むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 食事は健康の要

    忙しい人や体調の悪い人がやりがちなミスの一つが、自分の食事をおろそかにすることです。朝食を抜いたり、昼はおにぎりやインスタント麺、夜は家族が残したものをつまむ程度、というような食事内容になりがちです。しかし、これでは多少のカロリーを取っているにすぎず、十分な栄養が取れているとは言えません。栄養とは、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどを指します。これらが不足すると、体内の酵素が適切に働かず、疲れが取れない、やる気が出ない、寝てばかりいる、という状態に陥ることがあります。また、栄養はメンタルにも深く関わっており、気分の安定、不安、抑うつ、睡眠などと密接に関連しています。栄養が不足すると、心が不安定になる可能性もあるのです。

    特に産後のお母さんにこのような状況がよく見られます。出産時に赤ちゃんに大切な栄養を分け与えるため、母体は極端な栄養不足になります。さらに、授乳によって栄養が奪われるため、しっかり食べておかないと心も体もボロボロになってしまいます。産後うつの原因の一つには、なれない子育てのストレスがありますが、栄養不足も大きく関与しています。

    栄養をきちんと取るためには、肉や魚、卵、大豆などのタンパク質を適切に摂ることが重要です。また、野菜や海藻に含まれるビタミンやミネラルも欠かせません。ただし、バランスが大切です。実は、私自身、以前は患者さんに栄養指導をしていることもあり、自分でも毎日大量の肉を食べていました。しかし、結果的にコレステロールと尿酸がどんと上がってしまいました。そこで、現在はほとんど肉を食べず、ベジタリアンみたいな食事にしています。大豆ミート、豆腐、茹でた豆、納豆、ごま豆腐、えんどう豆プロテインなど、植物性のタンパク質を積極的に摂り、ビタミン類のサプリも適宜摂取しています。

    サプリメントに関しては、昨今の健康被害のニュースをみて心配する声もあります。人それぞれ必要なサプリメントは異なりますので、個別の対応が重要です。興味がある方は診察の際にぜひお尋ねください。あなたに合った情報を提供いたします。

    今日の夕食: 豆、冬瓜、厚揚げ、甘唐辛子のベジタリアンカレー

  • 胸痛について知っておきたいこと

    最近、胸が痛いということで来院される方が毎日数名おられます。胸痛を感じたとき、多くの人が「心臓の問題ではないか」と不安になることでしょう。確かに、胸痛は狭心症や心筋梗塞といった心疾患に関連することがありますが、実際には他にもさまざまな原因があります。今回は、胸痛の原因と、その鑑別方法についてお話しします。

    まず、狭心症や心筋梗塞などの心疾患が考えられます。狭心症は、心臓への血流が一時的に不足することで起こる痛みです。胸の中央付近に締め付けられるような圧迫感を伴い、数分間で消失することが多いです。一方、心筋梗塞は、心臓の血流が完全に遮断され、心筋が損傷を受ける状態です。激しい痛みが続き、冷や汗や呼吸困難を伴うことがあります。心電図や心エコーといった検査が診断に役立ちます。

    次に、肺に関連する疾患があります。気胸や胸膜炎がその代表例です。気胸は、肺が一部虚脱する状態で、突然の鋭い痛みを感じます。痛みは片側の胸に限定されることが多く、呼吸するたびに痛みが増します。胸膜炎は、肺を覆う膜(胸膜)が炎症を起こす状態で、こちらも胸痛を引き起こします。痛みは呼吸や咳をするたびに悪化する傾向があります。肺疾患は主に胸部レントゲンで診断されます。

    また、神経や筋肉の問題による胸痛も見逃せません。肋間神経痛や帯状疱疹がこれに該当します。肋間神経痛は、肋骨の間を走る神経が刺激されることで生じる痛みで、深呼吸や体を動かすと悪化します。一方、帯状疱疹は、ウイルスが神経を侵すことで発症します。胸の片側に沿ってピリピリとした痛みが現れ、発疹が見られることが特徴です。

    これらの原因は、痛みの性質からある程度鑑別することができます。例えば、締め付けられるような痛みや圧迫感があれば心疾患が疑われ、鋭い痛みや刺すような痛みが片側に現れる場合は気胸や胸膜炎、神経痛が考えられます。また、体を動かしたときに痛みが悪化する場合は、神経や筋肉に関連する痛みである可能性が高いです。

    胸痛の原因として見逃せないのが、心因性やストレスによるものです。強いストレスや不安、緊張状態が続くと、自律神経が乱れ、胸の痛みや違和感を引き起こすことがあります。これらの痛みは、心臓や肺に異常がなくても生じることがあり、胸が締め付けられるような感覚や、胸全体が重く感じられることがあります。さまざまな検査を行っても特に異常が見つからない場合、心因性である可能性が考えられます。

    心因性の胸痛は、休息を取ったり、リラックスすることで改善することが多いですが、長引く場合や症状が強い場合は、専門医(心療内科医)に相談することをお勧めします。ストレスマネジメントや生活習慣の見直しも効果的です。

    当院は現在心療内科の新規受付を行っていませんが、胸痛で循環器疾患や呼吸器疾患も疑われるというときには遠慮なくご相談ください。

    Copilotでイラストを作成しました。

  • 夏バテの解消には

    9月に入っても、昼の日差しはまだまだ強く、暑さが続いています。今日は日中も汗ばむ陽気でしたが、夕方になると雨が降り、少し涼しくなりました。最近は夜も過ごしやすくなり、エアコンに頼らず熟睡できる日が増えてきました。これから少しずつ秋が近づいてくるのを感じられる時期です。

    最近、夏バテと思われる倦怠感を訴えて来院される方が増えています。
    夏バテは、暑さや湿気による体調不良が原因で、疲労感や食欲不振、だるさが続く状態です。特に今年の夏は非常に厳しい暑さが続いたため、身体に大きな負担がかかっている方が多いようです。そんな夏バテには、漢方薬が効果的です。私のおすすめは「清暑益気湯(せいしょえっきとう)」という漢方薬です。この処方は、体力が低下し、疲労感や食欲不振が見られるときに用いられます。体内の熱を冷ましつつ、気を補い、元気を取り戻す効果が期待できるため、夏バテにぴったりの漢方です。

    夏バテ解消に役立つ生活のヒントもいくつかご紹介します。

    <バランスの取れた食事を心がける>
    夏バテには、冷飲食で体を冷やしすぎず、栄養をしっかり摂ることが大切です。食欲がないときでも、さっぱりとしたそうめんのようなものばかりではなく、肉や魚、卵などのタンパク質、トマトやキュウリ、ピーマンなどの夏野菜、梅干しなどを取り入れながら、栄養価(カロリーではない)の高いものを摂るようにしましょう。特に、ビタミンB群やビタミンC、クエン酸などを多く含む食品は、疲労回復に効果的です。

    <適度な運動で血行を促進>
    暑さで運動不足になりがちですが、適度な運動は血行を促進し、代謝を高めます。涼しい時間帯にウォーキングやストレッチを行うと、リフレッシュでき、夏バテの解消に役立ちます。

    <十分な睡眠を確保する>
    夜はエアコンを控えめにして、自然な涼しさで睡眠をとるようにしましょう。温度が高すぎると睡眠の質が下がるため、涼しい空気の中でリラックスして眠ることが大切です。また、寝る前にぬるめのお風呂に入ると、体温が下がりやすくなり、より深い眠りを得られます。

    このように、9月に入り徐々に秋の気配を感じる中でも猛暑の影響で体調のすぐれない方が多い昨今、漢方薬や日常の工夫で、夏バテを乗り切りましょう。

    ブログのイメージをCopilotに挿絵にしてもらったら、むちゃくちゃトッピングが多い!

    夏野菜たっぷりのパスタサラダも夏バテ解消に良さそうですね。

  • 夏も終わり

    いよいよ9月に入り、夏も終わりです。学校も始まり、日常が少しずつ戻ってきました。ツクツクボウシの声が聞こえると、秋の訪れを感じます。朝晩は少し涼しくなり、過ごしやすい日が増えてきました。この時期はウォーキングなどの軽い運動にぴったりの季節です。夏の間、あまりに暑くて運動ができなかった方も多いのではないでしょうか。スポーツの秋です。ぜひ体を動かして健康を維持しましょう。

    さて、健康診断でコレステロールが高いと指摘された場合の対処法について書きたいと思います。まず、コレステロールは体に必要な脂質の一種ですが、血中のコレステロール値が高すぎると動脈硬化や心血管疾患のリスクが高まります。食事、運動、そして必要に応じて服薬を組み合わせることで、効果的にコントロールすることが重要です。

    食事はコレステロール値をコントロールする上で最も重要な要素の一つです。飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を多く含む食品(例えば、バター、加工肉、揚げ物など)は避け、代わりにオメガ3脂肪酸を豊富に含む魚や、食物繊維が豊富な野菜や果物を積極的に摂りましょう。特に、精進料理やベジタリアンがよく食べる大豆製品はコレステロールを下げる効果が期待できます。私のおすすめはグリーンカルチャー(通販)で入手できる冷凍大豆ミートです。よく売られている乾燥した大豆ミートよりかなり食感が本物のひき肉に近いので美味しくて満足感が違います。

    運動はコレステロール値の改善に有効です。特に有酸素運動は、善玉コレステロール(HDL)を増やし、悪玉コレステロール(LDL)を減らすと言われています。ウォーキング、ジョギング、サイクリングなど、自分に合った運動を無理なく続けることが大切です。朝晩の涼しさが増してくるこの季節は、運動を始める絶好のチャンスです。

    もし食事や運動だけではコレステロールが改善しない場合、スタチンなどの薬をつかってコレステロールをコントロールします。1次予防と2次予防で治療目標が違ってきます。1次予防とは今まで心筋梗塞などの既往がない方。大雑把に言えばLDL140以下を目標に治療します。2次予防は心血管疾患(心筋梗塞)の既往のある方。再発予防のためにLDL70以下を目標にします。実際には性別、年齢、高血圧や糖尿病の有無などいろいろな危険因子を勘案して治療目標を決めていきます。

    夏の終わりとともに、秋の健康管理に向けた準備を始めましょう。涼しくなってきた今こそ、食事を見直し、運動を取り入れて、コレステロール管理を徹底していきましょう。秋は、夏バテを解消し健康的に過ごしたいですね。

    Copilotで描きました

  • 長引く咳はマイコプラズマかもしれません

    お盆明けの忙しさの中、最強クラスの台風10号が九州直撃で、多くの方が心配されていたと思います。私も、以前このコースで接近した台風の怖さを知っていることから、少なからず不安を感じていました。しかし、幸いなことに今回の台風は大きな被害をもたらすことなく過ぎ去ってくれました。被害が最小限に抑えられたことに感謝しつつ、引き続き防災意識を高めていきたいと感じました。台風のお陰で気温がさがり、久しぶりにエアコン無しで熟睡できました。

    さて、風邪をひくと、つい「早く治りたい」と思い、抗生物質を求める方がいらっしゃいますが、風邪に抗生物質は効果がありません。その理由は、風邪の原因がウイルスであるからです。抗生物質は細菌に対して効果がありますが、ウイルスには効果がありません。そのため、風邪の場合は抗生物質を使用しても症状の改善には繋がらないのです。

    むしろ、抗生物質の不必要な使用は、耐性菌の発生を招き、将来的に本当に必要な時に抗生物質が効かなくなるリスクを高めます。風邪の際には、安静と十分な水分補給、栄養の摂取が基本です。当院では主に漢方薬を処方しています。漢方が風邪に有効なのは4千年の歴史の証明するところです。

    一方で、最近マイコプラズマ感染症が流行していると報道されています。何故か昔からマイコプラズマはオリンピックの年(4年ごと)に流行する傾向にあり、今年もちょうどオリンピックの年となります。マイコプラズマは、特に子供や若年層に多く見られる呼吸器感染症で、その症状は風邪と似ていますが、より長引くことが特徴です。

    初期症状は、喉の痛みや軽い咳、倦怠感などですが、徐々に強い咳や発熱を伴うことがあります。咳は長引くことが多く、時には数週間続くこともあります。この場合、治療には抗生物質が有効で、適切なタイミングでの治療が重要です。症状が気になる場合や、家族内で同様の症状が見られる場合は、早めの受診をお勧めします。

    台風一過で気持ち良く晴れた朝をCopilotに描いてもらいました