むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 葛根湯について

    今朝新聞を見ていたら植木にある寺尾病院の寺尾敏子先生の訃報が載っていました。私は大学院の頃から留学するまで6年ぐらい寺尾病院で夜勤をしていました。平日週1回と土日でほとんど住み込みみたいな生活でした。寺尾病院は植木町の中核となる救急病院で、高速道路の交通事故とか、ヤクザさんが指を詰めたのでなんとかしてくれとか、マムシに噛まれたとか、とんでもない重症の急患がしょっちゅう来ていました。私の救急対応はほとんどこの病院で学びました。留学先で救急医学と集中治療の分野を研究したきっかけとなったのも寺尾病院での経験からでした。そして、寺尾敏子先生は私の両親より高齢ですが、手取り足取りいろんなことを優しく教えてくれました。特に、敏子先生は耳鼻科だったので、耳の見方などを教えていただきました。今私が診察の時耳鏡で耳を覗くのはこのときの経験からです。敏子先生には本当に感謝です。御冥福をお祈りします。

    今度、市役所が桜町に移転するとニュースになっていました。先日、桜町ってむかし何があったっけ、という話題で若い人と話していて、あそこは交通センターと岩田屋だったでしょ、その向かいの広場に産文(産業文化会館)があったよね、とはなしていたら、全く通じませんでした。異国の話をしているかのような・・。あそうだ、岩田屋のあとは県民デパートという名前だったっけ、というと、あーなんか聞き覚えある、とのこと。私の記憶では県民デパートで買い物したことないし、思い出といえば、岩田屋の前の岩田屋伊勢丹だった頃。緑と赤と黄色っぽいチェック柄の紙袋が懐かしい。

    覚えていますか>https://precious.jp/articles/-/3898

    さて、昨日夏風邪に葛根湯はあまり使わないと書きましたが、飲んで調子がいい人はやめる必要はありません。体質にあっている場合、副作用はあまり心配ないので続けてもらっていいと思います。葛根湯は感染性胃腸炎にも効果的なので、当院では胃腸炎で熱が出てきつそうなら葛根湯に黄連解毒湯を合わせて使っています。熱のない単なる吐き気と下痢なら黄連解毒湯だけで効果的です。今の季節、結構胃腸炎が見られますので、対処法を知っておくと役に立つと思います。

  • 夏風邪の漢方処方について

    梅雨らしく雨が続いています。案外涼しくて、毎年梅雨の頃ってこんなに快適だったかな?と思ったりします。蒸し暑い日がまだあまりありません。クリニック内は除湿も兼ねてエアコンを強めに付けているので、少し肌寒いです。来院される患者さんも長袖の人が結構いるので、涼しく感じるのは私だけではないようです。そのせいか、風邪の人が相当います。検査すると大半がコロナ陽性です。ご注意ください。

    曜日によりますが私の後ろで勉強している先生がいることがあります。これは漢方専門医を取るために必要な研修を行っているのです。気になる方がいたらすいません。ちゃんとしたキャリアの先生たちなので、ご心配なく。その先生たちに最近私が繰り返し説明することがあります。それは、夏風邪は冬の風邪と同じ処方ではいけないということです。冬には葛根湯や麻黄湯をよく使いますが、これらの風邪に使う漢方は体を温めて発汗を促します。寒気がして、鳥肌が立っているところに麻黄湯などを飲むことで毛穴が緩み、汗がにじみ出て来て熱が下がりスーと体調が良くなってきます。ところが夏の風邪は違います。最初から暑いのでジメッと汗をかいています。鳥肌をたてて悪寒がすると言っている人はまずいません。そんな夏風邪患者さんに麻黄湯や葛根湯を使うとさらに体が熱くなり、汗もダラダラと出て体力を失います。したがって、よほど寒気の強い例を除けば、夏風邪に葛根湯や麻黄湯はあまり使いません。

    でも、私の診察で葛根湯をもらったよ、という人が結構いると思います。実は上に書いたのは単独で処方するときの話です。麻黄湯や葛根湯は石膏を含む他の処方と合わさると温める働きが弱まり、逆に清熱的に働きます。小柴胡湯加桔梗石膏、麻杏甘石湯、越婢加朮湯などが石膏を含む製剤です。これらと合わせることで葛根湯を夏風邪にも使えるようにアレンジしています。このように、私たち漢方専門医は同じ風邪でも季節により処方を変えているのですが、素人が薬局に並んでいる漢方を適当に買うと、そういった理屈がわからず失敗するかもしれません。薬局にも漢方に詳しい薬剤師さんがいるかも知れませんので、心配なら、自己判断でなく専門家に尋ねて下さい。

  • コロナがかなり増えています

    今週に入ってからコロナ患者さんが激増しています。当院だけでも毎日10名くらい新規に出ています。世の中はもうコロナのことをすっかり忘れています。コロナといってもただの風邪ですが、夏風邪は辛いですよ。梅雨ですから、雨に濡れたまま着替えないとか、エアコンをきかせすぎて寝冷えしたとか、そんな感じで風邪をひく人が多いです。ウイルスはどこにでもいるので、どこでうつったんだろうなんて詮索しても無駄です。多分誰の喉にでもついていると思います。そのウイルスが発病するかどうかはそれぞれの免疫力次第です。体を冷やさない、栄養と睡眠をちゃんと取る、ストレスを避けるなどが重要です。

    もう一つ最近多いのは痛風です。日頃尿酸の高い人が、突然足の親指の付け根などに炎症を起こして痛くて歩くのも辛い、というものです。通常のロキソニンくらいの痛み止めを飲んで様子を見ても1週間ぐらいひどい痛みがあるので、しっかりと炎症を取らないといけません。また、痛みが取れたら尿酸を下げる治療を忘れずにしておかないと再発します。尿酸治療は年単位で時間がかかります。また、アルコールで尿酸は上がるので、夏にはビールやハイボールなどをたくさん飲んで悪化する人が出てきます。ご注意ください。

    漢方を飲んだら痩せた、なんて夢のような話をどこからか聞いて大勢の患者さんがあとを絶ちませんが、そんなに効く訳ありません。効くのなら自分でも飲んでます。私はチョコザップで毎日仕事でクタクタに疲れていても雨が降っても気力で走っていますが、1ヶ月でやっと2キロ痩せました。どんなに苦労しているか。そんな苦労なしにお菓子を食べながら漢方を飲んで痩せるのなら、そんな薬は毒じゃないかと思います。健康にいいはずありません。やめたほうがいいですよ。

  • 熱中症に注意しましょう

    週末になるといつも同じことを書いているような気がします。土曜日は激しく忙しい上に、午後から学校心臓健診でした。当院は東の端っこにありますから、本荘の医師会病院まで結構遠く、ただでさえ行くのに時間がかかる上に土曜の昼頃はとにかく道が混みます。タクシーの運転手さんから習った裏道などを駆使して行っても30分以上かかります。結局2時過ぎにしか到着できず、それから十数名の診察です。みんなエコーをしたり運動負荷心電図をしたりして、結果を本人とご両親に説明するので、一例一例時間がかかります。それでも、子供が心臓健診で再検査に引っかかった、となると、ご両親もびっくりして来られているので、丁寧に説明して安心して帰っていただくように心がけています。

    今日は天気予報では雨でしたが、降りませんでした。すごく暑くて、夜にいつもの温泉に行った際に、車の温度計を見たら外気温27C ありました。クリニックには午後から造園業をしている友人が駐車場の木を剪定してくれました。この時期に切っておかないと夏の間に伸び放題になってすごいことになるのです。今は草なしくんで地面を処理しているのできれいですが、以前はツタが巻いて、蚊や蜂もブンブン飛んで剪定はむちゃくちゃ大変でした。私の力では無理と思って草なしくんで処置をしてもらい、今ではプロに任せてきれいに管理してもらえるようになりました。先日、彼の同僚で、これもまた私の旧友が、庭師仕事の最中に熱中症にかかって倒れたという話でした。まだ体が暑さに慣れていないこの時期こそ、熱中症にはくれぐれも注意が必要です。

    熱中症関連で漢方治療には2パタンあります。一つは暑さそのものに対する対策です。炎天下でスポーツをするとか道路工事や大工さんなどでとにかく暑さにやられるという場合、黄連解毒湯で体を冷まします。痛いほどの日焼けには越婢加朮湯ですが、痛みが強いときはロキソニンなどの鎮痛剤やステロイドを短期間併用します。もう一つは暑さのせいで体力低下、夏バテで食欲がない、きついというもの。こちらは清暑益気湯や補中益気湯を使います。たまに、事務所の冷房が効きすぎて頭が痛いとか肩こりが半端ないという相談もあります。こういう場合は例外的に温める処方がいいので、葛根湯をベースに呉茱萸湯などの併用で対処します。

     

  • 梅雨入り間近

    チョコザップでランニングしながらYouTubeを聞いていたら、中田敦彦がTSMCについて解説していました。これまでの半導体産業の歴史から熊本工場の意義などわかりやすく解説していました。熊本に住む私たちは、このくらいの背景をちゃんと理解しておいたほうがいいといいと思いました。日本の未来や産業は熊本にかかっているかもしれないし、うまく行けば、日本のシリコンバレーみたいに発展を遂げるチャンスになると思います。地下水の枯渇とか農業への影響とか環境汚染などの心配はありますが、負の部分はちゃんと監視しながらプラスを伸ばしてもらいたいと思います。

    今年は梅雨入りがすこしおそいみたいで、毎日30度を超える晴天が続いています。例年今頃は田植えも終わっている時期ですが、今年はまだ田んぼに水も入っていません。梅雨入りが遅いのと空梅雨とは関係ないので、油断はできません。おそらく今週末頃から梅雨入りでしょう。大雨に備えていろいろ対策を取るならあと数日残っているので、晴れの日を有意義に使いましょう。

    梅雨に多い訴えは、頭痛と目眩です。天気に敏感に左右される体質というのがあります。多くは五苓散がよく効きますのでこの時期をうまく乗り越えるために、常備して自分でうまくコントロールされるといいと思います。私の処方では、患者さんの体質に応じて当帰芍薬散とか苓桂朮甘湯なども使い分けています。五苓散以外にもいろいろ天気関連で有効な漢方がありますので、これいいと決めつけずにこまかく症状を教えていただけると適切に処方を選びます。