最近Netflixで話題の韓国ドラマ「暴君のシェフ」に夢中になり、毎日見続けました。配信はまだ途中までのようで、気がついたら公開されている分を全部見終わっていました。物語は、フランス料理の三つ星シェフがひょんなことから500年前にタイムスリップし、成り行きで王様の専属シェフになるというものです。時代劇のかしこまった古語の中で、現代語をペラペラ話す主人公のギャップがとても面白い。韓ドラで韓国語を勉強している私にとっては、言葉の違いが特に興味深い点でした。外来語は全く通じず、今の時代の人は尊敬語もうまく話せない。そんな中でグルメ番組のような料理対決が繰り広げられるのも見どころです。また、昔の侍はなぜ些細なことで人を斬ったりするのだろう、と考えさせられます。
現代人が昔に入り込むだけで常識の差が浮き彫りになります。私たちは料理対決にしろ何にしろ「命がけ」で挑むことはありませんが、ドラマの中では負けたら手を切られるという過酷な罰が待っています。フィクションとはいえ、昔は命が軽んじられ、本当に儚いものだったのだろうと感じました。
また、現代人はとても早口です。短時間で伝える情報量が増えた一方で、昔の人はゆっくり話す分、思慮深かったのではないかとも思います。
前の大阪万博では「人が10倍速く動けるようになる魔法の薬が発明された」という設定の映画があり、今回の関西万博でも上映されたそうです。10倍速く動けるようになった人々は工場で猛烈に働き、10倍の仕事をこなしただけ。果たしてそれで豊かになったのか?という疑問が投げかけられていました。この映画の予言は現実になったとも言えます。例えば新幹線は自転車より約20倍速いそうです。浮いた時間をバカンスや家族団らんに使えれば幸せですが、実際には仕事を増やしただけ…それでは豊かさとは言えません。
昔と今を対比しながら「本当に幸せとは何か」を考えさせてくれる、そんな意味でも「暴君のシェフ」はとても示唆に富んだドラマでした。

