むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 過活動膀胱の勉強会に参加しました

    今日も外来と訪問診療を合わせて約120名の患者さんを診察しました。

    これほど忙しくなると、診療以外の仕事がなかなか進みません。事務作業も山積みですが、今はとにかく目の前の診療を優先しています。

    診療終了後は急いでクリニックを出て、「過活動膀胱」の勉強会に参加しました。

    過活動膀胱とは、急に尿がしたくなって我慢できない(尿意切迫感)、トイレが近い(頻尿)、夜中に何度もトイレに起きる(夜間頻尿)、時には尿漏れ(切迫性尿失禁)などを起こす病気です。女性に多いイメージがありますが、男性にも決して少なくありません。当院でも頻尿の相談を受けることは多く、薬物治療を行っています。しかし、本来は泌尿器科が専門とする分野ですので、より良い診療のためにも定期的に知識をアップデートすることが大切だと考えています。

    ところが勉強会の最中、震度4程度と思われる地震が発生しました。

    「もう大きな余震は来ないだろう」と少し油断していたところだったので、突然の揺れには驚きました。

    それでも演者の先生は落ち着いたもので、一瞬講演を中断しただけで、10秒も経たないうちに「では続けます」と何事もなかったかのように講演を再開されました。その冷静な対応には感心しました。幸い大きな被害もなく、勉強会は無事終了しました。

    会場を出ると、自転車置き場の自転車がすべて倒れており、非常に強い風が吹いていました。九州南海上には強い台風が接近しているとのことです。

    現在の予報では九州への上陸はないようですが、かなり勢力の強い台風とのことで、すでにこれだけの風が吹いていることを考えると、今後数日は雨風への十分な警戒が必要だと思います。

    地震が続き、さらに台風まで接近しているという大変な状況ですが、皆さんも十分注意され、どうか怪我などされませんようお気を付けください。


    過活動膀胱は「年齢のせい」と諦めないでください

    頻尿や尿漏れは、「年齢のせいだから仕方がない」と諦めている方が少なくありません。

    しかし最近は効果の高い治療薬も増えており、適切な治療によって症状が大きく改善するケースも多くあります。お困りの方は、一人で悩まずぜひご相談ください。

    男性と女性では背景が少し異なります

    ■ 男性の場合

    男性では、加齢に伴う前立腺肥大が背景にあることが少なくありません。

    前立腺が大きくなると尿の通り道が狭くなり、膀胱に負担がかかることで過活動膀胱の症状が現れることがあります。そのため、過活動膀胱だけを治療するのではなく、前立腺肥大の有無を調べ、必要に応じてその治療も並行して行うことが重要です。

    ■ 女性の場合

    女性では、出産や加齢、閉経などに伴って骨盤底筋が弱くなったり、子宮脱や膀胱脱などの骨盤臓器脱を合併したりすることがあります。こうした変化が過活動膀胱の症状に関係している場合があります。

    もちろん、すべての女性がこのような原因というわけではありませんが、背景を考えながら治療を進めることが大切です。

    骨盤底筋トレーニングは大切な治療の一つです

    泌尿器科では、骨盤底筋体操(骨盤底筋トレーニング)の指導が行われます。

    骨盤底筋は普段あまり意識して使うことのない筋肉です。そのため、正しい方法で継続して行うことが重要になります。専門の医療機関で指導を受けたり、信頼できる動画などを参考にしたりすると、より効果的です。

    骨盤底筋トレーニングは、過活動膀胱に対する基本的な治療の一つです。ただし、症状が強い場合には、薬物療法などを組み合わせることで、より高い効果が期待できます。

    最近は座るだけで治療できる機器も

    最近では、電気刺激や高密度電磁刺激を利用して骨盤底筋を刺激し、筋力の向上や症状の改善を目指す医療機器も登場しています。自分で体操を続けることが難しい方にとっては、一つの選択肢となるかもしれません。

    男性に多い「追っかけ漏れ」

    男性では、排尿後に「もう出し切った」と思った後で、下着に少量の尿が漏れてしまう「追っかけ漏れ(排尿後尿滴下)」もよく見られます。

    これは加齢などによって骨盤底筋が弱くなり、尿道内に残った尿を最後まで押し出せないことが主な原因です。

    骨盤底筋トレーニングは有効ですが、効果が現れるまでにはある程度時間がかかります。

    そこで、すぐに実践できる方法としておすすめなのが、排尿後に会陰部(肛門と陰嚢の間)を指で前方へ押し上げるように軽く圧迫する方法です。尿道内に残った尿を押し出しやすくなるため、追っかけ漏れの予防に役立ちます。

    頻尿や尿漏れは、「年齢のせい」と諦める必要はありません。

    生活習慣の見直しや骨盤底筋トレーニング、薬物療法などを組み合わせることで、多くの方で症状の改善が期待できます。

    「トイレが近くなった」「急に尿意が来て困る」「尿漏れが気になる」といった症状がありましたら、一人で悩まずお気軽にご相談ください。

    尿意切迫は過活動膀胱の症状です チャットGPTでイラスト作成

     

  • オンラインで学会に参加

    熊本での地震から、ついに1週間が経とうとしています。

    余震はちょこちょこありますが、10年前のような2回目の本震は幸いにも来ず、なんとかこのまま収まってくれそうです。

    当院にも、いつも通りの患者さんの賑わいが戻ってきました。忙しくなってきましたが、皆さんそれぞれ大変な状況の中で、不安や不眠など、体調の変化について相談される方も増えています。

    「一時的なものだから、しばらく様子を見る」という考え方もあります。

    しかし、毎日不安な気持ちで過ごしていると心も穏やかではありませんし、やりたいことがあっても手につかなかったり、食欲が落ちたりと、生活のさまざまな面に影響が出てくることがあります。

    そういう場合には、漢方にも不安や緊張を和らげる目的で使われる処方がありますので、症状に応じて治療を行うことができます。もともと不安症などで通院されている方には、一時的に抗不安薬などを追加することもあります。

    不安障害の治療では抗うつ薬を使うこともありますが、こうした薬を普段から服用している患者さんとお話しすると、「地震のときは不安もあったけれど、もう大丈夫です」と言われる方が案外多くいらっしゃいました。

    普段から治療を受けている方のほうが、今回のような強いストレスから比較的早く立ち直っているような印象を受けます。

    10年前の熊本地震の経験では、不安や不眠がかなり後になってからも続く方がいました。

    今は気が張っていて、片付けなどに追われる中で、自分の体調不良に気づいていないだけかもしれません。時間が経って緊張が緩んだ頃に、疲れや不眠などの症状が出てくることもあります。

    もし心身の不調が続くようでしたら、どうぞ遠慮なくご相談ください。

    さて、私は東洋医学会の会員ですが、今年の総会は富山県で開催されました。

    さすがにクリニックを休んで富山まで学会に参加するのは現実的に難しく、今回は現地参加を断念しました。

    ところが、会費を払っておけば、後から録画配信を視聴できることがわかりました。そこで参加費を支払っておいたところ、ちょうど今月1日から学会の模様がネットで見られるようになりました。

    内容を見てみると、プログラムは非常に充実しており、シンポジウムをはじめ、さまざまな講演があります。

    現地で参加すると、飛行機の時間などもあり、すべてを聴くことはなかなかできません。また、シンポジウムが複数の会場で同時開催されていれば、そのうち一つしか聴くことができません。

    その点、オンライン配信なら、自宅にいながらすべての講演を網羅して勉強することができます。これは非常に画期的なことだと思います。

    しかも、会場で聴くより勉強しやすい面もあります。

    大事なところでは一時停止してメモを取ったり、分からなかったところを遡ってもう一度聴いたりすることができます。

    こうしたオンラインでの学習方法がコロナ禍をきっかけに定着したことは、とても良いことだと思います。

    月始めなのでレセプトのチェックもしなければなりませんが、今回の学会配信もできればすべて視聴したいと思っています。

    なかなかまとまった時間は取れませんが、診察の合間や朝晩の隙間時間を利用して、少しずつでも精一杯勉強していきたいと思います。

    週末、ライ麦とココアでパウンドケーキを焼いてみました。中には胡桃やアーモンドが入っています♪

  • 「ホスト」を体験!

    今日は初めて「ホスト」を体験しました。ホストと言っても、歌舞伎町のことではなく、Zoom のホストです。

    これまで数多くのオンライン講演会や学会に参加してきましたが、いつも参加者の立場でした。ところがこのたび、日本東洋医学会熊本県部会でオンライン勉強会を開催することになり、私が Zoom のホストを担当することになりました。今日はその予行でした。

    現在は勉強会の案内チラシを作成している最中で、近日中に公開する予定です。内容は初心者向けの漢方基礎講座で、講師は熊本赤十字病院の加島先生にお願いしています。

    漢方を勉強するときによく見られるのは、「この病気にはこの漢方薬」という使い方ばかりを覚えようとして、本来最も大切な基礎理論を十分に学ばないことです。

    西洋医学で例えるなら、生化学や病理学を学ばずに、いきなり内科学や「私はこう治す」といったノウハウ本だけを読んでいるようなものです。もちろん臨床経験は重要ですが、それを支える基礎がなければ知識は断片的になり、応用力も身につきません。

    基礎を学んだからといって翌日から診療に役立つわけではありません。しかし、長い目で見ると、確かな基礎知識こそが診療の幅を広げ、難しい症例に出会った時の判断力につながります。そのため今回の勉強会では、まず土台となる知識をしっかり身につけていただきたいと思っています。

    私自身にとっては漢方の勉強も楽しみですが、それ以上に Zoom のホストを引き受けたことで、新しい経験を積めることを期待しています。本番で慌てないよう、ミーティングの作成方法や参加者の管理、画面共有などを何度も練習し、トラブルなく運営できるよう準備を進めています。

    私もようやく Zoom を使えるようになってきました。十分に習熟できれば、将来的には少人数からオンライン診療にも対応できるかもしれません。DX(デジタルトランスフォーメーション)の流れに取り残されないよう、今回の経験を今後の診療にも生かしていきたいと考えています。

    さて、テレビをつけると連日のように猛暑のニュースが流れています。熱中症で救急搬送される方も非常に多く、本格的な暑さが続いています。

    私は日中はエアコンの効いた診察室で外来診療をしていますが、昼休みには訪問診療で老人ホームや患者さんのご自宅を回っています。短い距離を何カ所も移動するため、車のエアコンが十分に効く前に次の目的地へ到着してしまいます。結果として暑い屋外と車内を行き来することになり、思っている以上に体力を消耗します。

    そこで夏バテ予防に何か体によいものを食べようと思い、「ネバネバ食品」を使った料理を作ってみました。

    今日は山芋をフードプロセッサーですりおろし、オクラやキノコを加えたネバネバのおじやです。味付けには、先日手作りした味噌を使いました。ご飯はほんの少しだけにして、とろろをたっぷり入れています。暑い日でも食べやすく、胃にも優しく、体に染み渡るようなおいしさでした。

    患者さんからは「暑いのでそうめんばかり食べています」という話をよく聞きます。確かに食べやすいのですが、そうめんだけでは炭水化物が中心となり、タンパク質やビタミン、ミネラルが不足しがちです。それでは暑さに負けない体を維持することはできません。

    まだまだ猛暑が続きます。十分な水分補給と適度な塩分補給に加え、栄養価の高い食事をしっかり摂って、元気に暑い夏を乗り切りたいものです。

  • 福岡の平田先生の講演会でした。

    先週は休日当番医を担当したため、私は13連勤でした。さらに、先週の土曜日も今週の土曜日も学校心臓検診があり、夕方まで勤務となりました。さすがに今週は曜日の感覚もなくなるほど働きましたが、夕方にはジムで汗を流しながら、比較的元気に過ごすことができました。

    ようやく休みですが、今日は義母の初盆で福岡にいきます。幸い連休でもあるので、少しゆっくり過ごせそうです。東京にいる家族も久しぶりに全員そろいました。私がここ数か月、コツコツと断捨離を続けて家を片付けていたおかげで、「ずいぶんきれいになったね」と褒めてもらえたのが、ちょっとうれしかったです。

    土曜日は心臓検診から戻った後、漢方のWeb講演会に参加して勉強しました。幸い開始時間に間に合い、最後まで聴講することができました。

    今回の講師は、福岡の平田ペインクリニック院長の平田先生で、テーマは「難治性疼痛の漢方治療」でした。ペインクリニックとは、麻酔科医が患者さんの痛みを専門的に治療する診療科ですが、平田先生は漢方を積極的に取り入れ、西洋医学だけでは十分な効果が得られない難治性疼痛の治療に取り組まれています。

    「漢方でそんなことができるのだろうか」と思われる方もいるかもしれませんが、実際にできるのです。私は勝手に平田先生を師と仰ぎ、勉強会に参加したり著書を読んだりして、長年学ばせていただいています。そのおかげで、平田先生の治療法を参考にしながら、私自身もだいぶ痛みの治療を行えるようになってきました。

    熊本の患者さんが福岡の平田先生を受診され、その後、当院へご紹介いただくこともあります。その際は、平田先生の治療方針を引き継ぎながら、当院で継続して診療しています。今回の講演でも、平田先生ならではの診断や処方の考え方を改めて学ぶことができ、大変有意義な時間となりました。

    実は来月、今度は私が福岡で漢方の講演をする予定になっています。普段から平田先生の講演を聞いて勉強し、その治療法を参考にさせていただいているので、私の講演を聞かれたら「平田先生のパクリだ」と思われるかもしれません。

    しかし、学問とは本来そのようなものです。優れた先生方から学び、その知識や技術を自分の臨床で磨き上げ、さらに自分なりの工夫を加えながら発展させていくものです。私もその積み重ねを大切にしながら、来月の講演に向けて準備を進めていきたいと思っています。

    先日食べたモスバーガーの写真(上)をGeminiに頼んで美味しそうな画像に変換してもらいました(下)うまそう!

  • 腸活はホットなテーマです

    私たち大学の同級生で、主に内科を専門にしている医師同士で、定期的な勉強会をしています。参加者は内科系に限らず、さまざまな診療科の先生方も参加されています。

    開業していると、自分の専門以外を勉強する機会がどうしても少なくなり、診療が我流になってしまうこともあります。そのため、このような勉強会で知識をアップデートすることは、とても有意義です。

    今日は恒例の勉強会で、講師は大腸肛門科で有名な高野病院の高野院長でした。便秘や下痢についての最新の知見を、非常に分かりやすく教えていただきました。

    私は普段、便秘や下痢の患者さんには漢方治療を行うことが多く、西洋医学的な薬を使う機会はそれほど多くありません。しかし最新の知見を学んでみると、不思議なことに漢方の「陰陽虚実」という考え方に通じる部分があるように感じました。

    漢方医学は約2,000年前の中国をはじめとする東アジアで、陰陽という哲学を基盤として発展してきました。一方、西洋医学は科学の進歩によって病態が分子レベルまで解明され、新しい薬や治療法が次々と開発されています。その結果、昔は経験的・哲学的に説明されていた現象が、現代医学でも別の言葉で説明できるようになってきたのではないか、と私は感じています。

    それはともかく、今日も新しい知識をたくさん学ぶことができました。明日からの診療にも役立てていきたいと思います。

    この分野で最近特に注目されているのが、腸内細菌(腸内フローラ)の研究です。

    私たちの腸内には非常に多くの細菌が共生しており、その数は人体の細胞数を上回るとも言われています。最近の研究では、腸内細菌は消化だけでなく、免疫機能や代謝、さらには脳との相互作用(腸脳相関)にも深く関わっていることが分かってきました。気分やストレスへの反応、行動などとの関連も盛んに研究されています。

    実際に、健康な人の腸内細菌を患者さんへ移植する「便微生物移植(FMT)」という治療法もあります。腸内細菌を移植することで胃腸症状の改善ばかりか、その人の性格まで移植された菌の持ち主に似てくるという話もあり、この分野は現在も研究が続けられています。

    私たちが日常生活で腸内細菌を整える方法としては、ヨーグルトや納豆、キムチなどの発酵食品を取り入れることや、食物繊維を十分に摂ることが大切とされています。私が先日、発酵の実験で作ってみた自家製のヤクルト風飲料も、乳酸菌を利用した発酵食品の一つです。こうした食品を日常的に取り入れることは、腸内環境を整える一助になるでしょう。

    また、自然の多い環境で過ごすことが腸内細菌の多様性や免疫機能に良い影響を与える可能性も報告されており、森林浴や土に触れる生活なども健康との関連が研究されています。野菜についた土とか、食事中に下に落としたものを食べることは腸内環境に良い場合があると聞いたことがあります。

    一方で、必要のない抗菌薬の使用や、過度な消毒・除菌は腸内細菌叢に影響を及ぼすことがあります。また、防腐剤や保存料を含む加工食品を多く摂る食生活も腸内環境を悪化させると指摘されています。

    そのため、私たちが日頃から腸内環境を守るためには、できるだけ新鮮な食材を使った手作りの食事を心がけ、発酵食品や野菜、食物繊維を積極的に取り入れることが大切ではないかと思います。