むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 柔軟な経営の大切さ

    昨日、熊日で「TSMCの第2工場建設が止まっているが大丈夫か」という記事が載っていました。すると、今日の日経には「TSMC熊本でAI半導体」という記事がトップになっており、驚きました。熊日が懸念していた工場建設の遅れは、実はTSMCの計画変更によるもので、4ナノチップ(AI向けの先端品)の工場を建設するようです。地元の新聞が全国紙に出し抜かれた形となりました。もともとは電気自動車用のチップを生産する予定だったが、電気自動車の販売不振を受けてAI用にシフトしたという背景があるようです。結果的には、工場が完成する前に計画変更が行われたのは良かったですね。

    このように、途中まで進めた仕事や計画を変更することは、非常に勇気がいることです。多くの人は、ある程度時間やお金をかけてしまった仕事を途中で投げ出し、振り出しに戻すのはとても難しいと感じます。「もう決まったことだから」と後ろを振り向かずに突き進む方が、実際にはストレスが少ないこともあります。しかし、企業の経営となると、何百億ものお金が動くため、その判断が生きるか死ぬかを決めることになります。そんな中で、柔軟に計画を変更できる姿勢が重要だということを、このTSMCの例は教えてくれます。

    私たちが経営している医療現場では、そこまでドラスティックな変化は少ないかもしれませんが、診療報酬が頻繁に方向転換する中では、それに迅速に対応しないと置いていかれます。ときには、「新しい方針が今はおいしそうだから」と飛びつくと、後でそれが間違いだったと感じることもあります。厚生労働省はいつも数年後にはしごを外すので、経営上利点と思われた前提が崩れた時、急に取り組んでいた仕事を中止しなければならないこともあります。だからこそ、国の方針には逆らわず、しかしのめり込みすぎずに自分の得意分野を守り続ける経営が非常に重要であり、難しいものだと感じます。

    最近、閉院する病院が増えてきており、特にデジタル化(DX)への適応ができなかった高齢の先生がその犠牲となっていることに痛感しています。大きな社会の変化に乗り遅れた結果、撤退を余儀なくされたケースも少なくありません。逆風を受けた時に柔軟に方針を変更し、生き残る力が求められている時代だと感じています。

    OLD SOULにて 巨大スピーカーからはクリスマスミュージック