このところ、涼しい日が続いています。このまま秋になってくれればいいと思うのですが、週間天気予報を見ると、まだ暑さが戻ってくる可能性はあるようです。それでも、私たちの体は少しずつ秋から冬に向けたモードへ変化しているように感じます。患者さんの中には、すでに秋のアレルギー症状が始まった方もおられますし、血圧が少しずつ上がってきている方もいます。
血圧は、夏の暑い時期には比較的低めで安定する方が多く、血圧の薬を少し軽くしている患者さんもいます。ところが、これから涼しさが進んでくると、血圧が徐々に上がってくることがあります。そういう場合には、血圧に応じて薬を調整する必要があります。今の時期に2か月分の薬を処方すると、次に来院されるのは11月になります。その頃には、かなり寒くなっているかもしれません。もし途中で血圧が上がってきて、「今の薬では効きが足りないのではないか」と感じるような場合には、薬がなくなるまで待たず、早めにご相談いただければと思います。
さて、最近、地震の後から不眠や不安が出てきたという患者さんを診ることがあります。このような場合、私は加味帰脾湯という漢方薬をよく処方します。加味帰脾湯は、不安や精神的な緊張に伴う不眠などに用いる薬です。
ただし、地震の後に不眠になったからといって、誰にでも加味帰脾湯が効くわけではありません。ここが漢方の難しいところであり、同時に面白いところでもあります。漢方では、病名や症状だけで処方を決めるのではなく、その人の体質や全身状態などを含めた「証」を考えて処方を選びます。そのため、同じように「地震の後から眠れなくなった」という患者さんでも、別の漢方薬のほうが合っている場合があります。
今日も、「他院で加味帰脾湯をもらったけど、あまり効かなかった」という患者さんから相談がありました。そこで、症状をもう少し詳しくお聞きしてみると、どうも別の漢方薬のほうが合っているように思われました。そこで、処方を変更して様子を見ることにしました。
漢方には「同病異治」という言葉があります。これは、同じ病気や同じような症状であっても、患者さんの体質や病態に応じて、異なる治療を行うという考え方です。
たとえば「不眠」という同じ症状でも、
- 不安や心配事が頭から離れない人
- 体が疲れているのに眠れない人
- 気持ちが落ち込んで眠れない人
- 体が冷えて眠れない人
- 夜になると頭が冴えて眠れない人
など、いろいろなタイプがあります。症状は「眠れない」という一言で同じでも、その背景は一人ひとり違います。漢方の場合、その背景によって処方を変えます。
では、どうやって違う処方を選ぶのでしょうか。
私が診療で一番大切にしているのは、患者さんの症状と現病歴です。先日、「症状をできるだけ詳しく教えていただくと、処方を決める際の重要なヒントになります」という話を書きました。
そのブログを読んでくださったからなのか、最近では、ご自身の病歴や症状を丁寧に紙に書いて持ってきてくださる患者さんも増えてきました。これは診察する側として、本当に助かります。
逆に、診察で何を聞いても、「分かりません」「別に」という返事だけだと、どうしても分かる範囲でしか判断できません。特に、若い学生さんなどで、ほとんど話してくれない場合には、診察する側も非常に苦労します。できる範囲で構いませんので、詳しく症状を教えていただけると、それだけ処方を選ぶための情報が増えます。ご自身のためと思って、問診票にできるだけ詳しく病状を書いていただければと思います。皆さんからいただいた情報を大切にしながら、その方にできるだけ合った治療を考えていきたいと思っています。
ChatGPTが要約してくれました
