むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 運命は切り開ける

    保険医協会では、診療報酬改定のたびに講習会が開かれ、森永上野胃腸科の森永先生が、あのお役所特有の難しい文書を噛み砕いて教えてくださっていました。昨日、その森永先生の訃報が届きました。あまりに急な知らせで、ただただ驚いています。ご病気だったとは露知らず、まだお若かっただけに、悔やまれてなりません。

    また、漢方で大変お世話になった牧野健司皮膚科の牧野先生も、ご病気のため急遽閉院されました。非常に患者さんの多い医院でしたし、皮膚疾患を漢方で治療する医療機関は他に類を見ないため、多くの患者さんが困惑されているようです。私自身、以前から一緒に勉強させていただいた先生でもあります。皮膚科は私の専門外ではありますが、漢方の専門医として、何かお役に立てることはないかと考えています。

    それにしても、最近はまだお若い先生が病に倒れ、閉院されるという話をよく耳にします。「医者の不養生」とは言いますが、まさに油断大敵、身の引き締まる思いです。

    さて、昨日のブログで「運命は人生の前提条件であり、変えられないもの」と書きました。しかし何度か読み返しているうちに、「宿命」という言葉があったことも思い出しました。

    調べてみると、運命と宿命は似て非なるものです。「宿命」はより絶対的で、国籍や性別など、どうしても変えられない事実を指します。一方の「運命」は、自らの意志で方向づけができる余地のあるもののようです。確かに「運命を切り拓く」とは言いますが、「宿命を切り拓く」とは言いません。ここには受け身ではない、能動的なニュアンスが含まれています。

    私が学んでいる倫理法人会では、「運命は自らまねき、境遇は自ら造る」と言います。運命が決まっているものだと手をこまねいていては、好機を掴むことはできません。「今だ」と思った瞬間に、躊躇なく行動できるか。チャンスの神様には前髪しかない、一度逃したらこれを捉えることはできぬ、と言われるように、一瞬の判断が人生の流れを変えるのでしょう。

    つまり、宿命は潔く受け入れるしかありませんが、運命は自らの手で流れを変えられるもの。そして「境遇」は、さらに能動的に変えていけるものです。

    「孟母三遷(もうぼさんせん)」という言葉があります。孟子の母が、子供に最良の教育環境を与えようと三度も住まいを変えたという故事です。このように、自ら環境を整えることで、チャンスを掴む確率は飛躍的に高まります。

    ただ家でテレビを眺めていても、チャンスはなかなか巡ってきません。自ら学びの場に身を置き、志を同じくする人々と出会うことで、人生の師や成功のヒントが見つかるのです。使命を果たすためには、自分一人の力だけでなく、周囲の助けが欠かせません。まずはその場に自らを運び、境遇を自ら造り出すこと。それが、後悔しない人生への第一歩なのだと感じています。