むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 植物の知恵:動かないからこそ生き抜く力

    植物は動物と違い、移動することができません。たとえ外敵が来ようと、気候が変わろうと、一生同じ場所で生き続けます。しかし、それが動物よりも弱いことを意味するわけではありません。神社にある神木は優に500年以上生きているものも珍しくなく、地方によっては屋久杉のように1000年以上も生き続ける樹木が存在します。私たち人間がどんなに努力しても、その寿命には到底及びません。植物の生き抜く知恵をもっと学び、取り入れるべきなのではないでしょうか。

    植物は単独で生きているわけではない
    植物は一本ずつ独立して生きているわけではありません。大気中では、アロマのような化学物質を放出し、お互いにコミュニケーションを取っているそうです。また、植物には「目」はありませんが、光を感知することで、隣同士の枝が相手の成長を邪魔しないように調整する能力もあると言われています。

    さらに、地中では菌類の助けを借りて、植物同士が助け合っていることも分かっています。植物は光合成によって自らエネルギーを作り出しますが、日当たりの悪い場所に生えた仲間の植物には、根を通じて栄養を分け与えることができるとのこと。驚くべき共生の仕組みです。こうして植物たちは、一つのコミュニティを形成しながら生きているのです。

    日本では「縄文杉」が長寿の木として有名ですが、ヨーロッパでは「千寿オリーブ」という樹木が知られています。日本風に言えば「縄文オリーブ」といったところでしょうか。長寿の樹木は、長く生きるための知恵を持ち、その周囲の木々にも影響を与えることが分かっています。根のネットワークを通じて、隣の木々にも活力を与えるのです。

    近年、この現象が科学的に解明されつつあり、フランスのニナファーム社では、この千寿オリーブの近くに化粧品の原料となるザクロなどの植物を植えることで、植物の生体防御力を高めているそうです。そのエキスを抽出し、化粧品やサプリメントに活用するという研究が進められています。日本が工業製品の品質向上を極める間に、フランスでは植物の応用研究がここまで進んでいたとは驚きですね。

    この千寿オリーブは、来月より開催される大阪・関西万博のフランスパビリオンで展示される予定です。テーマは「奇蹟の庭園」。生命の知恵を受け継ぐこの樹木を間近で見られる貴重な機会となりそうです。万博に行く機会があれば、ぜひ訪れてみてください。