むらかみ内科クリニック

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  • 糖質疲労に気をつけよう

    最近、食後に強い眠気がきたり、急にイライラしたり、集中力が続かない…そんな不調に心当たりはありませんか?その原因のひとつとして注目されているのが「糖質疲労」です。

    私も、YouTubeで山田悟先生がこのテーマを解説されているのを拝見し、興味を持って『糖質疲労』という著書をすぐに購入しました。これまでの糖尿病食とはまた違う視点で書かれていて、とても興味深い内容でした。

    糖質疲労とは、糖質を過剰に摂取したあとに、体がだるくなったり、気分が落ち込んだりする状態を指します。医学的にはまだ正式な病名ではありませんが、私たちの体の仕組みを知ると、そのメカニズムに納得がいきます。

    糖質を多く含む食事をとると、血糖値が急上昇します。それに反応して、膵臓からインスリンが大量に分泌され、血糖値を一気に下げます。しかし、この反応が過剰になると、今度は逆に血糖値が急低下し、いわゆる“低血糖もどき”の状態に。これが「血糖スパイク」と呼ばれる現象で、脳や自律神経に大きな負担をかけます。

    血糖スパイクのあとには、強い眠気、だるさ、頭がぼんやりする、イライラ、不安感、空腹感などの症状が現れやすくなり、これらが積み重なることで慢性的な「糖質疲労」へとつながっていくのです。

    実際に、患者さんの中にも「夕方になるとお腹が空いて低血糖みたいになるので、昼ご飯はしっかり食べています」とおっしゃる方がいらっしゃいます。詳しく聞いてみると、どんぶりご飯をおかわりしているというケースも。これは、現時点で糖尿病がなくても、明らかに血糖スパイクが起きており、急激な上昇とその後の低下が体に負担をかけていると考えられます。

    では、どうすれば糖質疲労を防げるのでしょうか。まずは食事の「質」と「順番」を意識することが大切です。白米やパンなどの高糖質な主食は控えめにし、代わりに野菜やたんぱく質、そして適量の脂質を先に摂るようにしましょう。いわゆる「ベジファースト」や「オイルファースト」の食べ方は、血糖値の急上昇を防ぐ助けになります。

    山田悟先生の著書では、「オイルファースト+緩やかな糖質制限」が提唱されています。実際、肉や魚、脂質(オイル)を先に食べてから炭水化物を摂ると、同じ糖質量でも血糖値の上昇が抑えられることがわかっています。パンもそのまま食べるより、バターをたっぷり塗った方が血糖値は上がりにくく、ご飯も白ご飯よりチャーハンの方が血糖値が上がりにくいという報告があります。

    これまで私たちはカロリーばかりに目を向けてきたかもしれませんが、頭を柔軟にして事実を受け入れ、日々の食事を工夫することが大切です。私自身、この本を読んでから職場にオリーブオイルのボトルを置き、お弁当にたっぷりかけて食べるようにしています。

    もちろん、いくら油が血糖の急上昇を防ぐとはいえ、摂りすぎればやはり太る原因になります。全体の食事量とバランスにも気をつけながら、無理のない範囲で工夫を続けていきたいと思っています。

    ローストビーフとジンギスカンの丼