むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 老人ホーム選びは難しい

    マックのホーム画面に天気ウィジェットがあります。新しいOSにアップデートしていると簡単に使えます。私のパソコンやiPhoneでは普通に使っています。これがすごい機能でいままでウェザーニュースとかヤフー天気アプリなどを使っていたのが全く必要なくなりました。さっき家でパソコン作業をしていて、そろそろゴンの散歩に出ようと思ったら、その天気アプリが「あと2分で雨が降り出します。1時間ほど降ります」といってました。降り出す前にとあわててゴンを散歩に連れ出したら、ほんとに数分で雨が降ってきました。凄すぎます。今週はずっと雨の予報です。菜種梅雨みたいですね。雨が降ると花粉が減るのと、インフルエンザなどの勢いも沈静化するので、しばしこの湿り気をありがたく享受しましょう。

    今週末から来週末にかけて高校入試と大学入試が各地であるようです。ちょうどコロナ、インフルエンザ、胃腸炎といろいろ流行っているので、皆さん心配だと思います。試験にはベストコンディションで望んでいただきたいと思います。受験生は案外気合で風邪を引かずに乗り切れることが多いですが、家族がかかってしまうとちょっと厄介です。インフルエンザの場合は予防投与としてタミフルなどを使うことができるため、どうしてもかかったら困る事情がある、という場合はご相談ください。試験などのストレスでお腹が痛くなるとか下痢するとか、緊張しすぎて体調が悪くなるという場合も薬でなんとかなる場合があります。あまりぎりぎりになる前にご相談いただくと助かります。

    当院から訪問診療をしているお年寄りで、今までいた老人ホームが気に入らないからと、別の施設にうつられた方がいます。訪問診療は継続の希望で、新しい入居先までお伺いしました。すると、移ってみたら前いたところよりもっと質が落ちたと嘆いておられました。この1年で同じような事例を何人も経験しています。100歳も近くなって引っ越し・環境の変化は思いの外ストレスとなります。引っ越した途端に亡くなった人もたくさん見てきました。こういう事にならないように、引っ越し・施設の移動は慎重にしていただきたいと思います。

  • 若い世代には病名をあえてつけないこともある

    朝はえらく冷え込みましたが、昼はよく晴れて温かい一日でした。また寒の戻りもあるでしょうけどしばし春の陽気を楽しみます。さて、今日は連休明け初日でしたので、午後から随分混み合いました。午前中はまだ寒かったからかそれほどでもなかったので、明日以降も混雑を避けるなら午前中がいいかもしれません。

    当院は内科クリニックにしては患者さんの平均年齢が相当若く、自分でもびっくりします。通常の内科だと70歳でも若い方だと思います。しかし、当院の患者さんは30代から50代くらいもたくさん来られるので、現役世代に選んでいただけてるな、と思っていましたが、最近は中高生もたくさん来るようになりました。風邪や花粉症など通常の内科疾患も多いのですが、最近増えてきたのは朝起きられない、学校に遅刻してしまうという症状で、よく起立性調節障害と診断されているような学生さんたち、それからコロナ後遺症で倦怠感や頭痛などが取れないというような人たち。いずれも、通常あまり有効な治療法がないため、専門に治療している機関は少ないと思われます。当院では漢方を処方して比較的うまくいっている例が多く、だんだんそういった若い患者さんたちが増えてきた次第です。

    私は若い学生さんたちに「起立性調節障害」とか「神経症、うつ病」などの病名をあえてつけないで治療してもいいのではないかと思っています。病名をつけると、前途ある若い人たちがそう言うレッテルを貼られて自分は病気なんだと思ってしまう。私はそう言うケースでは診察でよく「体質の問題でしょう」とか「自律神経のバランスが悪くなっているみたいです」と当たり障りのない説明をして病名をつけないで説明する事が多いです。もちろんカルテには診断名を書かないと薬を使う根拠にならないので病名をつけていますが、本当はあまり病名をつけたくない気持ちで診察しています。

  • 風邪で熱が出る仕組み(ちょっと難しく解説)

    おかげさまで先日の私の風邪はすっかり回復しました。熱はなく咳だけが一日出ましたが、ひどくならずに良かったです。結局葛根湯などの漢方も入手困難のため飲まず、のど飴とビタミン剤と朝鮮人参エキスで治りました。サプリは通常のビタミンB,C,D,Eなどにくわえてセレン(セレニウム)、オリーブリーフエキス、タウリンを追加して飲みました。ビタミンCは通常2000mgのところ4000mgにアップしました。これでかぜ薬いらずです。今回は熱も出ませんでしたが、熱について少し解説したいと思います。

    風邪のときに熱が出るのは体のウイルスに対する免疫反応でリンパ球からインターロイキン(IL-1, IL-6など)とインターフェロンがでてくるためです。その結果、細胞膜のリン脂質からホスホリパーゼA2という酵素の働きでアラキドン酸が遊離され、アラキドン酸はシクロオキシゲナーゼ(COX)により分解されてプロスタグランディンE2が産生されることで脳の体温中枢が刺激され発熱します。したがって、発熱は感染に対する防衛反応です。体温が上がることで体内の酵素活性が高まり、ウイルスを排除する力が増強されます。濡れた体をほったらかして体を冷やすと風邪をひくし、サウナで温めると風邪が飛んでいくのはこのあたりに関連していると思われます。イブやロキソニンなどの解熱剤はCOXを阻害してプロスタグランディンの産生を抑えるので発熱が抑えられます。よく使うカロナールはなぜ熱が下がるのか詳しいメカニズムが分かっていません。理屈から考えて、防衛反応である発熱を解熱剤で抑えるとウイルスにとっては好都合で風邪は長引くと考えられます。解熱剤の唯一のメリットは熱が下がったほうが元気が出るので食事が取れること。熱が下がったから学校に行くとか仕事をすると言うのはだめです。無理せずゆっくり寝たほうが早く治ります。

    葛根湯などの漢方薬は解熱効果はなく、むしろ体を温めて風邪を治します。一方、インターフェロンなどのサイトカインによる体の過剰な反応を和らげてくれる働きがあるため、頭痛や悪寒が緩和されます。こんな処方を薬草の組み合わせで考えだした2000年前の中国の医者のレベルの高さには驚かされます。

  • 人参パワーを実感しました

    コロナもインフルエンザ(A、B)も毎日たくさん来院されます。インフルエンザと確定された場合タミフルを処方するので簡単ですが、コロナの場合とインフルエンザでもコロナでもない場合はこれといった処方はないので漢方を出すことが多くなっています。おりからの医薬品不足で咳止めやたんを切る薬は殆ど入手できませんから、咳止め系の漢方を出すことが多くなります。しかし、その漢方もかなり品薄になっていて、薬局の方では医薬品調達に毎日難儀していると思います。当院は通常から漢方薬の使用量が多いため、こういう状況でもわりとメーカーが融通してくれているのですが、それでも葛根湯や麻黄湯など風邪の初期によく使う処方が出しづらくなっています。葛根湯が肩こりに効くから1ヶ月分ほしいなど言われても今は無理です。もし風邪の人に3日分ずつ出せばその分で10人が助かります。コロナやインフルエンザの療養期間は5日なので本当は5日分処方したいのですが、それもできません。薬がないので3〜4日分の処方となります。

    そんな中、私も先日風邪を引いてしまいました。サウナで目一杯汗をかいたあと、冷水にドボンと入り、その後よせばいいのに寒い中椅子に座って外気浴なんてしたら、なんか喉の調子が悪くなり、翌日には咳が出るようになりました。咳止めは手に入らないので、門前の凌雲堂薬局においてもらっているコタロー漢方咳止め「一風飲」を買ってきて使ったりしましたが、診察中話そうとすると咳き込むので、うまく話ができず来院された皆さんには大変失礼しました。帰宅後、朝鮮人参エキスを耳かき一杯お湯に溶かして飲んでみたらみるみる体調が回復して、今日はすっかり調子よく仕事できました。それにしても人参パワーはすごいです。

    実は、漢方の世界で風邪の治療に人参を使うのは火に薪をくべるようなものだから気をつけろと習います。人参が入った補中益気湯などの「補剤」は風邪の初期には使わず、しばらくたって回復が遅れてきたと判断した時点で処方します。ところが、今回の私の経験から、風邪早期に人参を入れて体力をつける治療もいいものだと実感しました。「ロイヤルゼリーとかユンケルなどで一発で風邪を治す」という人もいるように、そう言う「補剤」も使って見る価値ありです。

  • ヘモグロビンA1cについて

    TSMCの第2工場も菊陽にできることが決まったとの報道が新聞1面にのっていました。熊本の景気を良くするでしょうが、人手不足の中さらに人が足りなくなるだろうし、賃金が高騰するかもしれず、地価が上がったぶん物価(家賃など)も高くなることでしょう。交通渋滞の対策も追いついていないし、地下水が果たして枯渇したりしないかは未知数です。みんなが浮かれているほどいいことばかりではないと思います。自治体には今のうちからできる対策を取ってもらいたいです。第1工場で生産される半導体はおそらくパソコンやスマホなどに搭載されるもので、日本が欲しくてたまらない自動車用ではないみたいでした。しかし第2工場の方はトヨタも出資すると書いてあり、これで車用の半導体の確保ができそうです。それは良かったとおもいます。

    糖尿病の患者さんはヘモグロビンA1cという検査をしています。7以下にコントロールしたいので、毎回その数値を見て一喜一憂します。この検査は遡って1ヶ月ぐらいの間の血糖の変動を評価する値です。先月の検査はちょうど年末年始の時期を反映するものだったので悪化していた人も多数見られました。しかし、今月に入っての検査はすでに正月もあけてからの1ヶ月の評価となります。今回も高いようなら要注意です。何か食生活が悪いか運動の習慣がなくなっているか原因があるはずです、

    血糖やコレステロールをコントロールするのは、後々起こってくる合併症を予防するためです。主に動脈硬化から来る狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、慢性腎臓病などです。これら合併症は10年20年の月日を経て起こってくるため、80歳を過ぎてまだそういった疾患にかかったことがない場合はすこし基準を緩めてHbA1cは8以下でも結構です。ただし、心臓病や腎臓病、脳梗塞などの既往があればできるだけきちんとコントロールして2次予防に努めたほうがいいと思われます。

    梅の花が咲いていました