むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • お金は生きている

    年末もいよいよ迫ってきましたね。この週末は、忘年会が多いのではないでしょうか。当院は、たまたま休日当番に当たっており、日曜日はクリニックを開けて内科疾患に対応します。インフルエンザが流行しているこの時期、忙しくなりそうです。

    冬のボーナスを楽しみにしている方も多いと思います。私は経営者として、この10年間、自分のボーナスはゼロです。スタッフへの支払いに追われるばかりで、なかなか大変な時期です。物価が高騰する中で、何でも値上がりしていますが、医療費は国が決めた料金であるため、物価変動に対応しきれない業種です。本来、物価が上がると給料やボーナスも上げるべきですが、それが簡単に実現しないのが悩ましいところです。

    経済というものは、非常に不思議です。お金の量、つまり「いくら持っているか」ではなく、実はそのお金がきちんと循環しているかどうかが重要なのです。お金が使われずに眠っているだけでは、経済は回りません。たとえば、レストランを経営しているAさんが当院にかかって2000円を支払い、別の日に私がAさんのレストランで食事をして2000円を支払う。お互いにお金が行き交うことで、生活が潤い、お腹も満たされます。銀行にお金を預けっぱなしにしても、実際には銀行がそのお金を貸し出して経済を回しているため、循環している側面もありますが、それでも直接的に自分の得たお金を使って、社会を潤すことが大切です。

    ボーナスをもらったら、タンス預金にしてしまわず、世の中に有意義に使うことを考えましょう。お金を生かして使うと、それが巡り巡って自分のところに戻ってきます。

  • 柔軟な経営の大切さ

    昨日、熊日で「TSMCの第2工場建設が止まっているが大丈夫か」という記事が載っていました。すると、今日の日経には「TSMC熊本でAI半導体」という記事がトップになっており、驚きました。熊日が懸念していた工場建設の遅れは、実はTSMCの計画変更によるもので、4ナノチップ(AI向けの先端品)の工場を建設するようです。地元の新聞が全国紙に出し抜かれた形となりました。もともとは電気自動車用のチップを生産する予定だったが、電気自動車の販売不振を受けてAI用にシフトしたという背景があるようです。結果的には、工場が完成する前に計画変更が行われたのは良かったですね。

    このように、途中まで進めた仕事や計画を変更することは、非常に勇気がいることです。多くの人は、ある程度時間やお金をかけてしまった仕事を途中で投げ出し、振り出しに戻すのはとても難しいと感じます。「もう決まったことだから」と後ろを振り向かずに突き進む方が、実際にはストレスが少ないこともあります。しかし、企業の経営となると、何百億ものお金が動くため、その判断が生きるか死ぬかを決めることになります。そんな中で、柔軟に計画を変更できる姿勢が重要だということを、このTSMCの例は教えてくれます。

    私たちが経営している医療現場では、そこまでドラスティックな変化は少ないかもしれませんが、診療報酬が頻繁に方向転換する中では、それに迅速に対応しないと置いていかれます。ときには、「新しい方針が今はおいしそうだから」と飛びつくと、後でそれが間違いだったと感じることもあります。厚生労働省はいつも数年後にはしごを外すので、経営上利点と思われた前提が崩れた時、急に取り組んでいた仕事を中止しなければならないこともあります。だからこそ、国の方針には逆らわず、しかしのめり込みすぎずに自分の得意分野を守り続ける経営が非常に重要であり、難しいものだと感じます。

    最近、閉院する病院が増えてきており、特にデジタル化(DX)への適応ができなかった高齢の先生がその犠牲となっていることに痛感しています。大きな社会の変化に乗り遅れた結果、撤退を余儀なくされたケースも少なくありません。逆風を受けた時に柔軟に方針を変更し、生き残る力が求められている時代だと感じています。

    OLD SOULにて 巨大スピーカーからはクリスマスミュージック

  • 4毒抜き

    本屋を定期巡回していて「4毒抜き」という本があったので購入しました。「4毒」のうち2つは想像がつきやすく、「甘い物」と「油もの」です。これらは食べすぎれば体に良くないので、控える努力が必要でしょう。

    残りの2つは意外かもしれませんが、「小麦製品」と「乳製品」です。小麦はグルテンというタンパク質を含んでおり腸への負担が大きく、アレルギーを誘発しやすいと言われます。パン、パスタ、菓子類などは要注意です。乳製品はカゼインというタンパクが問題とされ、それ以外にも乳糖不耐の体質では牛乳を飲むと下痢が出ることもあります。牛乳だけでなくヨーグルトも良くないとされています。牛乳が骨を丈夫にするというのも真偽の程は定かではありません

    もちろん、本に書いてあることをすべて実践するのは現実的ではありません。しかし、4毒を減らしてみて体調が良くなるのであれば、その食材は自分の体に合わないと判断して良いでしょう。たとえば「ヨーグルトにシリアルとはちみつ」の朝食は、乳製品・小麦製品・甘い物の“三毒”なので、おすすめできません。

    こう考えると、ご飯、味噌汁、焼き魚、納豆といった伝統的な和食が体に良いことにも納得がいきます。

    さて、話は変わって、先日で年内頼まれていた私の漢方の講演は一通り終わりました。しかし、年明けにすぐ2つ講演を頼まれています。そのひとつは九州全体のセミナーを熊本で開催し、WEBとリアルのハイブリッド形式で予定されています。正月が開けにはスライド提出の締切となるため、診療の合間に構成を考えています。

    ちょうど今は、朝から晩まで発熱患者さんが次々と来院され、休む暇もないほど忙しい状況です。発表内容を考えるにしても、隙間時間の1~2分しかありません。しかし、1分でも一日積み重なれば15分や20分にはなるだろうと期待して、電子カルテの横にスライド原稿を開いておき、思いついたことを書き込んでいます。

    ここでとても頼りになるのがチャットGPTです。従来は、うろ覚えの内容を文献検索したり資料を読み込んだりしながらスライドを作っていました。しかし今はAIに質問すると、不足している知識を瞬時に補足してくれます。そのお陰で、講演資料の作成が随分と短縮されます。いま4分の1程度できたところですが、なんとか間に合いそうです。

  • アルピニスト

    私の毎日飲むサプリの中に、一つだけ変わったものがあります。以前もブログに書いたことがありますが、ニナファーム(フランスのサプリ・化粧品メーカー)の抗酸化サプリ「オキシリア」です。これはビタミンCなどとは異なる種類の抗酸化作用を持ち、オリーブ葉や黒インゲンなどから抽出した抗酸化物質をもとに製品化してあるそうです。

    ニナファームは他にも様々なサプリを出しています。その中でも興味深いのが、フランス・アルプスの山頂に研究所を構え、登山帰りの人たちが抱える筋肉痛・関節痛などの不調を改善する目的で開発されたドリンク「アルピニスト」です。医薬品ではないため効能の表示はできませんが、その開発背景から「いざというときに良いらしい」と噂を聞き、私も1箱常備していました。

    先週はレセプトチェックや漢方講演の準備でデスクワークが多く、多忙を極めました。さらにインフルエンザ急増で日中も嵐のような忙しさ。おそらくそのせいで日曜には腰痛が出てきました。ストレッチに行って一旦軽くなった気はしたものの、完全には治りません。自宅でストレッチポールやマッサージ機を使っても改善せず。

    そこで月曜、職場に着いてすぐにアルピニストを1本飲みました。その日は大きな変化はなかったのですが、火曜も朝1本飲んだところ、今日(水曜)にはすっかり痛みがなくなり、自分でも驚きました。サプリがこんなに効くことがあるのかと感心したほどです。さっそくチョコザップでランニングも再開しました。

    注)商品を推奨するものではなく、個人的な感想です。

  • 認知症の将来展望

    最近、クリニックを受診された方はご存じかもしれませんが、私はこのところ毎週末ずっと予定が詰まっており、髪の毛がボサボサのままで、なかなか切りに行く暇がありません。今度の週末は休日当番医なので、最短でも2週間後の週末しか床屋に行けません。平日、休まず診療をしていると、こうしたちょっとした時間のやりくりが難しく、大変な面もあります。誰かに頼める用事ならまだしも、さすがに自分の散髪を頼むわけにもいきません(笑)。

    さて、今日は診療後に認知症の勉強会があったので参加しました。驚くほど多くの参加者が集まっていたので、何事かと思ったら、大学の精神科に新しい教授が10月から赴任され、その初講演だったようです。専門の先生たちは、どんな教授が来たのか楽しみにしていたようで、現地参加されていた方々も多かったです。私は精神科の専門家ではないのですが、認知症の話を聞きたくて参加しました。運よくその初講演を聞くことができました。

    最近、認知症に関する話題では、アミロイドベータに対する抗体治療ができるようになったことが注目されています。この治療は非常に高価で、治療ができる施設も限られています。しかし、今日の講演では、認知症は症状が現れた時点で、もうおしまいだと聞きました。症状が出る前、すなわち20代、30代からすでに勝負が始まっているということです。遺伝的な要因と生活習慣が合わさった結果として、何十年もかけて進行します。高齢になり、認知症と診断された時には、もう後戻りできないレベルに進んでいるというのが現実です。

    当院でも、高齢の患者さんから「最近物忘れが気になる」「ボケたのではないか」と相談を受けることがありますが、実際には治療するにはすでに遅すぎるみたいです。現在、できることは観察される症状をいかに軽くし、進行を食い止めるかが主な目標となりますが、認知機能を元に戻すことは非常に難しいです。現在使われている認知症治療薬も、さほど大きな効果が期待できるわけではありません。

    今後の展望として、最近アメリカでは血液検査で認知症のマーカーを測定できるようになりました。この検査は認知症の進行度合いときれいに相関しており、まだ症状が出ていない段階でも認知機能の低下を証明できるようになっています。また、生活習慣を改善することで進行を食い止められたかどうかもわかるようになります。現在、日本ではこの検査は保険適用外ですが、将来的には実施できるようになると考えています。

    とにかく、今私たちができることは、若いうちから血圧や血糖をきちんと管理すること、適度に運動すること、そして社会的に孤立しないようにすることだと思います。

    クリスマスマーケット サクラマチ前