むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 医学と物理学の接点

    寒い日は鍋が美味しいですね。昨日も書きましたが、野菜をたくさん入れられて、低カロリーでヘルシーです。鍋に便利なのは卓上IHコンロです。カセットコンロを使う方も多いと思いますが、我が家はオール電化のため、室内でガスを使う仕様になっていません。もし使用すると、高気密住宅のため室内に二酸化炭素が充満し、危険な状態になります。

    IHコンロであれば、二酸化炭素は発生しません。火力も弱火から強火まで微調整が簡単です。最近IHコンロはホームセンターなどでかなり安価に購入できますし、ガスボンベの買い置きも不要です。火を使わないので火事の危険が少ないのも利点です。唯一の欠点は、使用中に「ブーン」という音がすることでしょうか。

    ペースメーカーを入れている方は、IH製品に近づくと危険だと言われています。電磁波がペースメーカーを誤作動させ、不整脈などを引き起こす可能性があるためです。私も以前はペースメーカーの植え込み手術をしていましたが、退院時にはIH製品に近づかないよう患者さんに指導していました。

    どのくらい離れればよいかというと、目安は約30センチです。片手で届かないくらい離れていれば安全です。IHコンロの場合、調理の際に手を伸ばして鍋に届く程度の距離であれば問題ありません。IH炊飯器についても、炊飯中に近づくことは少ないと思いますが、保温中であっても抱きかかえるようなことは避けるよう説明していました。

    携帯電話については、それほど神経質になる必要はありませんが、左胸にペースメーカーが入っている場合は、左耳で通話せず、右耳に電話を当てる習慣をつけたほうがよいと言われています。また、胸ポケットに携帯電話を入れないようにしましょう。実際には、携帯電話は過度に心配しなくても大丈夫だと思います。

    話は変わりますが、ご存じのように高校の理科は物理・化学・生物に分かれています。医学に最も関連が深いのは生物ですが、私たちの時代、医学部受験生の多くは物理と化学を選択していました。大学に入学すると、高校生物はすでに理解している前提で授業が進むため、慌てて大学受験用の生物の参考書を買って勉強した記憶があります。

    物理は医学とは縁遠いように感じられますが、実は電磁波の人体への影響や、ペースメーカー、MRIといった医療機器を理解するうえで欠かせない分野です。大学の教養課程には「医応工学」という科目がありました。医学に応用される工学という意味だと思いますが、当時の私には難しすぎて、ほとんど理解できませんでした。しかし、医療の発展は物理の理解なしにはありません。

  • 多忙な当番医でした

    クリニックは日曜当番医でした。診療時間は9時から17時ですが、朝8時を少し過ぎてクリニックに到着すると、すでに駐車場には何台もの車が止まっていました。慌てて鍵を開け、エアコンを入れて部屋を温めるなど、準備に追われました。まもなく問い合わせの電話がひっきりなしに鳴り始めました。

    幸い、受付スタッフも早めに出勤してくれたため何とか対応できましたが、電話はその後も一日中鳴り続けました。看護師スタッフもベテランがそろっており、発熱患者さんへの個別対応や感染対策を行いながら、インフルエンザなどの検査もテキパキとこなしてくれました。おかげさまで、夕方5時を少し過ぎたところで診療終了となりました。総勢120名の診察で、ほぼ全員が新患の発熱患者さんという、この時期特有の当番医業務でした。

    私は昼休みを取ることができず、インフルエンザ検査の合間に診察室でサンドイッチを食べました。それでも、食べられただけラッキーです。開業して約10年になりますが、診察室で食事をしたのは今回が初めてでした。

    明日からまた新しい1週間が始まるため、結果的に2週間ぶっ通しの連勤となります。こういうときこそ、日曜らしくきちんと休まないと疲れを持ち越してしまいます。いつものように夜は水春の温泉にゆっくり浸かり、サウナにも4回入り、汗と一緒に疲れをすべて流してきました。さっぱりです。

    先週から忘年会などでご馳走を食べる機会が続き、美味しい料理を楽しめているのはありがたいのですが、よく考えてみると、ほとんど野菜を食べていませんでした。昔は「一日30品目食べましょう」と言われていましたが、これはすでに廃止されています。毎日そこまで気にする必要はありませんが、1週間単位ではできるだけ単調にならないよう、いろいろな食材を取りたいものです。

    そこで今日は、当番医の疲れも吹き飛ぶくらい辛い、真っ赤なスープの鍋にしました。肉は控えめにして、野菜をたっぷり。締めに少しご飯を入れて雑炊にしたら、やはり間違いない美味しさでした。食事とサウナのダブル効果で、疲れがすっかり飛んでいきました。

    福岡 渡辺通

  • お金は生きている

    年末もいよいよ迫ってきましたね。この週末は、忘年会が多いのではないでしょうか。当院は、たまたま休日当番に当たっており、日曜日はクリニックを開けて内科疾患に対応します。インフルエンザが流行しているこの時期、忙しくなりそうです。

    冬のボーナスを楽しみにしている方も多いと思います。私は経営者として、この10年間、自分のボーナスはゼロです。スタッフへの支払いに追われるばかりで、なかなか大変な時期です。物価が高騰する中で、何でも値上がりしていますが、医療費は国が決めた料金であるため、物価変動に対応しきれない業種です。本来、物価が上がると給料やボーナスも上げるべきですが、それが簡単に実現しないのが悩ましいところです。

    経済というものは、非常に不思議です。お金の量、つまり「いくら持っているか」ではなく、実はそのお金がきちんと循環しているかどうかが重要なのです。お金が使われずに眠っているだけでは、経済は回りません。たとえば、レストランを経営しているAさんが当院にかかって2000円を支払い、別の日に私がAさんのレストランで食事をして2000円を支払う。お互いにお金が行き交うことで、生活が潤い、お腹も満たされます。銀行にお金を預けっぱなしにしても、実際には銀行がそのお金を貸し出して経済を回しているため、循環している側面もありますが、それでも直接的に自分の得たお金を使って、社会を潤すことが大切です。

    ボーナスをもらったら、タンス預金にしてしまわず、世の中に有意義に使うことを考えましょう。お金を生かして使うと、それが巡り巡って自分のところに戻ってきます。

  • 柔軟な経営の大切さ

    昨日、熊日で「TSMCの第2工場建設が止まっているが大丈夫か」という記事が載っていました。すると、今日の日経には「TSMC熊本でAI半導体」という記事がトップになっており、驚きました。熊日が懸念していた工場建設の遅れは、実はTSMCの計画変更によるもので、4ナノチップ(AI向けの先端品)の工場を建設するようです。地元の新聞が全国紙に出し抜かれた形となりました。もともとは電気自動車用のチップを生産する予定だったが、電気自動車の販売不振を受けてAI用にシフトしたという背景があるようです。結果的には、工場が完成する前に計画変更が行われたのは良かったですね。

    このように、途中まで進めた仕事や計画を変更することは、非常に勇気がいることです。多くの人は、ある程度時間やお金をかけてしまった仕事を途中で投げ出し、振り出しに戻すのはとても難しいと感じます。「もう決まったことだから」と後ろを振り向かずに突き進む方が、実際にはストレスが少ないこともあります。しかし、企業の経営となると、何百億ものお金が動くため、その判断が生きるか死ぬかを決めることになります。そんな中で、柔軟に計画を変更できる姿勢が重要だということを、このTSMCの例は教えてくれます。

    私たちが経営している医療現場では、そこまでドラスティックな変化は少ないかもしれませんが、診療報酬が頻繁に方向転換する中では、それに迅速に対応しないと置いていかれます。ときには、「新しい方針が今はおいしそうだから」と飛びつくと、後でそれが間違いだったと感じることもあります。厚生労働省はいつも数年後にはしごを外すので、経営上利点と思われた前提が崩れた時、急に取り組んでいた仕事を中止しなければならないこともあります。だからこそ、国の方針には逆らわず、しかしのめり込みすぎずに自分の得意分野を守り続ける経営が非常に重要であり、難しいものだと感じます。

    最近、閉院する病院が増えてきており、特にデジタル化(DX)への適応ができなかった高齢の先生がその犠牲となっていることに痛感しています。大きな社会の変化に乗り遅れた結果、撤退を余儀なくされたケースも少なくありません。逆風を受けた時に柔軟に方針を変更し、生き残る力が求められている時代だと感じています。

    OLD SOULにて 巨大スピーカーからはクリスマスミュージック

  • 4毒抜き

    本屋を定期巡回していて「4毒抜き」という本があったので購入しました。「4毒」のうち2つは想像がつきやすく、「甘い物」と「油もの」です。これらは食べすぎれば体に良くないので、控える努力が必要でしょう。

    残りの2つは意外かもしれませんが、「小麦製品」と「乳製品」です。小麦はグルテンというタンパク質を含んでおり腸への負担が大きく、アレルギーを誘発しやすいと言われます。パン、パスタ、菓子類などは要注意です。乳製品はカゼインというタンパクが問題とされ、それ以外にも乳糖不耐の体質では牛乳を飲むと下痢が出ることもあります。牛乳だけでなくヨーグルトも良くないとされています。牛乳が骨を丈夫にするというのも真偽の程は定かではありません

    もちろん、本に書いてあることをすべて実践するのは現実的ではありません。しかし、4毒を減らしてみて体調が良くなるのであれば、その食材は自分の体に合わないと判断して良いでしょう。たとえば「ヨーグルトにシリアルとはちみつ」の朝食は、乳製品・小麦製品・甘い物の“三毒”なので、おすすめできません。

    こう考えると、ご飯、味噌汁、焼き魚、納豆といった伝統的な和食が体に良いことにも納得がいきます。

    さて、話は変わって、先日で年内頼まれていた私の漢方の講演は一通り終わりました。しかし、年明けにすぐ2つ講演を頼まれています。そのひとつは九州全体のセミナーを熊本で開催し、WEBとリアルのハイブリッド形式で予定されています。正月が開けにはスライド提出の締切となるため、診療の合間に構成を考えています。

    ちょうど今は、朝から晩まで発熱患者さんが次々と来院され、休む暇もないほど忙しい状況です。発表内容を考えるにしても、隙間時間の1~2分しかありません。しかし、1分でも一日積み重なれば15分や20分にはなるだろうと期待して、電子カルテの横にスライド原稿を開いておき、思いついたことを書き込んでいます。

    ここでとても頼りになるのがチャットGPTです。従来は、うろ覚えの内容を文献検索したり資料を読み込んだりしながらスライドを作っていました。しかし今はAIに質問すると、不足している知識を瞬時に補足してくれます。そのお陰で、講演資料の作成が随分と短縮されます。いま4分の1程度できたところですが、なんとか間に合いそうです。