むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 健診はビジネス

    今週がお盆明けで連日忙しいのはすでに書きましたが、今日は特に忙しい一日でした。新患が多く、診察に時間がかかります。また、症状がとても難しく、どうやって治療するか、難解なパズルを解くように時間をかけて考えなければなりません。久しぶりにコロナ後遺症の患者さんもありました。一筋縄ではいかない難しい症例です。

    どういう病態で今の症状が出ているのかを探るのですが、たいていは採血などをしても重要な所見はあまり得られません。そこで、いくつもの可能性を考えながら問診し、仮説に矛盾がないかを一つひとつ確認していきます。病態が大体わかってきたら、今度は治療法を考えます。漢方にするか、西洋薬にするか。あるいは鍼治療という選択もあります。一番効果的と思われる治療法を決めるのに、しばらく時間がかかります。そういうわけで、難しい新患が多いと、どうしても後の患者さんの待ち時間が長くなり、私自身も気持ちが焦ってきます。

    このところ、健康診断の二次検診が非常に多く、血圧やコレステロールなどで再検査となった方が数多く来院されるため、これも大きな負担となっています。私からすると「再検査は不要ではないか」と思うような軽微な異常でも、事業所には再検査の結果と今後の方針を書いて報告しなければなりません。事業所側も、法律で決まっているから仕方なく職員健診をやっているだけで、後から健康問題が生じると困るため、ある意味では責任回避の側面もあるように感じます。健診機関もまた、見逃して後で問題になることを避けるために、わずかな異常でも「再検査」とし、その責任を再検査する医療機関に委ねているという構図があります。全体を俯瞰すると、健診は患者さんのためというよりも、法律に準じて帳面消しをするための仕組み(ビジネス)に見えてしまいます。諸外国では健診にメリットはないということが証明されており、症状のない人の検査をすることはありません。

    体調が悪いときには、健診で見てもらうのではなく、きちんと医療保険を使って診察を受けるべきです。健診は「悪いところを徹底的に調べる」のが目的ではなく、あらかじめ決められたセットメニューをこなすだけです。一日に相当数をこなしていると思われますが、個々の患者さんの症状に合わせて検査をする仕組みにはなっていません。体調不良があるのに「再来月の健診を待つ」というのは無意味です。できるだけ早めに医療機関を受診し、必要な検査をピンポイントで受けていただきたいと思います。