最近、インバウンドで海外からの来日者が急増しています。日本には「メディカルツーリズム」として、旅行のついでに人間ドックを受けるツアーもあります。人間ドックは、外国ではあまり見かけないため、日本独自のビジネスだと言えるでしょう。今後、外国語対応のドクターが増え、海外からのお客様向けにサービスを充実させた健診施設が増えてくることが予想されます。
最近、医師の間で「直美(ちょくび)」という流行が話題になっています。これは、研修が終わった若い医師が内科や外科を選ばず、いきなり美容外科に進むという現象です。昔は、若いドクターは昼も夜もないような過酷な働き方をして、まるで病院の住人のような生活から「レジデント(住人)」と呼ばれていました。しかし、働き方改革が進み、こういった過酷な働き方は推奨されなくなり、若い医師も一定の時間が来ると帰宅する時代になりました。以前は外科などで昼は手術、夜は病棟の患者ケアをしてクタクタになりながら働く姿をかっこいいと感じて外科を目指す人が多かったのですが、最近では外科希望の医師が激減しており、今後、日本で病気が見つかっても手術してもらえる外科医を見つけるのが難しくなるかもしれません。私が所属する循環器内科も、心筋梗塞などの急患が昼夜関係なくやってくるため、常にスタンバイ状態で、自宅でゆっくり休む暇もなく、帰宅途中で呼び出されて病院に舞い戻ることもしょっちゅうありました。それがきついけれども、かっこいいとみんなが思っていた時代もありましたが、時代は変わり、循環器内科の入局者も激減しています。
今、注目を集めているのは「直美(ちょくび)」ですが、これからは「直健診」や「直ドッグ」などの動きが出てくるのではないかと思います。健診は朝9時から夕方5時までと、定時で帰れる仕事です。また、医療保険とは関係がなく、診療報酬改定に影響されず、独自の料金設定が可能なため、ビジネスモデルとして非常に魅力的です。さらに、サービスも工夫次第で多様な集客が可能です。例えば、中国からの観光客が日本に来て人間ドックを受けるように、日本人も県内の施設にとどまらず、熱海の温泉とドッグをセットにしたプランや、北海道や沖縄まで観光とドッグを組み合わせた旅行が今後流行るのではないでしょうか。
このように、若い医師が働き方改革の影響で自分の生活を優先し、夜間勤務を避けたり、きつい診療科を選ばなくなる現象が進むと、今後ますます医療業界の人手不足は深刻化することが予想されます。これは時代の流れであり、止めることはできないでしょう。だからこそ、私たち一人ひとりが病気を予防し、元気で過ごすことが何より大切なのだと思います。

