むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 多職種連携の会

    土曜日に地域包括支援センター主催の多職種連携の会があったので参加しました。主に熊本市東区で営業している介護福祉関係の集まりです。訪問看護ステーション、訪問介護ステーション、デイケア、訪問マッサージ、グループホーム、通所型リハビリ施設などなど、こんなに色々あったのかというほどたくさんの人が集まりました。参加者150人超です。

    私も名刺をたくさん持って出かけました。これからは、入院から在宅の時代なので、患者さんはどんどん自宅や老人ホームなど居宅系の施設に帰されます。そうすると、訪問診療、訪問看護、訪問介護などいろんな施設から医療系、介護系のサービスが支援する仕組みになっています。しかし、その仕組みがあまりに複雑なので、患者さん(家族)と医療サービス系の施設との間に入ってコーディネートしてくれるのがケアマネージャーさんです。

    ケアマネさんが患者さんの状態を見て、必要なケアプランを立ててくれます。必要な施設との間を取り持ってくれますので、納得したサービスを取り入れると良いのです。自分たちだけで考えても、高齢者の介護は難しいものです。マンパワーがいります。昔のように家庭内でなんとかしようとすると、お嫁さんなど家庭内の誰かが犠牲になります。今は、行政・福祉の力を借りる時代です。介護系のサービスもいろんな施設がありますので、まずはお近くの地域包括支援センター(ささえりあ)にご相談ください。

  • 正理湯(しょうりとう)

    正理湯(しょうりとう)という漢方処方があるのですが、あまり馴染みのある処方ではありません。日本中探しても薬局で売ってないし、ツムラなどのエキス製剤もありません。私がこの処方を教えてもらったのは、熊本の吉冨先生からなのですが、韓国でかなり頻繁に使われる処方だそうです。漢方は日本、中国だけでなく韓国でも盛んに使われています。御存知の通り韓国という国は総ストレス社会で、受験、就職に始まり一生を通してかなりのストレスがあるようです。そういう韓国の漢方医の先生が、ほとんどの患者さんに使って有効とされるのがこの正理湯なのです。

    どういった働きをするのかというと、気の巡りをよくしてうつっぽい症状を取り除いてくれます。特に消化器症状を改善します。ストレスから胃腸の調子が悪くなって、胃がもたれる、ゲップが出る、お腹が張る、食欲がない、などの症状があれば使って見る価値があります。

    先日当院に来院された患者さんで、お腹が張ってゲップが出て苦しい、これまでいろんな病院で胃腸薬をもらったけど治らない、と言って来院されました。ちょうどこの正理湯の適応かなと思って2週間分処方したところ、すっかり良くなったと言って来院されました。このように西洋薬でなかなか改善しなくても、漢方が不思議と良く効く場合もあるのです。

  • 不眠について

    不眠は一日の外来患者さんの中でもかなり多い訴えです。「最近眠れないんです」といわれたときに、単純に「では睡眠薬を出しましょう」というわけにはいきません。それは、患者さんごとに眠れなくなった原因が違うからです。

    職場のことや家庭内の問題で心配事があって眠れない人、自分や親の病気のことが気になって眠れない人、旅行などに行くと環境が変わって寝れないひと、夕食後寝てしまって、夜1時頃に目が冷めてそれから眠れない人などさまざまです。そういうなか、うつ病のような状態で眠れなくなった場合がありますから、睡眠薬で眠れるようにすれば解決、というわけにはいかないことが多々あるのです。

    また、以前は睡眠薬より安定剤のほうが軽いからいい、というふうに考えられていましたが、これは間違っていることが明らかになっています。睡眠薬は昔に比べて癖になりにくく安全なものが出てきています。それに比べて、デパスを始めとする安定剤は依存症になってやめられないし、将来的に認知症のリスクにもなります。今では睡眠目的にデパスを処方することは殆どありません。寝酒も睡眠にとってはあまりよくありません。睡眠が浅くなり、寝付いても途中で目が冷めやすいのがお酒の特徴です。依存になりやすく肝臓その他にも負担となりますから、寝るためにお酒を飲むのはおすすめできません。

    漢方薬で眠れるようにしてほしいという希望が時々あります。症状が軽い場合はそれも可能ですが、西洋薬ほどの効果はありませんから無理に漢方にこだわる必要はないと思います。まずはしっかり寝て疲れを取ることが先だと思うからです。

  • 頭痛の話

    頭痛はなかなか耐えられないものです。仕事や勉強にも差し支えます。偏頭痛では気分が悪くて吐いてしまうこともあります。時々(例えば風邪をひいたときに)出るような頭痛だと、イブのような頭痛薬でとりあえずやり過ごせばなんとかなりますが、週に何度も起こるような慢性頭痛となるとかなり厄介です。

    頭痛にはいくつかの種類があります。偏頭痛、緊張型頭痛、群発性頭痛などが一般的です。それ以外には脳梗塞や脳出血、くも膜下出血のような重篤な疾患に伴う頭痛もあります。また、今の季節に多いのが高血圧からくる頭痛です。頭痛があまりにひどいとCTやMRIを撮ってもらおうと思って病院を探すことが多いと思いますが、実際にMRIなどで診断がつくのは脳梗塞や脳出血、脳腫瘍といった病気で、一般的な頭痛に関しては画像で診断するというより画像で重篤な疾患がないことを確認するということになります。最終的には問診と診察で大体の診断はつきます。

    一般的な鎮痛剤でもある程度頭痛の治療はできますが、頭痛の種類によって治療方針が若干異なります。最近は偏頭痛に対してよく効く特効薬もありますが、実際には頭痛が起こってから飲む薬よりも、頭痛が起こりにくくする予防的な薬の方がいいと思います。先日当院を受診された学生さんは、頭の中で石ころが弾けるような頭痛が週に2−3日あるということで、学校に行っても早退する毎日だったそうですが、予防薬を飲み始めたら1週間後にはすでに頭痛薬を全く飲まないで済んでいるというくらい良くなった人がいます。また、鎮痛剤の使いすぎで逆に頭痛が起こってしまう薬物乱用型の頭痛というものがありますから、予防薬で鎮痛剤を断ち切ることができれば劇的に改善する場合があります。

    東京ではもうこんなに咲いている所がありました。

  • 婦人科系の漢方

    漢方を専門にしていると、婦人科系の疾患で漢方希望の患者さんが結構来院されます。生理痛や月経前症候群、不妊症、更年期障害、子宮筋腫による貧血などなどいろんな疾患があります。

    昔から漢方というのは王様や殿様が使うもので、一般庶民にはなかなか手に入らなかったものですが、その殿様は何に漢方を使ったかというと、主にお世継ぎ誕生のためにお妃の健康管理を行ったものです。したがって、婦人科疾患に対する漢方の歴史は古く、処方もいろいろあります。

    婦人科系の処方で有名なのは当帰芍薬散や加味逍遙散というものがあります。しかし、私たち漢方専門医のところには、そのあたりの薬はとっくに婦人科でもらったけどあまり治らなかった、という症例ばかりが集まってきます。そこで私の外来ではそういった通常基本処方と言われるようなものの出番が少なく、もっと女性の体調そのものを整える処方を多く使います。その代表的な処方は十全大補湯です。この処方でまず基本的な体の気血水を整えてから治療していきます。すでに色々な漢方を試したけど治らない、という場合も、漢方が効かないとは限りません。まだ試していない処方があるかもしれません。当院では、漢方薬(主にエキス顆粒)は相当数扱っており、病態にあわせて2剤の組み合わせをすることが多いため、その組み合わせを考えると数百種類ものパタンができます。その中から患者さんに一番あった処方を見つけ出す、それが私の専門的な仕事だと思っています。