むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • アンチエイジングの取り組み方

    土曜日は各地で小学校の運動会が予定されていたようですが、あいにくの雨で中止になったところも多かったようです。私たちが予定していた予防医療セミナーは、おかげさまで無事に終了しました。その件につきましては、また後日あらためて書きたいと思います。足元の悪い中ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

    私はというと、土曜の昼間は通常通りの診療、午後は夕方まで医師会ヘルスケアセンターでの学校心臓健診でした。それが終わるやいなや、急いでセミナー会場に駆けつけるという、まさに時間との闘いの一日でした。明日の日曜日も、地域医療センターで出動協力医として内科の急患対応に当たる予定です。というわけで、この週末はまったく休む暇もありません。

    今回のセミナーでは、「アンチエイジングの取り組み方」をテーマにお話ししました。いつまでも若々しく元気で過ごすためには、当然ながら老化現象を少しでも食い止めることが大切です。そのためのキーワードが、「酸化」と「糖化」の防止です。

    体にはもともと酸化を防ぐ仕組みが備わっていますが、加齢とともにその力は衰えていきます。だからこそ老化が進むのです。植物も紫外線などのストレスにさらされることで酸化してしまうため、抗酸化の仕組みを持っています。私たちは、そうした抗酸化力の強い植物から抗酸化物質をいただくのが理にかなっています。

    たとえば、紫芋・紫大根・ブルーベリーなどに含まれる紫の色素、イクラやサーモンに含まれるオレンジ色の色素、さらに緑茶・ローズマリー・オリーブのような緑の色素などが代表的です。成分としては、アントシアニン、カテキン、アスタキサンチンなどが知られており、いずれも健康に良いとされています。

    日々こうした食材を取り入れた食事を心がけることはもちろん大切ですが、いつでも手に入るとは限りませんし、効果を実感するにはかなりの量を摂る必要があるのが実情です。そう考えると、サプリメントをうまく活用するのも有効な手段だと思います。実際、私自身もビタミン類をはじめ、いくつかの抗酸化物質のサプリメントを継続的に取り入れています。

    美肌は、女性にとって永遠の憧れではないでしょうか。しかし、化粧品などで外側からいろいろ塗っても、その効果には限界があります。そういうときは、内側からしっかりと抗酸化・抗糖化に取り組むことで、肌の若返りが期待できます。

    漢方では、症状への対処を「標治」、原因から治すことを「本治」と呼びます。化粧は標治、アンチエイジングのサプリメントは本治にあたるといえるでしょう。

  • スマホの「通知」設定を吟味しよう

    私は、携帯やiPadなどの設定で、一つだけ気にしていることがあります。それは「通知」機能です。

    アプリを新しく入れると、たいてい「通知機能をオンにしますか?」と聞いてきます。うっかり<OK>を押してしまうと、いろんなアプリから通知音が鳴るようになります。特に多いのは、メールの新着お知らせ音。LINEやFacebookのメッセンジャーなども通知音が鳴ります。天気アプリまで、何かと知らせてきます。

    気がつけば、「なんでこんなに自分のスマホはうるさいんだ」と思うかもしれません。
    それは通知設定をオンにしているからです。

    「設定>通知」と開くと、アプリごとに通知機能を細かく設定できます。
    通知バッジ(アプリアイコンに表示される数字)だけのものから、音が鳴ったり、画面に通知が出たり、スマホを開かずともリストが表示されたり。(ドラマではよくこのリスト表示から浮気がバレて修羅場になるシーンを見ますね(笑))
    アプリごとに「本当にこの通知は必要か?」を一つ一つ吟味して設定するのが大切です。

    なぜ、こんなことをわざわざ書いているかというと――
    クリニックの待合で、さまざまなお知らせ音が鳴り続けている患者さんを、よく見かけるからです。
    もしかすると通知設定の存在を知らない方もいるのかもしれません。

    株の先物取引でもしていれば、緊急のお知らせも必要かもしれませんが、普通の生活では、メールやLINEを一刻を争って確認する必要はまずありません。
    「届いたらすぐ知らせてほしい、じゃないと心配」という人は、ややスマホ中毒の傾向があるかもしれません。
    通知をオフにするだけでも、かなり“デジタルデトックス”になりますよ。


    さて、話は変わって――
    最近、文春オンラインに「アレルギー検査はおすすめできない」という記事が出ていました。

    私も日ごろ、患者さんから
    「アレルギー性鼻炎や蕁麻疹の原因が知りたいので、アレルギー検査はできますか?」
    と聞かれることがあります。

    でも私はいつもこう答えています。
    「アレルギー検査というのはあるけれど、ほとんど当てにならない。『アレルギーあり』と出ても、実際の病態に関係していないこともあるし、その食品を食べてはいけないわけでもない。だから、うちではやっていません」と。

    そんな内容が記事になっていたので、「ああ、自分の考えは間違ってなかった」と確認できて嬉しかったです。
    詳しくは文春オンラインの記事をご覧ください:
    👉 アレルギー検査はおすすめできない

  • 熱中症に注意

    記録的な早い梅雨入りのため、田植えの準備が間に合うか心配されていましたが、クリニック近くの麦畑は一気に小麦色に染まり、収穫も間近のようです。つい先日まで青々としていた麦畑が急に色づいたのは、農家の方のなにか秘策があるのかもしれません。ともかく、麦の収穫が終わらないと田植えの準備に入れません。なんとか麦も収穫できそうなので良かったですね。梅雨入りしてから慌てて準備をするのでは、まさに「泥縄」というものです。

    この数年、米不足が続いているだけに、今年は豊作となり、少しでも解消につながってほしいものです。とはいえ、この不安定な天気の中、田植えまで順調に進むのか、少し心配です。

    しかも今日は、日中の最高気温が30度を超え、夕方7時頃に車に乗った時も外気温はまだ27度。まるで真夏のような一日でした。昨年の、あのとてつもなく暑くつらかった夏を思い出します。
    体がまだ暑さに慣れていないこの時期は、体調管理がとても難しいものです。すでに熱中症が疑われる患者さんも来院しています。エアコンを上手に使い、無理せず過ごしましょう。

    サウナなどで日頃から暑さに慣れていると、こういう時期は少し有利かもしれません。普段あまり汗をかかない方は、体に熱がこもりやすく、熱中症リスクが高まります。サウナで「発汗力」を鍛えておくと、暑いときに適切に汗が出て、体温調節の助けになります。


    汗といえば、更年期の方の中には「気温に関係なく汗が噴き出して困る」と訴えられる方も少なくありません。特に夏場はさらに汗が出やすく、「なんとかしてほしい」とご相談に来られるケースが多くなります。こうしたお悩みに対しては、漢方薬を使って少しでも楽になるよう努めていますが、残念ながら、誰にでも確実に効く処方ではありません。「飲まないよりはマシ」という程度のこともあります。

    一方、西洋薬には発汗を一時的に強力に抑えるものもあります。これが功を奏する場合もありますが、発汗が止まることで熱が体内にこもり、かえって熱中症のリスクが高まるという副作用もあるため、使用には注意が必要です。

    更年期には、発汗のほかにも、イライラ、のぼせ、手指のこわばりなど、さまざまな症状が現れることがあります。このような不定愁訴に対しては、漢方が比較的相性が良いこともあり、整形外科や産婦人科でなかなか改善しなかった方でも、一度試してみる価値はあると思います。

  • 骨を丈夫にするには

    牛乳が骨に良いか悪いかという議論は、昔から続いています。
    私は以前から、「牛乳は逆効果だからやめた方がいい。カルシウムは、いりこなどの小魚から取りましょう」と、患者さんによく説明してきました。

    今日、その内容が記事になっているのを見つけ、「そうそう、これが正しい!」と、いちいち頷きながら読んだので、ご紹介します。
    プレジデントオンラインの記事です:
    👉 牛乳は骨を強くするという「大誤解」…骨粗鬆症専門医が「骨がもろくなる人の共通点」として挙げる”カルシウム神話”のウソ

    記事の中では、
    「カルシウムはマグネシウムと一緒に摂らないと逆効果」
    「骨を丈夫にするには、カルシウムだけでなく、タンパク質・ビタミンD・ビタミンK・ビタミンC・マグネシウムなどをバランスよく摂取することが必要」
    ということが、かなり詳しく解説されています。ぜひご一読ください。

    整形外科でアレンドロン酸などの骨粗鬆症治療薬をもらっている方も多いと思いますが、これらは骨密度を上げるだけで、「骨を丈夫にする」わけではありません。なぜなら、骨はカルシウムだけでなく、コラーゲン(タンパク質)も重要な構成要素だからです。

    たとえるなら、カルシウムはコンクリート、コラーゲンは鉄筋
    鉄筋が入っていないのにコンクリートばかり塗り重ねても、建物としては不安定です。
    同じように、骨をしっかり作るには、肉や魚に含まれるコラーゲン、そしてそれを体内で合成するためのビタミンCなどが必要なのです。


    私の両親が以前、「うちのエアコンはフィルターの自動掃除機能があるから、掃除は不要だと思っていた」と話していました。でも実際は、その自動掃除機能の部分こそ定期的に掃除しないと、内部がゴミだらけになって詰まってしまいます。

    骨のメンテナンスも、それと同じです。

    「牛乳を飲んでいるから安心」
    「整形外科で薬をもらっているから大丈夫」
    ……では、うまくいきません。

    理屈を理解して、正しい方法で取り組まないと、思うような改善は得られません。
    ただ、整形外科の先生方も非常に忙しく、そこまで詳しい説明をする時間もなく、説明しても診療報酬には結びつかないため、「薬を出しておきますね」で終わってしまうのも、仕方のないことだろうと思います。

  • 糖化は老化のサイン

    昨日のブログでは、「酸化が体の不調や老化の原因になりうるため、抗酸化物質をいろいろバランスよく摂取することが大切です」という話を書きました。実は、細胞の機能が低下する原因にはもう一つ大きなものがあります。それが「糖化(とうか)」です。

    糖化とは、体のタンパク質などが高血糖の状態にさらされ、糖と結びついて変性してしまう現象です。つまり、血糖値が高い状態が続くと、体の構造自体が傷んでいくということです。

    糖尿病の人は、この糖化が進みやすくなります。
    病院で糖尿病のコントロール状態を調べるときに使われる「HbA1c(ヘモグロビンA1c)」という検査があります。
    これは、血液中の赤血球に含まれるタンパク質「ヘモグロビン」に、糖がどの程度くっついて変化しているか(=糖化しているか)を示す数値です。

    HbA1cが高いということは、血糖コントロールがうまくいっていないという意味であると同時に、体内で糖化が進んでいるサインでもあります。つまり、細胞機能の低下や老化と直結している指標ともいえるのです。


    健診などでは通常、空腹時血糖値を測定します。
    これは、前日の夕食後に何も食べていない状態の血糖を測るものですが、ここが正常でも、「食後高血糖」という隠れた異常がある人もいます。

    食後に血糖値が急上昇し、また急降下するタイプです。
    こうしたケースではHbA1cの数値が一見それほど高くなく、見逃されることもあります
    しかし、血糖の乱高下は血管に大きなダメージを与え、動脈硬化や心血管疾患のリスクを高めることが分かっています。


    また、骨の健康についても意外な事実があります。
    「骨はカルシウムでできている」と思っている方が多いかもしれませんが、実際には、カルシウムとコラーゲン(タンパク質)の複合体でできています。

    このコラーゲンが糖化すると、骨のしなやかさが失われ、もろくなってしまいます。つまり、糖化が進むと骨折のリスクが高まるということです。
    同様に、皮膚のコラーゲンが糖化すれば、肌のハリや弾力が失われ、見た目年齢の老化が進行します。


    糖化は酸化と違って、HbA1cなどの数値からある程度の評価が可能です。健診で「血糖値がやや高め」「HbA1cが基準より高い」と指摘された方は、どうかそれを軽く考えず、食事や運動療法を継続するか、必要な場合には薬でのコントロールをしっかり行ってください。

    「糖化の予防」は、まさに老化の予防につながります。
    体の中から若さを保つためにも、血糖のコントロールはとても大切なのです。