最近、クリニックを受診された方はご存じかもしれませんが、私はこのところ毎週末ずっと予定が詰まっており、髪の毛がボサボサのままで、なかなか切りに行く暇がありません。今度の週末は休日当番医なので、最短でも2週間後の週末しか床屋に行けません。平日、休まず診療をしていると、こうしたちょっとした時間のやりくりが難しく、大変な面もあります。誰かに頼める用事ならまだしも、さすがに自分の散髪を頼むわけにもいきません(笑)。
さて、今日は診療後に認知症の勉強会があったので参加しました。驚くほど多くの参加者が集まっていたので、何事かと思ったら、大学の精神科に新しい教授が10月から赴任され、その初講演だったようです。専門の先生たちは、どんな教授が来たのか楽しみにしていたようで、現地参加されていた方々も多かったです。私は精神科の専門家ではないのですが、認知症の話を聞きたくて参加しました。運よくその初講演を聞くことができました。
最近、認知症に関する話題では、アミロイドベータに対する抗体治療ができるようになったことが注目されています。この治療は非常に高価で、治療ができる施設も限られています。しかし、今日の講演では、認知症は症状が現れた時点で、もうおしまいだと聞きました。症状が出る前、すなわち20代、30代からすでに勝負が始まっているということです。遺伝的な要因と生活習慣が合わさった結果として、何十年もかけて進行します。高齢になり、認知症と診断された時には、もう後戻りできないレベルに進んでいるというのが現実です。
当院でも、高齢の患者さんから「最近物忘れが気になる」「ボケたのではないか」と相談を受けることがありますが、実際には治療するにはすでに遅すぎるみたいです。現在、できることは観察される症状をいかに軽くし、進行を食い止めるかが主な目標となりますが、認知機能を元に戻すことは非常に難しいです。現在使われている認知症治療薬も、さほど大きな効果が期待できるわけではありません。
今後の展望として、最近アメリカでは血液検査で認知症のマーカーを測定できるようになりました。この検査は認知症の進行度合いときれいに相関しており、まだ症状が出ていない段階でも認知機能の低下を証明できるようになっています。また、生活習慣を改善することで進行を食い止められたかどうかもわかるようになります。現在、日本ではこの検査は保険適用外ですが、将来的には実施できるようになると考えています。
とにかく、今私たちができることは、若いうちから血圧や血糖をきちんと管理すること、適度に運動すること、そして社会的に孤立しないようにすることだと思います。

クリスマスマーケット サクラマチ前
