むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • ギランバレ症候群

    耳慣れないかもしれませんが、ギランバレ症候群という比較的稀な神経疾患があります。風邪のような症状に引き続いて手足の運動麻痺症状が出る病気で、原因はよくわかっていません。私が学生の頃はまだ治療法も確立していませんでした。しかし最近では、免疫グロブリンの投与で劇的に良くなるということで、治療法だけはかなり進歩しました。何もしなくても自然と良くなる場合もあるので、免疫グロブリンを使うかどうかの見極めが大切です。私がそんな話を知ってまだ1年くらいなのですが、もしギランバレ症候群を見つけたらきちんと判断して治療してあげないと、と思っていました。

    そんな矢先、つい先日当院でもギランバレ症候群を疑う患者さんがたて続けに2名いました。一人目はしばらく経過を見ましたが、どうも違うようだったので、そのまま経過を見ましたが、2例目は、徐々に疑いが確信に変わってきました。しかも症状が少しずつですが進行してきました。これはもしかしたら免疫グロブリンを使ったほうがいいかも、と思い、大学病院の先生に診てもらいました。

    結局その患者さんは即入院となり、免疫ブロブリンの連続投与が開始され、3日目には足にはっきりと力が戻ってきたそうです。本当に良かったです。今日、ご本人からお喜びの電話をいただき、紹介した私も嬉しかったです。やはり私たち臨床家は日々新しい知識を勉強しておかないと患者さんの為になりません。一生勉強が続きます。