り、北海道の夕張市は財政破綻して厳しい環境にある。夕張の医療体制も崩壊したと言っても過言ではない。住民は超高齢化しており、普通だったらみんな病院通いが仕事のような人たちばかりだけど、病院そのものがほとんど消滅してしまい、よほどのことがないと病院に行くことはない。救急車を呼んでもなかなか来ないし、救急患者は60キロくらい離れた札幌まで搬送されるらしい。そんな中、夕張市民の健康状態を調査した結果が発表された。なんと、驚いたことにガンや肺炎で亡くなる患者さんの数は人口当たり、日本全体の統計とほとんど変わっていないとのこと。つまり、医療体制が崩壊しても、夕張市民の寿命は短くなっていないそうだ。驚きとともに、感動すら覚えた。(詳しくは森田洋之先生の著書:破綻からの軌跡〜いま夕張市民から学ぶこと〜を見てください)

    日本の(医療)財政は近い将来必ず破綻する。夕張で起こったことが、日本全体で起こる。その時、日本はどうなるんだろうと思っていたが、心配ないようだ。では、夕張ではなぜなんとかなったのだろうか?

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    それは、お年寄りを地域全体で支え合う。認知症が進んだ高齢者で、普通なら入院して寝たきりになるような人でも、地域のみんながそれを見て、声をかけ、助け合うことで一人暮らしが可能。点滴をしないで口から食べることで、認知症も改善し、歩けるようになる。そして、年取って病気になった時に入院、検査、点滴、ベッド上安静という本人は望んでいない治療を甘んじて受けることなく、自宅に帰る。そこには在宅診療、訪問看護という病院を使わず生活の中での医療サービスを受ける仕組みを充実させる。また、肺炎球菌ワクチンなど予防できる病気の予防はきっちり行う。

    厚労省は日本全体の病床数を削減し、在宅医療に舵を切るよう仕向けている。これは、無駄にお金をかけない医療体制作りというだけでなく、最後まで住み慣れた地域や自宅で幸せに過ごす時間を大切にする、という意味で、決して悪いことではない。ただ、これまで病院任せにしていたところを他人任せにしないという覚悟が必要となる。

  • 調剤薬局

    最近のクリニックや病院はどこも院外薬局になっています。医院・病院では処方箋をもらい、それを持って院外の調剤薬局に行って薬と交換します。この仕組みには以前から役所的な規制があり、クリニック門前の薬局であっても独立した薬局であるから、クリニックとの境はきちんと塀や生垣を作って、薬局に入るには一旦道路に出ないといけませんでした。これは、役所が考える医薬分業の健全な姿かもしれませんが、患者さんにとってはなんのメリットもありません。医院・病院の隣にある薬局に行くためにぐるっと一旦道に出てからでないといけないなんて、不便でしかないですよね。

    この制度が、この4月から改正され、院外調剤薬局との間に塀を作らなくて良くなりました。当院でも隣の敷地に調剤薬局が今建築中で、クリニックに合わせてオープンする予定です。その薬局と当クリニックとの間には仕切りはありません。患者さんは道に出なくてもクリニックの玄関から薬局の玄関へ最短距離で歩いていけます。新しいスタイルですが、患者さんのことを思えば当然です。制度の改正が当院オープンに間に合い、本当に良かったです。

    今日は薬局の先生と今後のことについて打ち合わせをしました。

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    向かって右側のまだ足場に隠れている部分が調剤薬局です。来週くらいには足場が取れて、姿を表すと思います。当クリニックの車寄せの大屋根をまっすぐ通り抜ければ、ほとんど雨に濡れたりせずに薬局に入れます。駐車場はクリニックと薬局は共有となっていますので、車の移動は必要ありません。