GWまであと1週間となりました。その前に薬をもらっておこうという患者さんが殺到し、この日は外来だけで120名を超えました。さらに訪問診療も回りましたので、診察した人数は合計で140名ほどになりました。なかには1時間半ほどお待ちいただいた方もおられましたが、平均すると1時間前後の待ち時間でした。ご協力いただき、誠にありがとうございます。
せっかく長時間お待ちいただいたからには、困っていることや診てもらいたいことは、遠慮なくすべてお話しいただいて大丈夫です。私も限られた時間の中で、できる限り丁寧に、ひとりひとりに精一杯の対応を心がけています。ただし雑談をしている余裕はなく、病状の情報収集から診察、検査、結果の説明までを、できるだけ効率よく行う必要があります。患者さんによって、詳しく話を聞きたい方もいれば、あまり耳を傾けてくれない方もいらっしゃるため、それぞれのニーズに合わせた説明を工夫しています。
「胸が痛い」「お腹が痛い」といった症状の場合、循環器内科や消化器内科で各種検査が行われます。しかし、それでも異常が見つからなかった場合、西洋医学的には「様子を見ましょう」「ロキソニンを出しておきます」といった対応になることが少なくありません。けれども、患者さんの痛みが実際に改善されるわけではないため、「何とかしてほしい」と、当院のような漢方や鍼治療を求めて来院されます。
こういったケースでは、まず当院で検査の見落としがないかを確認します。必要に応じて追加検査を行うこともありますが、多くの場合、それは必要ありません。では、すぐに漢方を出すかというと、実はそうでもありません。というのも、このような痛みの背景には、ストレスが関与している場合が多く、身体表現性障害や疼痛性障害といった、心療内科で扱う領域の問題が潜んでいることがあるからです。
先日「突然意識を失った」という若い女性の患者さんが来られました。もちろん、脳血管障害やてんかんなども鑑別診断として考慮する必要がありますが、詳しく話を聞いていくうちに、心因的な要素が強く、いわゆる“ヒステリー”と呼ばれる反応であることがわかりました。
ちなみに「ヒステリー」という言葉は、日常会話で使われる意味と、医学的な意味ではかなり異なります。医学的には、ストレスなどが身体症状として表出する一連の状態を指し、決して「感情的な人」といったレッテル貼りの言葉ではありません。
このように、西洋医学では主に臓器ごとの診療科に分かれているため、自分の専門領域外のことにはあまり関与しない傾向があります。その結果、「異常なし」と診断されてしまい、本来は心療内科的なアプローチが必要な患者さんが取り残されることがあります。
だからこそ、私は総合診療の視点と東洋医学的なアプローチを組み合わせて、患者さんの「本当の困りごと」にできるだけ寄り添えるよう努めています。

