むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 種まきの重要性

    昨日書いた収穫の話の続きです。もうすぐハロウィンですね。ハロウィンはおばけや魔女のような変なコスプレをして馬鹿騒ぎをするお祭りのようなものですが、顔を彫ったかぼちゃの行灯飾り(ジャック・オー・ランタン)は季節を感じさせます。由来は日本のお盆のようなものらしいですが、時期的に収穫祭の要素も混じったお祭りです。アメリカでは、地域によっては純粋に収穫祭として行っているところもあります。

    「種を蒔く」という言葉を日常生活で考えると、二通りあると思います。一つは、見返り(収穫)を期待せずにとにかくいろんなことにチャレンジする「無償の種まき」。ボランティアに参加したり、語学を学んだり、困っている友人を助けたり。そうした行動のいくつかは、時を経て思わぬ形で実を結ぶことがあります。ときには、自分の代では何も得られなかったように見えても、子や孫の代になって恩が返ってくることもあります。返せなかった恩を別の誰かに送る「恩送り」という言葉もありますが、これも見返りを求めない種まきの一つでしょう。

    一方で、収穫の時期を決めて、逆算して計画的に種を蒔くことも大切です。農業もそうですが、仕事や研究も同じです。目標を期限までに達成するためには、スケジュールを立てて積み上げていく必要があります。私が大学院で研究をしていた頃も、テーマを大きくしすぎて4年で結果が出ないと博士号がもらえないため、上司にいつも「区切りをつけて期限内に終わるように進めなさい」と言われていました。その積み重ねが、やがて大きな成果につながるのです。

    縄文時代は狩猟生活でしたが、弥生時代になると農耕が始まりました。計画的に種を蒔き、手入れをして秋に収穫する。そうして人々は安定した暮らしを得て、人口が増えていったといいます。
    やはり「種をまく」ことは、生きることそのものなんですね。

    収穫を意識して種を蒔くことも、見返りを求めずに種を蒔くことも、どちらも大切です。どちらにも「未来を信じて手を動かす」という共通点があります。
    何もせずに収穫だけを望むのではなく、自分なりの“種まき”を続けていきたいものです。