むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 不妊治療について

    昨日のブログにも書きましたが、当院は9月1日で10周年を迎えました。各方面からお祝いのお花などをたくさんいただき、本当にありがとうございます。思いがけないほどたくさんのお花をいただき、クリニックの待合室は今、お花でいっぱいになりました。開院したときも、お花や観葉植物など、院内に並べきれないほどたくさんのお祝いをいただきました。しかし、10周年を迎えて、まさかこれほどたくさんのお花をいただけるとは思っていませんでしたので、本当に嬉しく思っています。

    当院では、他の病院で治療を受けてもなかなか体調が良くならないような難しい症例に対しても、漢方や心療内科的なアプローチなど、できるだけいろいろな方法を組み合わせながら、なんとか元気に、健やかに過ごしていただきたいと考えています。これからも医学の知識をしっかりアップデートしながら、少しでも皆様のお役に立てるよう、精一杯頑張っていきたいと思います。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

    さて、クリニックにとって創立記念日は、いわば「誕生日」のようなものです。そこで今日は、当院に相談に来られることの多い、不妊治療について少し書いてみたいと思います。当院に来られるのは、殆どの場合、すでに産婦人科でホルモン治療や人工授精、体外受精などの治療を受けていて、そこに漢方を加えて、少しでも良い結果につなげたいという方です。そうした患者さんには、体質や症状を診ながら、冷えや月経不順、疲れやすさなどを改善し、妊娠を目指すための体調を整える目的で漢方薬を処方することがあります。ただ、ここで私がいつもお話しするのは、「漢方薬を飲むことだけが治療ではありません」ということです。妊娠を目指すうえでは、毎日の生活環境を整えることも非常に大切だと思います。

    その基本になるのが、食事と睡眠です。まずは、きちんと食べること。食事については、炭水化物だけに偏らないこと。肉、魚、卵、大豆製品などのタンパク質をしっかり摂り、野菜や果物なども組み合わせて、ビタミンやミネラルを含め、できるだけバランスの良い食事を心がけてほしいと思います。特に、貧血や鉄欠乏がある場合には注意が必要です。女性は鉄が不足しやすいため、ヘモグロビンだけでなく、フェリチンなども確認しながら、必要に応じて鉄を補充します。大事なのは、「妊娠するための特別な食事」というよりも、まずは妊娠・出産に耐えられる体を作っておくことです。

    もう一つ、私が大切だと思っているのが睡眠です。不妊治療を受けている方は、仕事や家事などで忙しく、睡眠時間が十分に取れていないことがあります。「6時間くらいは寝ています」という方も多いのではないでしょうか。もちろん必要な睡眠時間には個人差がありますので、「何時間寝れば妊娠できる」という単純な話ではありません。ただ、妊娠を望んでいるのであれば、できるだけ睡眠不足を避け、体を十分に休ませることは大切だと思います。先日、福岡で漢方の講演をした際、座長をしていただいた天神で漢方クリニックをされている三宅先生も、不妊治療における睡眠の重要性についてお話しされていました。目標は8時間以上の睡眠です。今より1〜2時間でも睡眠時間を増やすことを目標にしてください。家事など完璧を目指さず割り切って睡眠時間を確保しましょう。そして、ご主人も自分のお弁当くらいは自分で準備するなど、奥さんが十分な睡眠を取れるように協力しましょう。

    もう一つ、私が大切だと思っているのが、精神的な部分です。不妊治療は、身体的な負担だけでなく、精神的な負担もかなり大きいものです。「なぜ妊娠できないのだろう」「また今回もだめだった」「周りの人はどんどん妊娠していくのに……」そんな思いが積み重なり、気分が落ち込んだり、涙が止まらなくなったりする方もいます。

    妊娠できないことで自分を責めすぎないことが大切だと思います。つらいときには、一人で抱え込まず、産婦人科の先生や家族、必要であれば心療内科などにも相談していただきたいと思います。また、妊娠中や産後は、ホルモンや生活環境の変化などから、うつ状態になることもあります。「妊娠中だから薬は飲めない」と思い込んで、つらい状態を我慢してしまう方もいますが、妊娠中や授乳中でも使用できる薬はあります。必要であれば、産婦人科の先生と相談しながら、適切な治療を受けてください。